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日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第46号・2005/11/17)
―日本とバングラデシュの橋渡しのために―
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□ 目次 □
【1】堀口大使メッセージ「コミラ再訪」
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
●農村開発技術センタービル完成式(11月22日・ダッカ)
●留学生支援無償留学生帰国報告会(11月23日・ダッカ)
●シャプラニール白幡前ダッカ事務所長講演会(11月26日・東京)
●開発援助勉強会(サックICDDR,B所長講演)(11月30日・ダッカ)
●初等教育セミナー(12月6日・ダッカ)
●堀口大使政策講演会(12月7日・ダッカ)
[これまで]
●貧困削減戦略(PRS)実施フォーラム(11月15〜17日・ダッカ)
●現地ODAタスクフォース遠隔セミナー(11月15日・ダッカ/東京)
●SAARCへの日本のオブザーバー資格承認(11月13日・ダッカ)
●地方道路簡易橋設置計画(第1期)への無償資金協力(11月10日・ダッカ)
●国際エンゼル協会20周年(11月9日・ガジプール)
[おしらせ]
●当館ウェブサイトの政治・経済資料の改定
●バングラデシュ現地ODAタスクフォースの外交青書掲載
【3】特別寄稿「バングラデシュ滞在記」
(有限会社筑波美術代表:斎藤みつ子氏)
【4】青年海外協力隊リレー連載・第8回
「バングラデシュ・ネットワーク事情」
(15年度2次隊・コンピュータ技術 山口良信)
【5】編集後記
【1】堀口大使メッセージ「コミラ再訪」
?T.戦没者慰霊祭
11月11日、本年もコミラの英連邦戦没者墓地で戦没者慰霊祭が行われ、私も出
席しました。本年の慰霊祭では、日本を含む全ての関係国の大使または代理が
アルファベット順に墓地正面の大きな塔の周囲に花輪を置き、全員で戦没者の
霊を悼み、平和への祈りを新たにしました。
昨年の今頃「大使メッセージ」に書いたのですが、昨年は全員が参加する慰霊
式典に日本兵士は対象になっておらず、同式典が終わると日本兵士の墓地碑の
ある一角に移動し、日本大使が花輪を置くのを他の参列者が見守るという形で
した。敗者たる日本兵士をこの美しい墓地に勝者の兵士達と一緒に埋葬してく
れているのに、戦後60年経ても慰霊式では別扱いであることに違和感を覚えま
した。日本兵士の霊も英連邦の兵士の霊とともに恩讐を超えた平和の祈りに加
えられれば、同胞の魂が少しでも癒されることになるのでは、と思いました。
そこでダッカに戻ってから、チョードリ英大使に書簡で来年からは日本兵士の
分も他と一緒に扱うように式次第の変更を本国政府に取り継ぐようお願いしま
した。数ヶ月経って、同大使から本国政府が同要請を了解した旨の連絡があり
ました。
11日朝、警護車のついた英大使の車列に入れて貰い渋滞地域もスムーズに抜け
られたこともあり、コミラには予定時間より早く着きました。式典開始前同大
使と話をした際、改めて上記式次第の変更に謝意を述べると、同大使はOKの
返事に数ヶ月もかかったのは「英連邦戦争墓地委員会」から、いくつかの退役
軍人団体が日本兵士を英連邦兵士と一緒に扱うことを渋っている旨の連絡が
あったので、自分からこれらの団体にそれぞれ了承を求める書簡を出し、その
後暫くして同委員会から式次第の変更を認める旨の連絡があったためであると
述べていました。
英大使は昨年5月、12歳の時に家族とともに英国に移住するまで住んでいた、
故郷シレットにあるイスラム聖廟訪問中に手榴弾を投げられ重傷を負いまし
た。英国で数ヶ月の集中的治療を受け、幸い元気になってダッカに帰任しまし
た。当時、もし同大使の傷が重く再びダッカに帰任できない場合は、英・バン
グラデシュ関係にとって困ったことになると心配していただけに、英大使の帰
任を喜びました。また、同大使が帰任していなければ、慰霊祭の式次第変更の
要請も実現できなかったかも知れません。
チョードリ英大使に深く感謝する次第です。
?U.モエナマティ仏教遺跡の修復
昨年、戦没者慰霊祭の後、モエナマティ仏教遺跡の軍基地(カントンメント)
内にある世界的に非常に珍しい三宝塔を見に行った際、2つしか残っていない
うちの右手の塔の裏面が風化で大きく崩れていることに気づきました。このま
ま放置すればまもなく全壊してしまうことが心配になり、そこで後日、大使館
員に日本による修復支援の可能性を調べに行って貰ったところ、案内してくれ
た考古局の担当者が、この修復については予算手当ができているので自分達で
できる旨の返事がありました。
今回の慰霊祭の後、三宝塔の修復がどうなっているかを見るべく立ち寄ってみ
たら、大きく崩れていた部分は修復されていました。ラーマン文化大臣はかつ
て私の質問に応えて、モエナマティの仏教遺跡を世界遺産に指定するようユネ
スコに申請中である旨述べていましたが、一日も早くその指定が実現されるこ
とを願っています。その指定によって同遺跡の本格的な保護措置がとられ、ま
たより多くの人が三宝塔を自由に見ることが可能になることが期待されます。
(バックナンバー)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/mailMagazine/index.html
(小冊子「日本とバングラデシュの橋渡しのために」)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/pdf/merumagabook.pdf
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
●農村開発技術センタービル完成式(11月22日・ダッカ)
11月22日(火)、日本の支援によって建設された地方農村開発技術局(LGED)
農村開発技術センター(RDEC)ビルの完成式が、ジア首相臨席の下で行われま
す。
RDECビルの建設にはODAによる資金援助のほか、JICA専門家も派遣され、日バ
政府間協力の新たなシンボルとなることでしょう。
(JICAバングラデシュ事務所による本件ウェブサイト)
http://www.jica.go.jp/bangladesh/activities/02_1_3.html
●留学生支援無償留学生帰国報告会(11月23日・ダッカ)
11月23日(水)バングラデシュ経済関係局(ERD)のNECビルにおいて、18人の
留学生支援無償(JDS)留学生による帰国報告会が催されます。留学生は日本
での2年間の勉強を終え、バングラデシュの発展のためにそれぞれの分野で重
要な役割を果たすことが期待されています。
2006年度JDS留学生の募集は10月20日に締め切られ、350人以上のバングラデ
シュ人が応募しました。最終合格予定人数は20人です。
JDS卒業生のリストは研究テーマとともに以下のウェブサイトに掲載されてい
ます。
http://sv2.jice.org/jds/scholarships/bangladesh/bangladesh_org.html#09
●シャプラニール白幡前ダッカ事務所長講演会(11月26日・東京)
11月26日(土)早稲田奉仕園において、シャプラニール・ダッカ事務所長とし
て4年間の駐在を終え本年7月末に帰国した白幡利雄氏の帰国報告会が行われま
す。
詳細については以下のウェブサイトをご覧ください。
http://www.shaplaneer.org/event/houkoku05.htm
日時:11月26日(土)
13:30〜14:30 報告1「ストリートチルドレンを生む社会」
14:45〜15:45 報告2「ショミティは貧困を救ったのか」
16:00〜17:00 報告3「マイクロクレジットの功罪」
17:45〜19:00 「変わるバングラデシュ、変わらない貧困
〜バングラデシュの10年間〜」
場所:早稲田奉仕園・小ホール(東京都新宿区西早稲田)
東西線早稲田駅徒歩7分
地図: http://www.hoshien.or.jp/map.html
参加費:報告会1回について500円・お申し込み下さい
主催:シャプラニール=市民による海外協力の会
申込先:シャプラニール=市民による海外協力の会
担当:藤崎・鈴木・中村
〒169-8611 東京都新宿区西早稲田2-3-1早稲田奉仕園内
TEL:03-3202-7863 FAX:03-3202-4593
E-mail: houkoku@shaplaneer.org
●開発援助勉強会(サックICDDR,B所長講演)(11月30日・ダッカ)
11月30日(水)午後5時より、ダッカ所在の国際機関であるICDDR,B(保健人
口研究センター)のデビッド・サック所長を講師に招き、第28回バングラデ
シュ開発援助勉強会を下記の通り開催させていただきたく、ご案内致します。
今次勉強会では、サック所長からICDDR,Bの活動、世界の保健人口問題の課
題、バングラデシュの具体例、日本に期待することなどについてプレゼンテー
ションいただいた後、出席者の皆様と議論を行いたいと思います。ご関心ある
方はどなたでも参加を歓迎しますので、皆様お誘い合わせの上お気軽にお越し
ください。
日 時:2005年11月30日(水)午後5時〜午後7時
場 所:在バングラデシュ日本大使館 3階会議室
Tel. 02-8810087(担当:吉田書記官)
発表者:Dr. David Sack保健人口研究センター(ICDDR,B)所長
http://www.icddrb.org
(なお、同センターについては、本メルマガ第19号の堀口大使メッセージ「国
際下痢研究所と保健セクター改革」で紹介しています。)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/mailMagazine/mailmagazine19.html
テーマ:保健分野のミレニアム開発目標(MDGs)の実現に向けて研究を如何に
活用するか――バングラデシュを例に考える――
使用言語:英語
連絡先:出席ご希望の方はできる限り前日までに当館吉田までご連絡くださ
い。
akemi.yoshida@mofa.go.jp tel 02-8810087 fax 02-8826737
●初等教育セミナー(12月6日・マイメイシン)
12月6日(火)に、マイメイシン県で実施中のJICA技術協力プロジェクト「小
学校理数科教育強化計画」のレビューセミナーを堀口大使、初等大衆教育省次
官及びADB等他ドナーの参加のもと実施します。
本プロジェクトは、バ国初等教育の質の向上に資するため、日本を含めた11ド
ナーとともに、セクターワイドアプローチ(PEDP?U)の一環として実施してい
ます。日本は、理数科教育の分野で教員研修、カリキュラム改善、評価法の提
言及び教育パッケージの開発に関する技術協力を行っています。
●堀口大使政策講演会(12月7日・ダッカ)
12月7日(水)午後5時より、グルシャンにあるレストラン「フランベ」にお
いて、堀口大使による政策講演会を開催する予定です。
「開かれた外務省」の一環として、在留邦人の皆様に、日本政府及び大使館の
活動、日本とバングラデシュの関わりについて、政治、経済関係のみならず、
文化交流、在留邦人の方々の治安・安全対策に至るまで、最新の全体的・総合
的な情報をご提供させて頂きます。また、皆様より、忌憚のないご意見をお伺
いしたいと考えております。
皆様、仕事や生活で日々ご多忙のことと思いますが、年に一度の機会ですの
で、是非ご出席いただければ幸いです。
なお、昨年の講演の内容は次の通りです。
(講演)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/content/lecture041202.html
(席上の意見交換)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/content/views041202.html
(パワーポイント資料)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/business/pdf/pawapos.pdf
[これまで]
●貧困削減戦略(PRS)実施フォーラム(11月15〜17日・ダッカ)
11月15〜17日、バングラデシュ貧困削減戦略(PRS)実施フォーラムが開催され
ました。議題は、(1)PRSP実施、(2)社会開発、(3)貿易・投資・民間
セクター開発、(4)ガバナンス、(5)調和化・援助効果向上です。日本
は、堀口大使を団長として大使館・JICA・JBIC・JETROより参加し、(5)の
とりまとめを担当した他、他の議題でも多くの問題提起を行いました。フォー
ラムの様子は、現地ドナー調整グループ(LCG)のウェブサイトに掲載されてい
ます。
http://www.lcgbangladesh.org/pif05/
●現地ODAタスクフォース遠隔セミナー(11月15日・ダッカ/東京)
11月15日、現地ODAタスクフォース・遠隔セミナー(テレビ会議)が、世界銀
行東京開発ラーニングセンターとJICAバングラデシュ事務所を結んで開催され
ました。
「案件形成のためのナレッジ・シェアリング・セミナー」と銘打って、第1回
目は教育セクターを取り上げ、外務省、JICA、JBIC、大学、ユニセフ等、教育
開発に関係する多くの組織のキーパーソンが参加しました。今後、保健や民間
セクター開発を取り上げる予定です。
席上資料は、財団法人国際開発高等教育機構(FASID)のウェブサイトに掲載
されています。
http://www.fasid.or.jp/oda/index.html
●SAARCへの日本のオブザーバー資格承認(11月13日・ダッカ)
11月13日に閉幕した第13回南アジア地域協力連合(SAARC)首脳会議におい
て、アフガニスタンの新規加盟とともにわが国と中国のSAARCへのオブザー
バー参加が認められました。
わが国は、SAARCが南アジア地域、ひいてはアジア全体の安定と発展に寄与す
るとの認識の下、1999年以来オブザーバー参加申請を行うとともに、1993年設
立の「日本・SAARC特別基金」を通じて、その活動を支援してきています。今
後はオブザーバー参加を通じて、SAARCおよびSAARC加盟諸国との関係を更に強
化していく考えです。
本件に関して出された外務報道官談話は以下のウェブサイトに掲載されています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/17/dga_1114.html (日本語)
http://www.mofa.go.jp/announce/announce/2005/11/1115.html (英語)
また、当館発堀口大使談話(英語)は以下のウェブサイトに掲載されています。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/news/pr/pr_saarc151105.html
なお、SAARCサミットのウェブサイトは以下のとおりです。
http://www.mofa.gov.bd/13saarcsummit/index.html
ダッカ宣言の全文は以下のウェブサイトに掲載されています。
http://www.mofa.gov.bd/13saarcsummit/dhaka_summit_declaration.html
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/business/pdf/dhakadeclaration.pdf
(当館仮訳)
●国際エンゼル協会20周年(11月9日・ガジプール)
11月9日、国際エンゼル協会が1986年にバングラデシュで活動を始めて以来、
今年で20年目を迎えたことを記念した式典が開催され、ラビ・ガジプール知
事、アーメドNGO局長、東村エンゼル協会会長他が出席しました。同協会は、
子供のリハビリテーションと教育を目的とした活動からスタートし、現在で
は、女性の教育、技術訓練、農業訓練、奨学制度、学校建設等の重要な分野に
その活動の幅を広げています。
日本政府は、NGOとの連携の重要性を認識し、草の根無償資金協力等を通じて
国際エンゼル協会を含むバングラデシュで活躍するNGOへの協力を拡充してい
ます。
堀口大使は式典で、エンゼル協会のようなNGOとバングラデシュ政府がバング
ラデシュの発展のために協力関係を拡大すべきであると挨拶しました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_angelassociation091105.html
(国際エンゼル協会)
http://www.angel-ngo.gr.jp
●地方道路簡易橋設置計画(第1期)への無償資金協力(11月10日・ダッカ)
わが国政府は、バングラデシュ人民共和国政府に対し、「地方道路簡易橋設置
計画(第1期)」(The Project for the Provision of Portable Steel
Bridges on Upazila and Union Roads)の実施に資することを目的として、6
億7,900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡
の交換が11月10日(木)、ダッカにおいて、堀口大使とザビウッラー財務省経
済関係局次官との間で行われました。
今回の第1期目においては、簡易橋36橋が設置される予定で、この計画の実施
により、リキシャ、バイクおよび車等による通行手段が確保されるとともに、
通年にわたる安全な輸送手段の確保により、通勤・通学や買い物などへのアク
セスが向上し、かつ、移動に掛かる所要時間が短縮され、地域社会生活が大幅
に改善されることが期待されます。
本件に関するプレスリリースは以下のウェブサイトに掲載されています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/17/rls_1110a.html (日本語)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/news/pr/pr_portablebridges101105.html (英語)
[おしらせ]
●当館ウェブサイトの政治・経済資料の改定
今般、当館ウェブサイト上に掲載しております政治・経済関係資料を改定しま
したので、ご利用ください。
バングラデシュの概要と最近の政治情勢(2005年10月31日)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/business/pdf/jousei051031.pdf
最近のバングラデシュ経済情勢(2005年11月)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/business/pdf/keizai0511.pdf
●バングラデシュ現地ODAタスクフォースの外交青書掲載
バングラデシュ現地ODAタスクフォースの活動紹介「現場発で組織の枠を超え
てODA改革を推進〜バングラデシュからの報告〜」が、2005年版外交青書のコ
ラムに掲載され、今般、外務省ウェブサイトにも掲載されました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/2005/html/honmon3403.html#6
【3】特別寄稿「バングラデシュ滞在記」
(有限会社筑波美術代表:斎藤みつ子氏)
10月14日金曜日、成田発午前11:20のビ―マン・バングラデシュ航空に11人が
乗り込みました。10人が初めてのバングラデシュです。ダッカのジア国際空港
夕方18:00到着です。初めての飛行に甥の太志君は、さぞかし期待と不安で一
杯だった事でしょう。目的は文化交流です。バングラデシュ国と日本の芸術家
の国際美術交流展に参加する同行者との21日間の滞在記録です。
ダッカの街は、毎日賑やかで、車と人のラッシュが何処までも続いています。
信号は有るのですが余り関係なく走っているのです。慣れないうちはドキドキ
ハラハラ、でも数日すると慣れてしまうのです。人間は順応し易いのでしょう
ね。でも事故は殆ど見ないのです。不思議ですね。私達全員が日本ではベテラ
ンドライバーなのですがダッカの街は走る事が出来ないという意見に一致しま
した。
この時ラマダンの最中でした。聞いてはいたのですが、実際に体験するのは勿
論初めてです。早朝のお祈りのあと夕方5:30まで、断食するのです。決して
時間が来るまでは物を口にはしないのです。水も呑みません、小さな子供と病
人以外の熱心なイスラム教の人々が、一年の中1ヶ月間毎年行うのです。私は
こんなにも強い意志をもち続けているこの国の人々に感激しました。
今回お世話になった滞在先の、シェイク・アフザル先生の自家用車は自国の天
然ガスが燃料です。とても安いとおっしゃっていました。国の大体50%ぐらい
がガス車と言うことでした。ダッカの街の中は、カーマニアが見たら喉から手
の出るほど欲しくなるようなアンティーク車が沢山走っているので驚きます。
とても大切に大事に走らせているのだと思いました。なんと素晴らしい国で
しょう。
毎日戴く手作りの食卓、奥様のジュリアさんの心使いと家族の優しい眼差し
に、毎日が夢のようでした。バナナが美味しいのです。パイナップルが美味し
いのです。パパイヤとマンゴーは何と計り売り、これまた美味しかったです。
とても安いのです。日本では考えられません。皆さん食べ放題の毎日でした。
この時ダッカ大学の先生方お二人のお葬式が有りました。私は現在美術学部の
学部長のご主人のお葬式に参列致しました。大学の敷地で大勢の皆さんがお別
れをしておられました。後日ご自宅でふるまいの食事を戴きました。悲しみは
何処も同じです。
バングラデシュ国の世界遺産二箇所を見て参りました。シュンドルボンの世界
一のマングローブ林探検、此処にベンガル虎が生息しているのです。河が多い
ことは聞いておりましたが、余りの広大な河の広さにクルーズに参加した戸井
田さん、唐沢さん、冨岡さん、秋元さん、太志君と私達日本人組みは驚きと感
動で一杯でした。船の上で二晩体験した満天の星空に流れる流星、感激の涙が
こぼれます。600年の歴史を持つバゲルハットの寺院観光もして参りました。
バゲルハットの寺院でカーン・ジャハン(イスラム教を布教した人)について
の説明を聞き、(バゲルハット)寺院内で、ラマダンの最後の10日間をモスク
の中で祈りをささげると言う高齢の僧(何処にでも居るような普通の身なりを
した)から招かれ、頭に手を翳し、祈りを戴き、涙が込み上げて参りました。
とても素晴らしい経験になりました。
道中のバスの中から拝見した広い水田では、稲刈りの人々と青々とした、たわ
わに稔った稲穂の風景に日本の収穫が重なりました。年3回の収穫があるとい
う恵まれた土地柄と地震が無いという地層に羨ましさを感じました。家々の周
や道端、何処へいってもバナナの木や椰子の木が沢山実をつけています。牛と
ヤギが野放しで道端の草を食べていたり、子供たちがよく手伝いをしている姿
に、人々のぬくもりが何とも懐かしく、自然体で生きることが一番大事だとい
うことを教えられた日々でした。
(斎藤氏は、10月20〜26日にベンガル・ギャラリーで行われた日バ国際美術交
流展「Bridge of Friendship(友好の橋)」の実現に向けて長期にわたり尽力
されました。)
(筑波美術ウェブサイト「絵画.と」)
http://www.kaiga.to/art/
【4】青年海外協力隊リレー連載・第8回
「バングラデシュ・ネットワーク事情」
(15年度2次隊・コンピュータ技術 山口良信)
みなさんこんにちは、青年海外協力隊で派遣されております山口と申します。
バングラデシュに来て、早1年11ヶ月経ち、協力隊の任期は2年ですので、あ
と数日で帰国です。
私は協力隊の職種で言う「コンピュータ技術」で派遣されています。職場は
BCC(Bangladesh Computer Council)という組織です。この職場で一番気に
いっているのはネットワークが日本並に使えることです。今回はそのネット
ワークについてお話します。
皆さんは会社や家でどのようにして、インターネットをされているでしょうか
?BOL、グラミン等プロバイダを利用されているのが大半ではないでしょう
か。ではその接続先のプロバイダからどのようにして日本等、海外のサイトに
接続されているかはご存知でしょか?この国は100%、ネット利用者全員が下
の様なアンテナを経由し、人工衛星を通して通信しています。またバングラ国
内でメールを送る場合も一旦このアンテナで外に出なくてはならず、バングラ
デシュでインターネットの通信は必ずこのアンテナを通して行っています。
※アンテナの角度は分度器で合わせます。ほんとに人間のインターネットに対
する欲求というのは凄いものだなぁと感心します。なんとしても見たい!!人
工衛星を使ってでも見たい!!お金に糸目はつけん!!今日、バングラで皆さ
ん達が見ているウェブサイトは、人工衛星まで届くくらいエネルギー密度の高
い短波長の電磁波が、対流圏、成層圏、電磁層などもろもろの層を減衰しなが
らも突きやぶり、そして同じ距離を折り返して、データを届けているわけで
す。なんという壮大な仕組み、そして科学技術という人類の英知!!
BCCは自前でこのアンテナを所有しており、回線スピード下りは2Mbps、上り
は512Kbps、そして回線料金は、一月、US$6,000(約70万円)です。私はこの
2Mの恩恵にもろにあやかっているわけです。
さてここで少し計算をしてみましょう。プロバイダは各々このアンテナを所有
しており(又は借りており)、回線スピードごと切り売りして商売をしていま
す。以前グルシャンのグラミンで見積もった時は下り32KbpsでTk.1,300でし
た。もしTk.1,300でUS$6,000の採算を取るには、ざっくり計算しても310回線
以上の契約が必要です。この契約した回線が一斉に使用されたとすると、1人
あたり約6Kbps(2M÷310回線≒6451≒6K)のスピードしか出ず、32Kbpsの
1/5のスピードでしか使えない事になります。要するに32Kbpsで使えるとい
うのはウソな訳です。DSLが帯域保証できないなどという技術的な話などでは
なく、採算を考えると、確信犯的に回線スピードを保証できません。
やはり人工衛星を使ってまで回線を確保するという壮大な仕組みは、高コスト
過ぎるようです。考えてもみれば2Mbpsのインターネットなど、日本では2000
円/月くらいではないでしょうか。ということで国外へのネットワーク接続
は、光ファイバを用いるのが普通です。バングラデシュにも2005年4月に
SEA-ME-WE4というプロジェクトで、コックスバザールに光ファイバの海底ケー
ブルが陸揚げされました。総スピード1.28T(テラ)bps(1280Mbps)、上のア
ンテナだと640,000個分に相当します。これが全部ダッカにくればすごいので
すが、コックスバザール〜チッタゴン間は155Mの回線しか敷設されないそう
です。どのみち、この国のことなので、開通するのが5年後なのか、10年後な
のか、わかったものではないですが、それでもバングラデシュ国営電話会社
(BTTB)のがんばりに期待するしかないでしょう。(チッタゴン〜ダッカ間は
622M敷設されているそうです。)
さて、ここで非常に気になるのはコックスバザールに残される回線です。実質
128Mしか使用されない為、コックスに1T近く置き去りになると考えられま
す。ドライカッパならぬドライファイバという、非常にもったいない話です。
ここからは夢物語ですが、この回線を基に他国企業の誘致など行えないかと考
えます。現在IP電話技術の普及により、中国の「大連」に代表されるように、
コールセンタは立地と人件費の安い所に作るのが普通です。(ちなみにNTTの
番号案内「114」は沖縄にあります。)また動画や音楽配信のサーバをコック
スバザールに置いてもいいかもしれません。
コックスバザールという土地も民族が多様で、イスラム然としておらず、日本
の企業なども親和性が高いのではないでしょうか。BTTBが少々割安な値段で回
線を売った(貸した)としても、誘致された他国企業とその従業員が落とすお
金は、この国に取って大きなものでしょう。バングラデシュ政府やBTTBにこの
程度の商売っ気くらいあるのか疑問ですが、この国のコンピュータ産業の貧弱
さ、仕事の少なさを考えるとコックスで回線を腐らせておくのはありえない話
だと言えるでしょう。またこの国のコンピュータ技術者の技術力を上げる為に
も、外資企業の技術力は必ず必要です。学ぶのはまず真似ることから。
(青年海外協力隊)
http://www.jica.go.jp/activities/jocv/
【5】編集後記
ダッカでSAARC首脳会談が行われましたが、当日はダッカ市内の政府関係機関
や教育機関、そのほか民間企業などが休業となりました。東京で仮にG8サ
ミットがあったとして官公庁や学校が休日になるでしょうか。改めて日本との
違いを感じました。
(在バングラデシュ日本国大使館広報文化班 飴谷貴信)
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