メールマガジン バックナンバー
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日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第73号・2007/4/8)
―日本とバングラデシュの橋渡しのために―
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本メールマガジンは、当地在留邦人の皆様及び希望者に送付しておりま
す。本メールマガジンの配信開始・変更・中止のご希望がありましたら
、編集部までご連絡いただければ幸いです。
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□ 目次 □
【1】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
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開発援助勉強会(4月12日、ダッカ)
[これまで]
●バングラデシュ政治学協会主催セミナー「政治的発展の再考:安全保障と民主主義」(4月2日、ダッカ)
●
日本語セミナー・スピーチコンテスト(3月22日〜24日、ダッカ)
●
TSDS草の根無償資金協力署名式(3月21日、ダッカ)
●
日本大使館主催ジャパンフェスティバル(3月18日〜20日、ダッカ)
●
国立芸術院主催「米百俵」公演(3月18日:ダッカ、3月23日・24日:チッタゴン)
●
NGOフォーラム草の根無償資金協力署名式(3月15日、ダッカ)
●
日本・バングラデシュ文化フォーラム(JBCF)主催国際母国語賞授与式(3月14日、ダッカ)
【2】青年海外協力隊リレー連載「周囲に助けられて」
(16年度3次隊
村落開発普及委員 佐脇奈都代)
【3】編集後記
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【1】
最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
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開発援助勉強会(4月12日、ダッカ)
4月12日(木)午後5時よりバングラモデル開発援助勉強会を開催し、天田聖JBIC首席駐在員を講師に招き、当地ODAタスクフォース経済成長リーダーとして日本の対バングラデシュ国別援助計画の実施状況をレビューして頂いた後、参加者間で意見交換を行う予定です。
天田首席駐在員は、JBIC(国際協力銀行)の当地代表、当地ODAタスク
フォースの電力及び運輸セクターのリーダー、更に経済成長分野全体のリーダーとして、世銀、アジア開発銀行、英国際開発庁等他のドナーと日本との援助協力推進を含め、バングラデシュにおける我が国ODA実施に精力的に携わってこられました。
天田首席駐在員は2年半の当地での任期を終え、今月17日に帰国予定ですが、今次勉強会では、当地でこれまで経済援助に携わってきた総括及び所感についてもお話頂く予定です。
ご関心のある方はどなたでも参加を歓迎しますので、皆様お誘い合わせの上、お気軽にお越し下さい。多数の皆様のご参加をお待ちしております。
記
日 時:4月12日(木) 午後5時〜午後7時
会場:在バングラデシュ日本大使館 3階会議室
Plot 5&7 Dutabash Road, Baridhara, Dhaka
Tel. 02-8810087(担当:吉田書記官
mobile:01713-037807)
発表者:天田聖 JBIC(国際協力銀行)ダッカ事務所首席駐在員
テーマ:当地ODAタスクフォース経済成長リーダーから見た日本の対バングラデシュ国別援助計画の実施状況
連絡先:出席ご希望の方はできる限り前日までに以下にご連絡ください。
日本大使館 吉田書記官
akemi.yoshida@mofa.go.jp
tel 02-8810087
fax 02-8826737
mobile:01713-037807
[これまで]
●バングラデシュ政治学協会主催セミナー「政治的発展の再考:安全保障と民主主義」(4月2日、ダッカ)
2日(月)、シェラトン・ホテルにおいてバングラデシュ政治学協会主催セミナー「政治的発展の再考:安全保障と民主主義」が開催されました。アーメド大統領、モイーン・U・アーメド陸軍参謀長、ホセイン法務担当顧問、アタウル・ラーマン・バングラデシュ政治学協会会長、ジルル・R・カーン・ウィスコンシン大学教授、主要政党幹部、外交団、国内外の政治学者など約400名が出席し、井上大使も開会式でのスピーチを行いました。
アーメド参謀長は、血縁や王家の権力に基づかない偏りのない独自の民主的政治体制を確立し、政治権力は行政、大統領、首相の間で適切に配分される必要がある、選挙管理委員会は自由・公正な選挙を実施するため必要な諸改革を完了する必要があり、今までの腐敗と政治犯罪に満ちた「選挙に基づく民主主義」に戻ることは望まない旨述べました。
アーメド大統領は、現選挙管理内閣は当国の民主主義を強化するため多くの改革を実施中であり、政治的発展とは国民のための自由と安全保障を意味し、国家の安全保障は軍事的側面と非軍事的側面の両方に依存している旨述べました。
井上大使は、バングラデシュは1990年代初からの民主化を経てより安定した社会と経済発展に向けた分岐点にあり、政府が自由・公正・信用に足る選挙実施に向けて努力していることを評価し、またニュー・デリーで開催されるSAARC首脳会議に日本が初めてオブザーバーとして参加することとなり日本と南アジア諸国の関係強化の雰囲気が醸成されてきており、バングラデシュが南アジア地域の安定と発展に貢献することを期待する旨述べました。
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日本語セミナー・スピーチコンテスト(3月22日〜24日、ダッカ)
22日(木)及び24日(土)、日本語セミナーがダッカ大学にて、23日(金)には日本語スピーチコンテストがモハカリのParjatan
Corporation Event Hallにて開催されました。
日本語セミナーは、初心者向け、初級者向け、中級者向け、日本語教師向けの4つのセッションが行われ、各セッションとも会場いっぱいの参加者がありました。4セッションとも国際交流基金の日本語教育アドバイザーである畠山理恵氏を講師に演習中心の講義を行っていただき、参加者はとても熱心に演習問題に取り組んでいました。
また、スピーチコンテストには予選を通過した男女15名の方がそれぞれ4分の持ち時間を駆使し、様々なテーマで弁説をふるいました。こちらも会場が満席となる135名の参加者があり、審査時間を利用して参加者全員で日本とバングラデシュの歌を合唱しました。審査の結果上位3名と2名の特別賞受賞者が選ばれ、賞状と賞品が授与されました。
スピーチコンテストは今回で31回目となり、日本語学習者にとって日頃の学習成果を試す格好の機会として定着した感があります。バングラデシュにおける日本語学習熱が今後も高まっていくことが期待されます。
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タナパラ村開発組合(TSDS)無償資金協力署名式(3月21日、ダッカ)
21日(水)、タナパラ村開発組合(Thanapara
Swallows Development Society :TSDS)に対して総額80,625USドルに及ぶ無償資金協力の署名式が行われました。
TSDSは1972年から女性による手工芸品政策を促進してきており、タナパラ村の女性に働く機会を提供してきました。TSDSはダッカ及びラジシャヒに手工芸品店を開き、日本、ドイツ、スウェーデン等に手工芸品を輸出しています。
今回の無償資金協力の目的は、生産能力を向上させ、輸出量を向上させるために、手工芸品センターを拡張し、ミシン、手織りばた等の機械を購入することにあり、その結果、さらに約100人の女性に働く機会を提供することができるようになります。
バングラデシュにおけるNGOに対する援助に関し、日本は既に108のNGOに対し総額約910万USドルの支援を実施しており、NGOの草の根レベルの社会開発促進に大きく貢献しています。
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日本大使館主催ジャパンフェスティバル(3月18日〜20日、ダッカ)
18日(日)から20日(火)の3日間、日本大使館主催によるジャパンフェスティバルを国立博物館のShaheed
Zia Auditoriumにて実施しました。生け花デモンストレーション、留学説明会、映画祭を実施し、新聞等で大きく報道されました。中でも生け花への評価は高く、多くの新聞で写真付きで報道されました。
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シルポコラアカデミー主催「米百俵」公演(3月18日:ダッカ、3月23日・24日:チッタゴン)
18日(日)、シルポコラアカデミー主催の山本有三氏「米百俵」ダッカ公演がシルポコラアカデミー・ナショナルシアターにて実施され、当日は立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。また、23日(金)と24日(土)には「米百俵」チッタゴン公演がTheatre
Institute, Chittagongにて開催されました。同公演にも多くの人が集まり、今後のさらなる地方公演が期待されます。
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NGOフォーラム無償資金協力署名式(3月15日、ダッカ)
15日(木)、NGOフォーラムに対して総額89,626USドルに及ぶ無償資金協力の署名式が行われました。
ジョソールにおける無砒素水供給プロジェクトの実施のために今回の無償資金が使われます。今回の援助の目的は砒素汚染水の影響力の評価、人々の砒素に関する認識及び能力強化が挙げられ、支援の結果、砒素に対しる適切な対処や、砒素に汚染された人々への適切な診断やリハビリが可能になります。
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日本・バングラデシュ文化フォーラム(JBCF)主催国際母国語賞授与式(3月14日、ダッカ)
14日(水)、バングラデシュ中国友好会館にてJBCF主催の第一回国際母国語賞授与式が実施されました。この賞はこれまでバングラデシュの文化及びベンガル語に貢献してきた人物を表彰するという趣旨で、今回が第一回目となっており、井上大使も主賓として出席しました。有名な映画関係者、歌手、画家等が受賞し、当日は出席できませんでしたがバングラデシュ研究で著名な奈良毅東京外国語大学名誉教授も受賞しました。当日は多くのメディア関係者も来場し、その様子はATNバングラにて放送されました。
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【2】青年海外協力隊リレー連載
(16年度3次隊
村落開発普及委員 佐脇奈都代)
周囲に助けられて
「私たちがベンガル語を教えてあげるから安心してうちの村のミーティングにおいで!」赴任まもない頃、村の女性たちにかけられた言葉。
私の活動地は、プロジェクトサイト(JICA技術協力プロジェクト『参加型農村開発行政支援』フェーズ?U)。「村落開発委員会」による村の開発(トイレの設置、土の道路建設等小規模インフラ整備)のサポートをプロジェクトのスタッフと協力して行ってきた。「村落開発委員会」には女性メンバーもいるが、彼女たちは男性中心のミーティングでは発言ができない。そんな彼女たちが自由に村の問題を話し合う場としての「女性部会(村の女性代表)」の運営サポート、組織の活性化を中心に活動を行ってきた。
したがって「男性の前では発言できない」村の女性の声を拾い上げ、自信をつけてもらうのが私の役割のはず。「私がいるから安心してミーティングにおいで。」という台詞は本来なら私が言うべきもの。完全に立場が逆転している。さらに女性たちは誇らしげに「私が日本人にベンガル語を教えてあげた。ベンガル料理を教えてあげた。」と言う。当然のことながら女性たちは、トルカリ(バングラカレー)を料理することができ、サリーもきれいに着こなし、ベンガル語も流暢だ。外国人である私の前では女性たちは「何でも知っていて何でもできる」立場にある。十分な教育を受ける機会がなく読み書きができない彼女たちは「何もできない」存在だと考えられがちだが、視点を変えると全く違う姿が浮かび上がってくる。皆、私の先生なのだ。
友人に「旅行中、途上国は生活するのが精一杯だと感じた。それに加えて国際協力活動なんて到底自分には・・」と言われたことがある。幸いなことに、任地バングラデシュはお節介なほどに皆が親切で世話好きだ。困っていると必ず誰かがやってきて「どうした?」と助けてくれる。これまでに受けた親切は数え切れない。彼らが居てくれたからこそ、彼ら/彼女らに守られて「外国」、「異文化」の中で生活することができた。日常生活を含め、他人の力を借りずに一人で何かすることはありえなかった。そして「国際協力」も現地の人があっての「協力」。
「バングラデシュをより良い国にしたい、発展させたい!」と、熱心に仕事をする同僚、カウンターパートがいたからこそ、私は協力隊活動を充実させることができた。「農業技術者等、エンジニアが来てくれた方がよかった。」と不満を言われたこともある。そんなときにも「バングラデシュにも地域資源・良い人材がある。ただそれを生かせていないだけだ。あなたのようなコミュニティ開発を行う人間がこの国には必要だ。」と力説してくれた同僚。精神的にもかなり支えてもらった。
私には「できないこと」「知らないこと」がたくさんあった。しかし「できないこと」があれば誰かに助けてもらう、「知らないこと」があれば教えてもらう。そうやって周囲を巻き込んでいくことで、みんなで一緒になって「活動」をすることができた。私という人間を「触媒」に「参加」が機能していた。「気持ち」があれば「やる気」さえあれば何だってできる。そんな恵まれた環境に置かれていた。
この国に来て、国際協力、ボランティアがごく自然なことだと思えた。目の前の友人が困っている。その人のために何かしたい、と手を差し伸べるのはごく当たり前の感情。私が困っていたら助けてくれる。当然、私もその人たちのために何かしたい、と駆け回る。ボランティアとは一方通行ではなく双方向性のもの。「一人では何もできないけれど一人から始まる『何か』」があり、『出会い』が『交流』が人を成長させ村を発展させる。」村人との交流を通してそう実感した。
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【4】編集後記
18日(日)から20日(火)にかけて大使館主催でジャパンフェスティバルが国立博物館にて実施されました。内容は、生け花デモンストレーション、留学説明会、映画祭というものでしたが、映画祭に負けず劣らず生け花や留学説明会にも人気が集まりました。特に生け花への評価は高く、多くの新聞でも紹介されました。まだ詳細は未定ですが6月の初めにも生け花行事を企画しております。次回は日本から生け花専門家が来る予定で、先月の生け花デモンストレーションとは違った事が出来ると思います。
(在バングラデシュ日本大使館広報文化班 小澤裕輔)
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