大使あいさつ

2020/10/11
バングラデシュ駐箚日本国特命全権大使として昨年10月に着任してから早くも1年が経ちました。
 
 この1年を振り返ると、昨年10月に行われた天皇陛下の即位の礼にはアブドゥル・ハミド大統領閣下ご夫妻がご臨席され、同月イムラン・アーメド海外居住者福利厚生・海外雇用大臣も訪日されました。また、ラグビーワールドカップの折にはザヒド・アーサン・ラッセル青少年スポーツ大臣が訪日されました。今年の8月には安倍総理(当時)とハシナ首相の電話会談が実現するなど、幅広い分野でハイレベルの人的交流と対話が行われました。
 
 本年3月以降は、新型コロナウイルスの感染発生により両国間でも経済活動や文化交流など様々な分野で大きな影響が出ていますが、この困難の中で日本はバングラデシュへの新型コロナ対策のための支援に力を入れました。8月には新型コロナウイルス感染拡大を受けたバングラデシュ政府への緊急財政支援350億円のほか、医療機材の整備支援、国際機関を通じた緊急支援などを行っています。
 
 対バングラデシュ開発協力では新型コロナウイルス対策以外にも、今年8月には対バングラデシュでは過去最大となる3,380億円(約32億米ドル)の年次円借款への調印を行いました。これによりダッカ都市高速鉄道(MRT)やダッカ国際空港(ハズラット・シャジャラール国際空港)の拡張、ジャムナ鉄道橋の建設、チョットグラム-コックスバザール間高速道路の改善などが実現します。進行中のマタバリ深海港の開発とあわせ、いずれも、今後のバングラデシュの国内産業発展に不可欠、かつ完成した折にはバングラデシュを象徴するような大型のインフラプロジェクトです。バングラデシュの発展はベンガル湾地域,ひいてはインド・太平洋全体の安定に資するとの観点からも更に協力を継続していく方針です。
 
 近年のビジネス分野の関係に目を向けると、現在300を超える日系企業がバングラデシュ国内で活動しており、その数はこの10年で3倍にもなり、日本からの直接投資は過去8年で倍増しています。貿易・投資の一層の促進のためのビジネス環境の改善に取り組んで参ります。
 
 2020年はムジブル・ラーマン初代大統領の生誕100周年、来年はバングラデシュ独立50周年、さらに2022年には日本とバングラデシュの外交関係樹立50周年と、日本とバングラデシュは次々に節目の年を迎えます。この一連の周年を好機ととらえ、当地でも日本文化の普及を通じた対日理解の一層の深化や人的交流の拡大に向け、引き続き精力的に取り組んでまいります。
 
 また、大使館として今後ともバングラデシュにお住まいの邦人の方々やバングラデシュを訪問される皆様の安心・安全を旨とし、皆様のご意見やご協力を頂戴しながら、あらゆる領域で一層良好な我が国とバングラデシュとの関係の構築に力を尽くす所存です。
 
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。



2020年10月11日
駐バングラデシュ日本国特命全権大使
伊藤 直樹