ダッカ襲撃テロ事件5周年に寄せて
令和3年7月1日


ダッカ襲撃テロ事件5周年に寄せて
2021年7月1日
駐バングラデシュ大使 伊藤直樹
日本人7名を含む20名の方々が犠牲となったあの忌まわしいダッカ襲撃テロ事件から5年の歳月が過ぎました。
昨日、私はJICAの早川所長、オリエンタルコンサルタンツの浅野様、更には当地日本人会及び日本商工会の幹部の方々とともに、テロ事件の現場にて、日本国政府を代表して献花を行い、テロ事件でお亡くなりになられた方々に哀悼の誠を捧げました。今回は、同じく自国民が犠牲になったイタリア、米国、インドの当地駐在大使及びバングラデシュ政府関係者と合同の行事に参加しました。
日本とバングラデシュの架け橋としてご尽力された方々が、突如、理不尽に尊い命を奪われ、その無念さはいかばかりであったろうとの想いが去来しました。テロ行為はいかなる理由でも許されず、改めて断固たる非難を表するとともに、バングラデシュ政府関係当局に対し、在留邦人の方々の安全対策の強化を呼びかけるものであります。
テロに遭われた日本人の方々は、来年着工予定のMRT1号線のJICAによる調査事業に関わっておられました。MRT事業の進展とともに、これらの方々の献身的な努力と尊い犠牲はきっとバングラデシュの人々の間で語り継がれていくものと思います。
この事件のことを忘れることなく、インフラ協力を通じたバングラデシュの発展並びに両国関係の強化に尽くすことが我々関係者の責務と考え、私もそのために一層邁進していく所存です。