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日本語の最新号及びバックナンバー

メールマガジン バックナンバー

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  日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第75号・2007/5/17) 

       ―日本とバングラデシュの橋渡しのために―      

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 本メールマガジンは、当地在留邦人の皆様及び希望者に送付しておりま

 す。本メールマガジンの配信開始・変更・中止のご希望がありましたら

 、編集部までご連絡いただければ幸いです。            

  mail@embjp.accesstel.net                   

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□ 目次 □

【1】最近の日本・バングラデシュ関係

[これから]

        生け花デモンストレーション・セミナー(64日、5日、国立博物館)

【2】青年海外協力隊リレー連載「結婚:ビエ」

17年度1次隊 青少年活動 漆畑ひとみ)

【3】お知らせ

● 安倍総理の米国及び中東諸国訪問

● 麻生大臣の米国、ロシア、エジプト訪問

【4】編集後記

 

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【1】 最近の日本・バングラデシュ関係

 

[これから]

        生け花デモンストレーション・セミナー(64日、5日、国立博物館)

64日(月)及び5日(火)、日本大使館及び国際交流基金主催による生け花デモンストレーション・セミナーを国立博物館にて実施します。3月に実施した生け花デモンストレーションはダッカで活動するバングラデシュ人の先生方によるものでしたが、今回は池坊の笹山・石山専門家に日本から来ていただき、デモンストレーション(4日)及びセミナー(5日)を実施します。バングラデシュでは生け花の人気が高く、更なる普及・浸透に向けて今年も機会を捉えては生け花行事を実施していきたいと考えております。プログラムは以下の通りとなっており皆様のおいでをお待ちしております。ご質問等が御座いましたら日本大使館広報文化班小澤までご連絡下さい。

 

場所:国立博物館

日時:64日(月)1730〜オープニング、デモンストレーション

   場所:Shaheed Zia Auditorium, National Museum

   

65日(火)1730〜生け花セミナー

      場所Nalinikanta Bhattashali Hall, National Museum

 

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【2】青年海外協力隊リレー連載「結婚:ビエ」

17年度1次隊 青少年活動 漆畑ひとみ)

私の人生は人との出会いの連続である。日本を離れて10年以上、その間様々な人々との出会いがあった。私とは違う国籍・宗教・文化・習慣(等々)を持つ人々との交流が私自身の価値観や考え方というものに大きな影響を与え、現在の私があると思っている。「生きる」ということの基礎は私にとって「人との出会い」であり、そこから生まれる楽しみや喜び、異なる考え方や環境から受ける刺激というものが私の人生をより興味深いものにしていると思う。

バングラデシュに派遣されて17ヶ月、私の任期も残り5ヶ月を切った。この国で出会った人々や彼らの価値観・生きる様と接する中、今まで自分がさほど興味が無かった事柄と向き合う機会にも多く巡り会う。今日はこの国で私が出会った人々、特に女性と結婚(ベンガル語:ビエ)に焦点をあてて考えてみたいと思う。     

バングラデシュ人が好んでする会話の一つが「結婚」である。初対面の人から「あなたは何歳ですか?」「結婚していますか?」とほぼ毎日聞かれる。「結婚していません。」と答えると「なぜ結婚しないのですか?」「あなたに問題があるのですか?」「ではいつ結婚するのですか?」「両親は悲しんではいませんか?」とプライベートな話題にも関わらずいちいち深く深く追求してくる。私はいつもそんな彼らに「結婚は将来すると思うけど、今は仕事がしたいから結婚はしない。」と答える。バングラデシュ人はそんな私の考えを理解することができないらしく「あなたって結婚もできなくて子供もいなくてかわいそうですね・・・」と話題を締めくくる。う〜ん、私って可哀想なのかな?      

バングラデシュ人女性にとって結婚することは「義務」のような気がする。実際に私が出会った同年代(30代)の女性達の中で未婚女性は1人もいない。生徒の中にも20代前半で結婚して子供がいる女性が多い。仕事でスラムを訪れると10代で結婚・出産している女性の多さに驚く。逆に先進国と呼ばれる国々に住む私の女性友達のほぼ全員は30歳を超えて未婚である。結婚する気配も無い。自分の人生を楽しみ、仕事や趣味に励み「結婚は二の次」の考え方で生きている。私自身もそうである。      

配属先で女生徒達と話をしていて驚いたことがある。彼女らは18歳、日本でいうと高校3年生の年齢である。彼女達は全員今すぐにでも結婚したいと言う。そしてそれは恋愛結婚ではなくて両親が取り決めた結婚のほうが良いと答える。相手を知ったり、相手に恋愛感情を抱くのは結婚後が良いと言う。う〜ん、そのような考え方もあるのね。同じ質問を日本人の女子高生に聞いたらきっと恋愛結婚のほうが良いと答えるような気がする。相手と巡り会い、相手を知った上で大好きな相手と結婚する。少なくとも私は今でも恋愛結婚したいと思っている。      

バングラデシュに来てこれまで10回の結婚式に招待された。その内10回とも両親が取り決めた結婚で、新婦は夫となる人に結婚式で初めて会うという私には理解し難い程スリリングなものであった。日本に今日会った見ず知らずの人と結婚できるほど度胸の据わった女性はいるだろうか?私には絶対に無理である。     

バングラデシュの女性と結婚について書かれてある文献と出合った。その中には「悪いだんなでもいたほうがいないよりまし。」というバングラデシュ人女性達の大多数意見が書かれていた。理由の一つは社会の中で「人」として認められるには女性は結婚していなければならないからである。だとしたら私はこの国ではまだ「人」としては認めてもらえない。残念である。  

このようにこの国における「結婚」についての考え方を見ていくと何故バングラデシュ人が私が未婚であることを不思議と感じるのかが理解できてくる。女性は結婚して家庭に入り子供を産み育てるのが一番の幸せだと感じ、同時にそうすることで社会の一員として認められているのが一般的であるからだ。バングラデシュ人のほとんどはイスラム教徒である。宗教と密接した生活を送るバングラデシュ人にとって女性は「外」より「内」の社会で生きることが良しとされる。女の子は将来結婚するということを大前提に育てられる。故に女子の進学率は低い(どうせ結婚するのだから進学は必要ないとする考え方)=社会進出も同じ理由でまだまだ少ないのであろう。

結婚後、出産・育児を経て子供を独立させていく過程で女性は家庭内でも権力を持つ存在へと変わっていく。どれだけ勉強が出来ようが仕事が出来ようが、結婚していないと女性はその価値を認められないのである。この点は私が属する社会とは明らかに違う。私達の社会では女性は既婚者・未婚者ということで価値を決められたりはしない。「いつ」「誰と」「どのように」結婚するかは個人の自由であって社会に決定されるものではない。そして「結婚」そのものをするかしないかを決めるのは女性が持つ権利の一つであってその権利は尊重されていると思う。結婚するかしないか、そのどちらが幸せへと続く階段なのか現在の私には全くわからない。     

しかしバングラデシュに来て以来この国に住む人々の家族の絆の深さを日々感じる。私は(超)低所得者層の人々と接する機会が多いがどんなに貧しい暮らしをしていても家族がいる幸せというものが彼らの日々の活力となっている。子供を産む幸せ、育てる幸せ、家族に頼られる幸せ。そのどれもが私はまだ経験したことのないものばかりで興味も湧いてくる。そして、そんなバングラデシュ人家族と間近に接することで私は今までに経験したことの無いぐらいに自分を生み育ててくれた両親に対し感謝の気持ちを感じる。自分と一緒に育った弟を本当に可愛いなとも感じる。あれほど結婚に興味が無かった自分が「結婚も悪くないかも」と感じ始めたことに正直驚いてもいる。人間の幸せにとって家族というのは無くてはならないものだと気付くことが出来て、そのことを幸せだと感じる。      

今までの17ヶ月バングラデシュ人に結婚について聞かれると私は一貫して「35歳までには結婚したい。」と漠然と答えていた。これからは33歳に訂正しようかと思う。この2年間の意味は私にとって大きい。懸念されるのはそれまでに相手と出会えるかということではあるが(笑)。 

 

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【3】お知らせ

● 安倍総理の米国及び中東諸国訪問

安倍総理による米国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、エジプト訪問に関する情報は以下のウェブサイトに掲載されています。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_abe/usa_me_07/index.html

 

● 麻生大臣の米国、ロシア、エジプト訪問

麻生外務大臣による米国、ロシア、エジプト訪問に関する情報は以下のウェブサイトに掲載されています。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/g_aso/usa_r_e07/index.html

 

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【4】編集後記

64日(月)及び5日(火)に国立博物館にて生け花デモンストレーション・セミナーを実施します。バングラデシュでは驚くほどに生け花に対する関心が高く、広報のために色々な所に足を運んでいるのですが、こちらの説明が不要な程に皆生け花のことをよく知っております。町中でも花屋は頻繁に見かけますし、バングラデシュは生け花の精神が合っているのかもしれません。今回のイベントには日本の池坊から専門家が来ますので、3月に実施した生け花デモンストレーションとはひと味違ったものになると思います。皆様の御来場を心よりお待ちしております。

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