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日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第78号・2007/7/18)
―日本とバングラデシュの橋渡しのために―
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□ 目次 □
【1】最近の日本・バングラデシュ関係
[これまで]
●ムハマド・ユヌス・グラミン銀行総裁の来日(7月6日〜12日)
【2】青年海外協力隊リレー連載「マンディーの村へ」
(17年度2次隊 理数科教師 市川圭司)
【3】編集後記
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【1】
最近の日本・バングラデシュ関係
[これまで]
●
ムハマド・ユヌス・グラミン銀行総裁の来日(7月6日〜12日)
6日(金)から12日(木)に、2006年のノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス・グラミン銀行総裁が外務省の招聘により来日されました。滞在中は、麻生太郎外務大臣を表敬し、浅野勝人副大臣主催の夕食会に出席した他、シンポジウムや大学で講演を行いました。
ユヌス氏及びグラミン銀行が取り組んでいる小規模融資(マイクロファイナンス)は、日本が積極的に推進している人間の安全保障の実現に資するものであり、ユヌス氏の訪日を通じて、開発途上国のかかえる諸問題及びこれを解決するための国際協力の重要性について日本国内に広く関心が喚起されることが期待されます。
立教大学で講演された際の様子がこちらに掲載されています。
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/kohoka/index.html
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/sindaigakuin/sd/yunus070711_2.html
(立教大学ホームページより)
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【2】青年海外協力隊リレー連載「マンディーの村へ」
(17年度2次隊 理数科教師 市川圭司)
“ナミ ドガマ?” お元気ですか?
私の任地にもいくつかある若者のデートスポット。その一つに川沿いの公園がある。その公園の通り沿いには一つの教会。それ自体は体育館倉庫程度の大きさで、お世辞にも立派なものとはいえないが、広めの敷地は1メートル程度の高さの柵に囲まれ、大小さまざまな木々が植えられている。すぐ隣の広場ではクリケットの試合が行なわれているのにもかかわらず、そちらこちらから聞こえてくる鳥たちにさえずりに、何か別の世界に迷い込んでしまったようにも感じたりする。
“ジシュナラション!” あいさつ。
バングラデシュに住む少数民族マンディー。ガロと言ったほうが馴染み深いかもしれない。見た目には私たちと同じモンゴル系の顔、マンディー語を話し、キリスト教を信仰している。女性が家を継ぎ、婿養子が基本であることなどが主な特徴である。
彼らにとって一年の中でもっとも大きな行事がベンガル語でボロ・ディン。クリスマスである。それに参加してみたくて、なんとなくその教会を訪ねた。敷地に入るとオランダ人の神父さんが話を聞いてくれて、何人かマンディーの学生を紹介してくれた。彼らはこの教会の援助を受け高等教育を受けている。毎週金曜昼のミサが終わった後に、彼らに会いに行き、クリスマスの日の打ち合わせをしていた。そんなある日、神父さんがその席にやってきて、「ガロの村に行くのだったら、彼らの歌を習っていきなさい。」と私に言った。もともと音楽が好きな私は、学生たちに歌を教えてもらった。すると、再び神父が本を持って現れ、次から次へとマンディーの言葉で歌を歌っていった。マンディーの言葉で私でも知っている賛美歌のメロディーが聴こえてきたときは、少し不思議な感じもした。歌っている神父さんを脇目に、学生の彼らは一緒に歌えずに困っているようだった。彼ら曰く、神父さんのほうがたくさんの歌を知っているとのこと。それを私に伝えた彼らは、恥ずかしさの中に悲しさを秘めたような苦笑いをしていた。
“ミチャジョクマ?” ご飯食べた?
イブの夜はまずミサが行なわれる。落語のような神父の話に、かわるがわる歌われる歌。メロディーはシンプルで、全員で声を合わせて歌い、どこか懐かしく、心地よい気持ちになれる。夜は集落の若者が集まり、一軒一軒を歌いながら練り歩く。伝統楽器の太鼓と共にメインの歌い手が立ち、それを中心にみんなが円となり、手拍子をしながらステップを踏む。歌は中心の歌い手が歌ったものを、周りを囲んだ者が繰り返し歌っていく。ミサで歌われた歌は全てベンガル語だったが、ここでは何曲かマンディー語の歌も歌われた。彼ら若い世代は普段の会話でベンガル語とマンディー語を半々で使っているという印象を受ける。そんな彼らが、他の曲よりもいっそう力を込め歌うその歌は、空まで届きそうな響きに聞こえた。彼らは夜明けまでこの家周りを続ける。彼らと別れ部屋に戻っても興奮のせいか寝られずにいる私の耳に聞こえてくるのは、月明かりに包まれた遠い集落の中から響きわたってくる彼らの鼓動だった。
“バッチャ レンガ?” どこ行くの?
少数派の彼らに対して手を差し伸べ、その文化を保存していきたいという気持ちは私にはないと思う。むしろ歴史の中の一つとして長い目で見れば、いずれなくなるのは当然であるし、少数派は淘汰されていく道をたどることがほとんどであったろう。それでも、道端で怒鳴り立てるベンガル語を聞き慣れている私には、彼らの声や歌の響きにどこかやさしさを覚えたりもするのである。
“ミッテラ” ありがとう
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【3】編集後記
2年間の英国生活を終え、この度バングラデシュに赴任して参りました。目にするものや色々な経験が初めてづくしで戸惑うことも多いですが、一日も早くダッカでの生活に慣れ、楽しむことができればと思っています。そして、これを期に本メルマガを担当することになりました。引き続き充実した内容をお届けしたいと思っておりますので、今後とも本メルマガを宜しくお願い申し上げます。
(在バングラデシュ大使館総務班・荒井若奈)
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