大使あいさつ

2020/1/3

新年明けましておめでとうございます。
 
 早いもので,昨年10月に大使として当地に着任してから3ヶ月が経とうとしています。2019年のバングラデシュとの関係を振り返ると,1月に茂木大臣,8月に河野大臣,そして5月にはハシナ首相が訪日,さらに10月の即位の礼にはハミド大統領がご出席されました。こうした二国間の要人の往来を受け,日本とバングラデシュとの関係はさらに強化されました。

 バングラデシュへの日本企業の関心もこれまでにないほど高まっています。2018年の日本からの投資額は5,800万ドル(前年比88.8%増)にのぼり,2019年には11月末時点までに新たに25社がバングラデシュに進出,バングラデシュで事業を行う日本企業は305社となり,その数はさらに増え続けています。

 さらに二国間経済協力では,昨年は対バングラデシュ円借款としては過去最大規模となる2,757.86億円の第40次円借款が締結されました。その中には,「ベンガル湾産業成長地帯(BIG-B)」構想を推進するためのマタバリ港開発事業やダッカの交通渋滞の緩和のためのダッカ・メトロの建設が含まれています。ダッカとチッタゴンを結ぶ国道1号線上のシトロッカ橋とメグナ橋及びグムティ橋の第二橋の計3つの橋が完工し,ダッカとチッタゴンを結ぶ道路の渋滞が緩和されました。また,昨年末に新たな円借款事業として,ハズラット・シャージャラール国際空港拡張工事が始まりました。この拡張工事により第3ターミナル建設,貨物ターミナルの拡張,立体駐車場の建設,その他周辺設備の拡充と利便性の向上が図られます。
 日本はバングラデシュにとって最大の二国間援助国であり,バングラデシュは日本にとってインドに次いで世界第二位の円借款受け取り国となっています。

 国際情勢に目を向けると,2017年以降バングラデシュでは新たに70万人以上とも言われる避難民が隣国ミャンマーから流入し,キャンプで生活する避難民の数が100万人を越えるという未曾有の事態が発生しました。日本政府はバングラデシュ政府の寛容な避難民受入れと国際社会と協調して行われている人道支援を高く評価しています。避難民の安全で自発的な帰還が今年こそ実現することが強く期待される中,我が国も引き続き各国・各機関と連携しつつ,支援を行っていく所存です。
 また,近年順調な経済成長を遂げるバングラデシュの持続的な成長のために,地域の安定とルールに基づく国際秩序がますます重要となります。昨年5月の日・バングラデシュ首脳会談では,自由,法の支配,市場経済といった共通の価値に基づいた,自由で開かれたインド太平洋という考えが共有されました。この繁栄のためのビジョンに基づき,我が国としてバングラデシュの持続的開発や質の高いインフラ整備の支援を行っていきます。

 本年はバングラデシュの建国の父シェイク・ムジブル・ラーマン初代大統領の生誕100周年にあたります。さらに,2021年はバングラデシュ建国50周年,2022年は日本とバングラデシュの国交樹立50周年と,つぎつぎと節目の年を迎えます。そうした機会を捉えて,これまで培われてきた日本とバングラデシュの友好関係をさらに強固なものとするべく,尽力していく所存です。
 また本年は,東京五輪が開催される年でもあります。毎年春にバングラデシュの新年のお祭り「ボイシャキ・メラ」を祝う会場のあるご縁から,ホストタウンとなられた東京都豊島区のご支援を頂き,バングラデシュの選手団が日本で活躍されることを私自身大変楽しみにしております。

 当館としては今年も,当地在留邦人の皆様,当地に渡航される邦人の皆様に安心して過ごしていただけるよう,バングラデシュ政府と協力して安全対策に最大限の注意を払い,安全情報の提供を行って参ります。皆様よりご協力を賜りますよう改めてよろしくお願い申し上げます。

 2020年も素晴らしい一年になりますよう,皆様のご健勝とご発展を心より祈念いたします。


2020年1月
駐バングラデシュ日本国特命全権大使
伊藤 直樹