大使館発邦人安全情報
平成28年7月14日
邦人安全対策連絡協議会の開催報告
平成28年7月14日
在バングラデシュ日本国大使館
1日に発生したダッカ襲撃テロ事件を受け,大使館にて,ダッカ日本人会,ダッカ商工会等関係者と安全対策連絡協議会を開催しましたので,報告します。在留邦人の皆様におかれましては,テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の情報の入手に努めてください。
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1.冒頭,ダッカ襲撃テロ事件の7人の犠牲者に黙祷後,大使より,今回の事件は,外交団の集まりなどでも非常に重く受け止められており,当面,行動には細心の注意が必要,傷ましい事件を繰り返さない,これ以上の犠牲者を出さないとの決意を共にして欲しい旨述べ,改めて家族や出張者を含めた安全対策の徹底につき要請した。
2.ダッカ襲撃テロ事件の特徴
(1)今回の事件は,「ISILバングラデシュ」というロゴが初めて登場,イスラム国の関与を示唆するものと考えられる。
(2)最近までのテロ事件の特徴は,小規模,ヒット&ラン,「IS」中枢の関与の露出は犯行後に犯行声明を発出するのみであった。
(3)今回のテロ事件の特徴は,大規模,重装備,「殉教」を覚悟した決死攻撃,組織的で複雑なオペレーション,「IS」中枢による関与の露出が企画・演出・オペレーションに及んでいること。
(4)今回も異教徒を選りすぐったという事から,無差別テロではなく,犯行声明でも十字軍とその同盟者をターゲットにしたと明言。
3.緊急事態におけるメンタルヘルス 児童をはじめとする災害弱者へのケアが必要。ケアギバーも隠れた被災者であることを認識し,チェック項目を参考にストレス・マネジメントが必要。
(https://www.bd.emb-japan.go.jp/itpr_ja/medical.html)
4.今後の安全対策
(1)危機管理意識を確立する
バングラデシュ国内のテロ対策は従来とは異なる局面を迎えている。日本人・日本権益が標的となりうることを明確に認識すべき。ISは今回の攻撃に関する声明で外国人に対する「さらに激しく,悲惨な」攻撃を予告している。時間の経過とともに人は「自分は大丈夫」と思考に安全弁を見出すようになりがちであるが,長期的な視点で最新の治安・テロ情勢に関心を持ち,日頃から危機管理意識を持ち続ける必要がある。
(2)関連情報を入手する
大使館からのお知らせ等により,正確な情報を入手して対策をとる。非常時は流言飛語,噂,デマ等が流布しがちだが,謝った情報に流されることなく,理性的な行動に努める。
(3)テロの標的となりやすい場所には近づかない
(ア)外国人がよく利用するレストラン,アルコールの持ち込みを認めているレストラン,空港,国際的なホテル,その他欧米関連施設,政府施設,公共交通機関,デパートや市場など不特定多数が参集する場所。
(イ)イスラムでは金曜日が集団礼拝の日とされ,モスク等宗教施設に人が多数参集する。その機会を利用して,テロや襲撃が行われる可能性もある。
在バングラデシュ日本国大使館
○執務時間内(日~木曜日 9:00~17:45) 大使館(代表)880-2-984-0010
○執務時間外(日~木曜日の上記時間以外並びに金・土曜日及び祝日) 緊急電話 0961-1886753 (了)