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日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第43号・2005/10/6)
―日本とバングラデシュの橋渡しのために―
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□ 目次 □
【1】堀口大使メッセージ「同時多発爆弾事件について」
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
●NHK「地球街角アングル」での砒素汚染対策紹介(10月8日・日本/海外)
●ダッカ日本人学校創立30周年記念行事(10月21日・ダッカ)
[これまで]
●小規模水資源セミナー(10月3日・ダッカ)
●教育セクター勉強会―理科実験(9月29日・ダッカ)
●保健セクター勉強会―必須医薬品(9月29日・ダッカ)
[おしらせ]
●スポット情報「チッタゴン市等東部3県における同時爆発事件の発生等」
●日本企業支援窓口からのおしらせ
【3】特別寄稿「地図について考えたこと」
(国土地理院(前JICA専門家):高沢信司氏)
【4】編集後記
【1】堀口大使メッセージ「同時多発爆弾事件について」
8月17日の同時多発爆弾事件は、多数の人を殺傷することが目的ではなく、あ
るメッセージを伝えようとしたものである点で、従来の爆弾事件とは性格が異
なっています。全国64件中63件で約450発の爆弾が30〜40分くらいの間に一斉
に爆発しながら、爆弾の殺傷力を抑えており、爆発現場には、ジャマトゥル・
ムジャヒディン・バングラデシュ(JMB)という本年2月に非合法化されたイス
ラム過激派団体のパンフレットが残され、またその後、同事件に関連して逮捕
される者たちは、いずれもJMBのメンバーを名乗っているとのことです。
事件後その背景につき、いろいろな関係者に話を聞いていますが、JMBの真の
目的がイスラム法に支配される国家の建設にあるのであれば、もっと力を蓄積
し、一気に新国家を樹立する機会を待つべきであるのに、今回の作戦は時期尚
早であり自殺的であるとの意見もあり、また、JMBにはこれだけ大規模かつ正
確な作戦を独自で行うだけの力はなく、背後に別の組織がいるのではないかと
する意見もありました。一日も早く真相が解明され、犯人たちが法の裁きにか
けられることを望んでいます。そうすることによってのみ、同様の事件の再発
を防げるからです。
これまでの一連の爆発事件について、たとえばアサヌラー暗殺事件、キブリア
暗殺事件や昨年8月のアワミ連盟集会爆破事件など、かなりの数の犯人が逮捕
され、その一部は起訴されているのですが、人々の間には政府の努力はまだま
だ足りないとの認識があります。政府には、事件の一層の解明の努力ととも
に、重要事件について最終解決に至らなくても中間報告を発表するとか、逮捕
し、起訴した犯人がいかに裁かれたか、あるいは裁きを待っているかなどの情
報提供が求められるところです。
バングラデシュ政府が諸々の制約の中で経済発展、社会開発、あるいは法と秩
序の維持などの分野で一定の成果を挙げてきたことは正当に評価されるべきで
すが、他方、今回の事件は、貧富格差の拡大のもたらす問題や汚職に対する
人々の不満や、最近のマドラサ(宗教学院)の増加などに見られるイスラム教
勢力の増大に対する人々の不安に対し、政府が今まで以上に真剣に取り組むこ
とを求めているものと思われます。日本としてはバングラデシュ政府のこれら
の分野の努力を歓迎し、支援していきたいと考えています。
(本メッセージの英訳が当地の新聞に掲載されました。)
http://www.independent-bangladesh.com/news/oct/04/04102005mt.htm#A15
http://nation.ittefaq.com/artman/publish/article_22193.shtml
(バックナンバー)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/mailMagazine/index.html
(小冊子「日本とバングラデシュの橋渡しのために」)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/pdf/merumagabook.pdf
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
●NHK「地球街角アングル」での砒素汚染対策紹介(10月8日・日本/海外)
NHK番組「地球街角アングル」
で、バングラデシュの砒素汚染、村の人びとの暮らしとアジア砒素ネットワー
クの活動が放映されます。タイトルは「安全な水が飲みたいーバングラデシュ
・砒素汚染ー」です。放送予定は、次のとおりです。
☆NHK・BS1 10月8日(土)21:40〜22:00
☆NHK・BS1 再放送、翌週(火)(水)(木)いずれか(おそらく火曜日)の
12:40〜13:00
☆衛星HV放送 10月15日(土)10:00〜11:00(3本連続放送の中で)
☆海外向け、NHKワールドテレビ
(すべて日本時間で表示)
10月9日(日) 4:40〜 5:00
10月9日(日)10:10〜10:30
10月12日(水)12:20〜12:40
10月12日(水)16:30〜16:50
☆NHKワールド・プレミアム
10月11日(火) 3:40〜 4:00
(NHK「地球街角アングル」)
http://www.nhk.or.jp/angle/
(アジア砒素ネットワーク)
http://www.asia-arsenic.jp/
●ダッカ日本人学校創立30周年記念行事(10月21日・ダッカ)
ダッカ日本人学校は1975(昭和55)年10月20日に創立され、本年で30周年を迎
えます。これを記念して、例年行っている学習発表会にあわせ、10月21日
(金)9時よりダッカ日本人学校にて創立30周年記念行事を行うこととなりま
した。プログラムは以下のとおりです。お問い合わせはダッカ日本人学校(電
話882-6080)まで。
9:00〜 9:30 第1部・記念式典
9:30〜 9:40 休憩
9:40〜12:10 第2部・学習発表会
12:10〜12:20 記念写真撮影
[これまで]
●小規模水資源セミナー(10月3日・ダッカ)
3日、地方農村開発技術局(LGED)とJICAの共催で「大マイメンシン圏貧困削
減のための小規模水資源開発マスタープラン・セミナー」がLGEDで行われまし
た。
LGEDのハッサン・チーフ・エンジニアが議長を務め、カシェム地方自治・農村
開発・協同組合省次官、新井JICA所長、イスラム監督エンジニア、バングラデ
シュ工科大学のバリ教授他が出席しました。堀口大使は、雨季と乾季の調査を
続けながら、本マスタープランが洪水と旱魃の被害を最少化できるよう希望す
ると挨拶しました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_sswrdp031005.html
●教育セクター勉強会―理科実験(9月29日・ダッカ)
9月29日、JICAバングラデシュ事務所会議室において「教育現場に理科実験を
取り入れるために」と題した勉強会が行われました。
海外青年協力隊で理数科教師の平石隊員と郡リソースセンター・インストラク
ターのマフジャ氏が行った教員トレーニングに関する報告がなされ、約20名の
出席者間で議論が行われました。
●保健セクター勉強会―必須医薬品(9月29日・ダッカ)
9月29日、バングラデシュ保健セクターワーキンググループは「必須医薬品っ
て何?どのように製造されているの?」をテーマに勉強会(工場見学)を行い
ました。
22名の参加者は、Essential Drugs Company Limitedいう国営の製薬会社を訪
問し、必須医薬品公社設立に至った背景や医薬品政策、医薬品生産、製薬業界
の課題等について説明を受けました。
[おしらせ]
●スポット情報「チッタゴン市等東部3県における同時爆発事件の発生等」
5日、外務省はスポット情報(バングラデシュ:チッタゴン市等東部3県にお
ける同時爆発事件の発生等)を下記の通り発出致しましたのでお知らせいたし
ます。
1.3日(月)正午頃(現地時間。以下同様。)、バングラデシュ東部のチッ
タゴン、ロッキープール、チャンドプール各県の地方裁判所にて爆弾がほぼ同
時に爆発し、ロッキープール及びチャンドプールで各1人が死亡、計約40名が
負傷しました。
2.本事件の背景や詳細は現時点では明らかではありませんが、バングラデ
シュにおいては、8月17日にも全土64県中63県でほぼ同時に400発以上の爆弾
が爆発するという事件が発生しており(2005年8月17日付けスポット情報「バ
ングラデシュ:首都ダッカ及び各地における同時多発爆弾事件」参照)、本日
5日より約1ヶ月間、イスラム暦の断食月(ラマダン)が続く他、ヒンドゥー
教の祭典であるプジャが全国各地で行われる予定であり、また11月12日及び13
日には南アジア地域協力連合(SAARC)サミット等の大規模行事がダッカにて
予定されているため、これらの行事等を狙ったテロ事件が発生する可能性は否
定できず、引き続き十分な注意が必要です。
3.バングラデシュに対しては、これまでも危険情報において、チッタゴン丘
陵地域全域には「渡航の是非を検討して下さい。」を、その他首都ダッカを含
む全土に「十分注意して下さい。」を発出しています。
バングラデシュに渡航・滞在される方は、テロ事件や不測の事態に巻き込ま
れることのないよう、最新の治安関連情報の入手に努め、政府関係施設、宗教
関係施設、バスターミナル、市場、映画館など人の多く集まる場所に近づかな
い、多数の人が集まる場所では警戒する、周囲の状況に気をつけるなど安全確
保に十分注意を払って下さい。また、テロ事件が発生した場合の対応策を再点
検し、状況に応じて適切な安全対策が講じられるように心掛けて下さい。
(問い合わせ先)
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロに関する問い合わせ)
電話番号:(代)03-3580-3311 (内線)3679
○外務省海外安全相談センター(国別安全情報等)
電話番号:(代)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ http://www.mofa.go.jp/anzen/
○在バングラデシュ日本国大使館
電話番号:(880-2)8810087
●日本企業支援窓口からのおしらせ
在バングラデシュ大使館は、日本企業の当地における利益の保護・増進を図る
ために、日本企業支援担当官を指名し日本企業支援窓口を設置するとともに、
ビジネス上のトラブル解決、並びに日本企業の抱える問題点のとりまとめ及び
政府当局への申し入れ等の支援、協力を行っております。当館の日本企業支援
についてご相談、ご意見、ご要望、ご感想などありましたら、下記の日本企業
支援窓口までご連絡いただければ幸いです。
○在バングラデシュ日本大使館 日本企業支援窓口
紀谷 昌彦(きや まさひこ)参事官
電話:02-881-0087
FAX:02-881-6737
電子メール: masahiko.kiya@mofa.go.jp
ウェブサイト: http://www.bd.emb-japan.go.jp/index_j.html
当館は、下記の機関・団体と協力しつつ日本企業支援を行っております。
○日本貿易振興機構(JETRO)ダッカ事務所
西川 壮太郎(にしかわ そうたろう)所長
電話:02-881-8222/3
FAX: 02-881-8224
電子メール: jetro@citech-bd.com
ウェブサイト: http://www.jetro.go.jp/bangladesh/
○ダッカ日本商工会
事務局の連絡先は上記(JETRO)と同じ。
○チッタゴン日本人会(チッタゴンでの日本商工会としても活動しています)
馬場 智樹(ばば ともき)会長
電話:031-740-424/031-740-722
FAX:031-740-041
○日本・バングラデシュ商工会議所(JBCCI)
事務所の連絡先は上記(JETRO)と同じ。
ウェブサイト: http://www.jetro.go.jp/bangladesh/eng/jbcci/index.html
また、当館ではバングラデシュ経済情勢に関する各種情報の提供・紹介を行っ
ておりますので、よろしければこちらの方もご覧下さい。
バングラデシュ政府2005/2006年度予算(概要)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/content/yosan2005-2006.html
バングラデシュ経済:最近の動向と今後の見通し(2005年8月)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/bilateral/economy2-1.html
バングラデシュ・ビジネスセミナー(2005年7月、於東京)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/content/banglaseminar.html
【3】特別寄稿「地図について考えたこと」
(国土地理院(元JICA専門家):高沢信司氏)
日本の地図作成機関である国土地理院から、バングラデシュ国の測量・地図作
成機関である測量局(SOB: Survey of Bangladesh)に本年8月まで派遣され
ていた間、日本を離れて、「地図」というものを客観的に考える機会を得まし
た。
この2年間で、地図に関し、日本の常識が必ずしも世界の常識でないというこ
とが良く分かりました。具体的には5点あります。
まず、日本では地図は誰でも安価に(時には無料で)入手できますが、日本の
ような国は例外で、国家の保安上の理由から、バングラデシュのように地図の
入手・利用に何らかの制限のある国の方が寧ろ多数であるということです。よ
く「空気と水はタダ」などと言われますが、日本ではどんな地図でも空気や水
と同じようにタダだと思っていらっしゃる方が多いようです。また、自衛隊施
設、米軍基地、果ては皇居まで丸見えで、外国人を含む誰でも買える地図にそ
れらが全て掲載されているなどというのは日本ぐらいのものではないでしょう
か。
2点目は、地図が常に最新のものとは限らないと言うことです。日本では、高
速道路が新規開通したりすると直ぐに地図の改訂に反映されますが、途上国の
中には、植民地時代に旧宗主国が作成した地図がほとんど改訂されないまま数
十年も通用しているなどといった例も珍しくありません。
3点目は、国を覆う基本図が、日本の1/2.5万地形図のように位置精度の高い
地図であるとは限らないということです。日本では空中写真測量(注1)に
よって位置精度の高い地形図が全国整備されていますが、バングラデシュのよ
うに、国土の大半で一度も空中写真測量による正確な地図作成が行われてこな
かったような国もあります。
4点目は、たとえ同じ縮尺同士であったとしても、異なる種類の地図がうまく
重なり合うとは限らないということがあります。日本では多少のずれはあった
としても概ね重なることが当たり前ですが、そうでない国も多いのです。これ
については後ほどもう一度触れることにします。
最後は、普通の市民が地図を使いこなすことができる能力を持っている国は例
外的なのではないかということです。バングラデシュ在住の方は、皆さんお気
づきだと思いますが、この国のタクシーやレンタカーなどの現地人ドライバー
は地図が全く使えません。少なくとも私は、地図が読める現地人ドライバーを
知りません。地名を指示すればほぼ確実に連れて行ってくれますが。地図を使
いこなすドライバーがいないというのは、私には相当大きなカルチャーショッ
クでした。また小生の見たところ、測量局であっても、かなりの割合の職員
(掃除夫などの下働きを除く。)が地図が読めないようです。
地図作成の仕事は所謂施設整備ではありませんが、地図は極めて重要なインフ
ラストラクチャー(略してインフラ)(注2)の一つだと小生は考えていま
す。ただ、地図は、以下のように幾つかの点でかなり変わった性格を持つイン
フラだと思います。
(1)効果の定量的算定が難しい
インフラ整備に当たって事前に費用対効果を算定することは広く行われていま
すが、小生は、地図整備の費用対効果調査が行われた事例を寡聞にして知りま
せん。調査が行われない理由は、地図が整備されることによる影響が極めて広
範囲に及ぶために定量的な算定が事実上不可能であるためと考えられます。地
図は国土で展開されるあらゆる人間活動の基礎をなすインフラ、インフラのイ
ンフラであり、地図整備は、国家がまず最初に取り組むべき重要課題の一つな
のではないでしょうか。
このように地図作成は極めて重要なインフラ整備であるにも拘わらず、施設整
備とは異なるその一見地味な成果(紙地図又はデジタルデータ)が災いし、費
用対効果をうまく提示できないことと相俟って、常に予算当局から、「具体的
に何の役に立つんだ!」という詰問を受ける宿命にあるようです。これは日本
の国土地理院もバングラデシュ測量局も例外ではありません。地図作成のため
の予算確保は世界中の地図作成機関の共通の悩みだと思います。
(2)利用に当たって読み方の習得が必要
私には中学1年になる娘がいますが、恥ずかしながら、これがかなりの地図音
痴です。小さいうちから彼女の周りにはたくさんの地図があったはずです。何
せ、こちらは地図作成機関の職員ですから。しかし、現在の彼女は地図を読む
のが得意ではありません。どうやら地図の見方・使い方は自然に身に付くもの
ではないようです。因みに、彼女は、社会科は余り好きでないと申しておりま
す。
バングラデシュの測量・地図教育について調べたところ、大学や専門学校では
専門のコースなどがあったりするようですが、初等・中等教育では全く教えら
れていないそうです。どうやら、これが、地図が読めないドライバーの大量生
産に繋がっているようです。一方日本では、小学校中学年で地図記号を習った
りしますのでその違いは大きいと思います。
(3)様々な地図を相互利用するためには標準化が不可欠
標準化の必要な例として、ネジ、電圧、電話の通話方式などがあり、これらは
その必要性が分かり易いのですが、地図にも標準化が必要であることは一般に
認識されているとは言い難いと思います。実は日本では、公的機関が行う測量
の基準(注3)や作成する地図の仕様などが「測量法」という法律の枠組みの
中で統一的に規定されているため、一見全く別々に作られたように見える地図
であっても、重ねあわせた時にずれが生じたり、地物の表現が大幅に違ってい
たりすることがないのです。
このように、標準化された測量・地図の体系と相互利用可能な地図の存在が、
日本の高度社会の基底部を支えているのは間違いありません。なお、地図作成
には思いの外多額の費用が必要となるので、地図整備における無用の重複も避
けなければなりません。
(4)地図は無くても困らないか?
バングラデシュでは公共部門以外での地図の利用度は大変低いと言わざるを得
ません。前述のように一般ドライバーは地図を使いませんし、新聞やTVで地図
をほとんど見かけませんし(新聞でたまに地図を見つけるとAFPといった外電
の引用だったりします。天気図すら載っていません。)、そもそもベンガル語
で表記された地図をほとんど目にしません。地図はグルシャン1、2サークルの
ストリート・ベンダによって、また、アーロン、フォークといった土産品店な
どで売られていますが、専ら英語表記の外国人向けのものばかりです。
この国の地図利用には一つの悪循環があると思います。循環の起点は、「地図
の入手・利用の制限」です。地図の入手・利用の制限→利用できる地図がない
((→地図教育がなされない)→一般市民の地図理解が深まらない)→地図利用が
なされない→誰も地図を買わない→地図が販売されない→利用できる地図がな
い。これで一回りです。
一昔前、日本の国土地理院でも、あるシリーズの地図作成について、卵と鶏の
関係のような議論がされていたことがあります。作らないから売れないのか、
売れないから作らないのかという話です。地図を一般に提供していくことと、
提供する地図の利用促進を図ることの両方が大事なのだと思います。
当国での地図利用は確かに低調ですが、それが直ちに人々の生死に影響するこ
とはありません。この辺り、「地図作成」は病院の整備や災害対策などとは明
らかに異なる性格を持つと言えます。極端な話、地図が無くても困らない
(?)のです。しかし!です。地図があるとすごく便利で、より安全で快適な
生活が可能となるのです。特に高度情報化社会には不可欠なインフラだと言え
ましょう。カーナビを始め、ウォークナビ、ユビキタスコンピューティング
(注4)など、デジタル地図情報があってこその新技術なのです。現状、バン
グラデシュにはカーナビは猫に小判です。カーナビの基図となるべき位置精度
の良い地形図がまだありませんし、何よりも地図の読めるドライバーがほとん
どいないのですから。標準化された地図の整備・共有化とその利活用の促進が
車の両輪となって推進されるべきだということを再度強調しておきたいと思い
ます。
(高沢専門家は本年8月当地を離任されました。)
(注1)空中写真測量:航空機などに搭載された航空カメラで撮影した写真
(空中写真)を用いて、対象を間接的に測定する測量で、地形図等の作成に広く
用いられる。
(注2)インフラストラクチャー:国民経済発展の基盤になる公共諸施設等。
(注3)測量の基準:座標系(位置の表し方)、水平位置の基準となる経緯度原
点、高さの基準となる水準原点、準拠楕円体(地表面の各地点の位置を求める
時の基準として使われる地球の形を近似した回転楕円体)など。
(注4)ユビキタスコンピューティング:生活や社会の至る所にコンピュータ
が存在し、コンピュータ同士が自律的に連携して動作することにより、人間の
生活を強力にバックアップする情報環境。
【4】編集後記
今日からラマダン(断食月)が始まりました。昨年当地に着任するまで、ラマ
ダンは苦しいもので期間中は皆元気がないというイメージがありました。しか
し実は、昼間食べないだけで夜は毎晩パーティーのように多くの食事が出るの
で、逆に楽しみにしている人が多いことを知りました。確かに、いつもより早
く仕事が終わり、毎晩パーティーができる一ヶ月間は楽しいことでしょう。
(在バングラデシュ日本国大使館広報文化班 飴谷貴信)
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