大使館案内
平成28年6月28日
大使あいさつ

新年明けましておめでとうございます。
昨年は国際情勢が多事多難で混迷が深まった年でしたが,今年は政治的にも経済的にも平和と発展に彩られた一年となるよう祈念しております。
昨年12月30日に実施された総選挙は,バングラデシュの持続的経済成長達成に向けた重要な時期に行われたものでした。今後,新たに成立した政府の下で,バングラデシュが一層の経済的発展を達成していくことを期待すると同時に,その経済的発展が政治の民主的発展と相俟って進んでいくことこそが,健全な持続的成長を支える重要な鍵であると考えます。我が国としても,このような観点からバングラデシュの発展に引き続き寄与していきたいと考えます。
一昨年来,バングラデシュにおいては,隣国ミャンマーからの80万人ものロヒンギャ避難民の流入という未曾有の事態が発生しましたが,国際社会との協力の中で,精力的に対応がなされてきました。日本政府は,この対応の中で見られたバングラデシュ政府の寛容な受入れと人道支援を高く評価するとともに,避難民の安全で自発的且つ尊厳のある帰還が早期に実現するよう今後も継続的な支援を行っていく所存です。
我が国とバングラデシュの関係については,着任以来のこの1年あまりのうちに,アリ外務大臣の訪日や二度にわたる河野外務大臣のバングラデシュ訪問が実現するなど,二国間の要人往来・会談が増加し,日本・バングラデシュ関係強化について,実りある話し合いが行われてきました。
バングラデシュへの日本企業の関心も高まっています。2016年のダッカ襲撃テロ事件から2年半以上が経過し,バングラデシュ政府による日本企業や国際協力事業関係者の活動に対する安全確保のための多大なる支援協力のおかげもあり,進出日本企業数は増加し,現時点で269社がバングラデシュに進出しています。
さらに二国間経済協力では,昨年は,対バングラデシュ円借款としては過去最大となる2,003.71億円の第39次円借款が締結されました。その中には,ベンガル湾産業成長地帯構想(BIG-B)を推進するためのマタバリ港開発事業やジョムナ鉄道専用橋建設事業,またダッカの慢性的な交通渋滞の緩和を期待できるダッカ都市交通整備事業(いわゆるダッカ・メトロの建設)等が含まれます。本年は,ダッカとチッタゴンを結ぶ国道1号線上のカチプール橋,メグナ橋及びグムティ橋の第二橋が完工し,ダッカ・チッタゴン間の渋滞が緩和するとともに,連結性が更に高まる予定です。日本は,バングラデシュにとって最大の二国間援助国であり,バングラデシュは日本にとってインドに次いで世界第二位の円借款受け取り国となりました。
当館は,文化・人的交流及び人材育成事業も活発に行っています。昨年は国費留学生としてバングラデシュ人学生122名を日本の大学院に送り出した他,若手行政官33名の留学,高校・大学生等90名の渡日研修・交流プログラムへの参加,JICAによる渡日研修(長期・短期)に63名,またAOTS-HIDAによる研修には約200名を招聘しています。広報文化事業としては,「ジャパン・フェスト」をはじめとするイベント及び各種講演会等を実施しました。また,当国には約4,800人の日本語学習者がおり,彼らの学習を奨励するため,年に2回の日本語能力検定試験や日本語スピーチコンテストも実施しています。今年は,ベンガル語吹替えによるアニメ「ちびまる子ちゃん」も間もなく放映される予定です。
最後になりますが,当館としては引き続きバングラデシュ政府と協力しつつ,安全対策に最大限の注意を払いつつ,当地在留邦人の皆様,当地に渡航される邦人の皆様が安心して過ごすことができるよう,今後も安全情報の発信,行政サービスの提供を適時適切に行って参ります。皆様よりご支援,ご協力を賜りますよう改めてよろしくお願い申し上げます。
本年も皆様にとって素晴らしい一年になりますよう,皆様のご健勝とご発展を心よりご祈念いたします。
2019年1月
駐バングラデシュ日本国特命全権大使
泉裕泰
泉裕泰大使 略歴
広島県出身
昭和56年 4月 外務省入省
平成 8年 7月 在連合王国日本国大使館 一等書記官
10年 1月 在連合王国日本国大使館 参事官
8月 在中華人民共和国日本国大使館 参事官
13年 4月 総合外交政策局国際社会協力部人権人道課長
15年 4月 大臣官房在外公館課長
16年 4月 アジア大洋州局中国課長
18年 8月 在中華人民共和国日本国大使館 公使
22年 7月 在上海日本国総領事館 総領事
25年 7月 特命全権公使 アメリカ合衆国日本国大使館在勤
28年 4月 外務省研修所長
29年 8月 特命全権大使 バングラデシュ国駐箚
昨年は国際情勢が多事多難で混迷が深まった年でしたが,今年は政治的にも経済的にも平和と発展に彩られた一年となるよう祈念しております。
昨年12月30日に実施された総選挙は,バングラデシュの持続的経済成長達成に向けた重要な時期に行われたものでした。今後,新たに成立した政府の下で,バングラデシュが一層の経済的発展を達成していくことを期待すると同時に,その経済的発展が政治の民主的発展と相俟って進んでいくことこそが,健全な持続的成長を支える重要な鍵であると考えます。我が国としても,このような観点からバングラデシュの発展に引き続き寄与していきたいと考えます。
一昨年来,バングラデシュにおいては,隣国ミャンマーからの80万人ものロヒンギャ避難民の流入という未曾有の事態が発生しましたが,国際社会との協力の中で,精力的に対応がなされてきました。日本政府は,この対応の中で見られたバングラデシュ政府の寛容な受入れと人道支援を高く評価するとともに,避難民の安全で自発的且つ尊厳のある帰還が早期に実現するよう今後も継続的な支援を行っていく所存です。
我が国とバングラデシュの関係については,着任以来のこの1年あまりのうちに,アリ外務大臣の訪日や二度にわたる河野外務大臣のバングラデシュ訪問が実現するなど,二国間の要人往来・会談が増加し,日本・バングラデシュ関係強化について,実りある話し合いが行われてきました。
バングラデシュへの日本企業の関心も高まっています。2016年のダッカ襲撃テロ事件から2年半以上が経過し,バングラデシュ政府による日本企業や国際協力事業関係者の活動に対する安全確保のための多大なる支援協力のおかげもあり,進出日本企業数は増加し,現時点で269社がバングラデシュに進出しています。
さらに二国間経済協力では,昨年は,対バングラデシュ円借款としては過去最大となる2,003.71億円の第39次円借款が締結されました。その中には,ベンガル湾産業成長地帯構想(BIG-B)を推進するためのマタバリ港開発事業やジョムナ鉄道専用橋建設事業,またダッカの慢性的な交通渋滞の緩和を期待できるダッカ都市交通整備事業(いわゆるダッカ・メトロの建設)等が含まれます。本年は,ダッカとチッタゴンを結ぶ国道1号線上のカチプール橋,メグナ橋及びグムティ橋の第二橋が完工し,ダッカ・チッタゴン間の渋滞が緩和するとともに,連結性が更に高まる予定です。日本は,バングラデシュにとって最大の二国間援助国であり,バングラデシュは日本にとってインドに次いで世界第二位の円借款受け取り国となりました。
当館は,文化・人的交流及び人材育成事業も活発に行っています。昨年は国費留学生としてバングラデシュ人学生122名を日本の大学院に送り出した他,若手行政官33名の留学,高校・大学生等90名の渡日研修・交流プログラムへの参加,JICAによる渡日研修(長期・短期)に63名,またAOTS-HIDAによる研修には約200名を招聘しています。広報文化事業としては,「ジャパン・フェスト」をはじめとするイベント及び各種講演会等を実施しました。また,当国には約4,800人の日本語学習者がおり,彼らの学習を奨励するため,年に2回の日本語能力検定試験や日本語スピーチコンテストも実施しています。今年は,ベンガル語吹替えによるアニメ「ちびまる子ちゃん」も間もなく放映される予定です。
最後になりますが,当館としては引き続きバングラデシュ政府と協力しつつ,安全対策に最大限の注意を払いつつ,当地在留邦人の皆様,当地に渡航される邦人の皆様が安心して過ごすことができるよう,今後も安全情報の発信,行政サービスの提供を適時適切に行って参ります。皆様よりご支援,ご協力を賜りますよう改めてよろしくお願い申し上げます。
本年も皆様にとって素晴らしい一年になりますよう,皆様のご健勝とご発展を心よりご祈念いたします。
2019年1月
駐バングラデシュ日本国特命全権大使
泉裕泰
泉裕泰大使 略歴
広島県出身
昭和56年 4月 外務省入省
平成 8年 7月 在連合王国日本国大使館 一等書記官
10年 1月 在連合王国日本国大使館 参事官
8月 在中華人民共和国日本国大使館 参事官
13年 4月 総合外交政策局国際社会協力部人権人道課長
15年 4月 大臣官房在外公館課長
16年 4月 アジア大洋州局中国課長
18年 8月 在中華人民共和国日本国大使館 公使
22年 7月 在上海日本国総領事館 総領事
25年 7月 特命全権公使 アメリカ合衆国日本国大使館在勤
28年 4月 外務省研修所長
29年 8月 特命全権大使 バングラデシュ国駐箚