メールマガジン バックナンバー
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日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第68号・2006/11/15)
―日本とバングラデシュの橋渡しのために―
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本メールマガジンは、当地在留邦人の皆様及び希望者に送付しておりま
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、編集部までご連絡いただければ幸いです。
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□ 目次 □
【1】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
●開発援助勉強会(11月16日、ダッカ)
[これまで]
●留学支援無償資金協力人材育成奨学計画(JDS)帰国報告会(11月6日、ダッカ)
●日本貿易振興会(JETRO)主催農産品輸出促進セミナー(11月6日、ダッカ)
●ノーベル平和賞受賞者モハメド・ユヌス氏による訪日(10月25日〜30日、東京)
【2】お知らせ
●外務省職員の公募について
【3】青年海外協力隊リレー連載「ムスリムとヒンドゥー」
(平成16年度2次隊 理数科教師 犬伏恭子)
【4】編集後記
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【1】
最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
●開発援助勉強会(11月16日、ダッカ)
11月16日(木)午後5時より、第38回バングラデシュ開発援助勉強会を大使館会議室に於いて開催する予定です。今回は「バングラデシュの村で」をテーマに、ボグラにて医療活動に従事している宮崎雅氏および東岡牧氏より講演いただきます。
ご出席される方は事前に大使館加山(メール mitsuru.kayama@mofa.go.jp;
電話881-0087)までご連絡下さい。
1.日時:2006年11月16日(木)午後5時から
2.場所:在バングラデシュ日本大使館3階会議室(Plot No5&7,
Dutabash Rd,
Baridhara)
3.議題:「バングラデシュの村で」
4.講師:宮崎雅氏、東岡牧氏(Bogra Christian
Hospitalにて医療活動に従事)
[これまで]
●留学支援無償資金協力人材育成奨学計画(JDS)奨学生帰国報告会(11月6日、ダッカ)
11月6日、21人のJDS奨学生が財務省対外関係局(ERD)において帰国報告を行いました。現在までに合計73名のJDS奨学生が帰国し、34名が日本で勉強しております。
JDSは、日本・バングラデシュ関係を強化し、バングラデシュの発展を促進する観点から、バングラデシュの若者に日本の大学等で勉強する機会を提供することを目的としています。そのため、21世紀におけるバングラデシュでリーダーシップを発揮しうる若手公務員を主な対象者としています。
今次帰国者の一人は報告会において、日本で学んだことが近い将来バングラデシュの社会経済発展に役立つことを確信している旨、発言しました。
●日本貿易振興会(JETRO)主催農産品輸出促進セミナー(11月6日、ダッカ)
11月6日、JETRO主催の農産品輸出促進セミナーがシェラトンホテルにて開催されました。
本セミナーでは名古屋大学の伊藤早苗助教授とバングラデシュとネパールで支援活動中のNPO、シャプラニールの里見駿介理事がバングラデシュにおける農産品についてプレゼンテーションを行いました。JETROからは、農産品に高い可能性を秘めるバングラデシュの市場をより深く理解するためのレポートが出席者に配られました。
井上大使は、本セミナーがバングラデシュにおける農産業を強化し、日本とバングラシュ間の取引関係を促進することを望む旨、発言しました。
●モハメド・ユヌス氏の来日(10月25日〜10月30日、東京)
2007年度のノーベル平和賞受賞者で、バングラデシュのグラミン銀行総裁であるムハマド・ユヌス氏が10月25日から30日まで日本を訪問しました。ユヌス氏は国連財団の理事でもあり、東京や広島での国連財団理事会及び行事に出席するために来日しました。
27日、ユヌス氏は国連財団理事6人とともに麻生大臣を表敬訪問し、国連における日本の役割に期待を表明しました。28日には広島市を訪れ、原爆資料館を訪問しました。
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【2】お知らせ
●外務省職員の公募について
本年12月、人事院と共同で外務省専門職相当の中途採用試験を実施すべく、「外務省職員の公募について」と題する募集(応募締め切り11月24日)を外務省HP及び人事院HPに6日から掲載しております。
平成18年12月1日現在で、大学卒業以上の学歴を有し、大学卒業後の研究ないし実務経験が通算9年以上であれば年齢制限はありません。その他詳細は以下のウェブサイトの募集要項をご参照下さい。
http://www.jinji.go.jp/keikensya/gaimu.html
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【3】青年海外協力隊リレー連載「ムスリムとヒンドゥー」
(平成16年度2次隊 理数科教師 犬伏恭子)
バングラデシュ人民共和国は、北海道の1.5倍の面積に人口約1億3810万人
をかかえる人口密度NO.1の国である。人々の宗教は国教であるイスラム教89.7%が圧倒的多数を占め、残りがヒンドゥー教9.2%、仏教0.7%、キリスト教0.3%(2001年国勢調査)である。
その統計によると、ベンガル人の10人に1人ほどがヒンドゥー教徒ということになる。宗教は違えど、ムスリム(イスラム教徒)とヒンドゥー双方ともベンガル人なわけで、見た目からその違いを認識することは難しい。
けれど、以下の身体的特徴を表す人であれば判別可能である。男性ならムスリムがかぶる独特なテュピと呼ばれる帽子や、女性ならヒンドゥー教徒の前髪の分け目に塗るシドゥールという赤い粉末などからである。また、ムスリム特有のムハンマドやアクターという名前の一部からその判別も可能である。
では、見た目や名前以外ではどうだろうか?
キーワード:その1「牛」
ムスリムは牛を食べるが、ヒンドゥー教徒は牛を神聖なる生き物と捉え、決して食べることはしない。中には「俺はバングラデシュに住むヒンドゥーだから」と開き直って、気にせず牛を食べる人も知っているが、それは極々少数派、論外である。
隣国インドはヒンドゥー教の聖地:バラナシに行けば、その徹底振りは一目瞭然である。そこに住むヒンドゥー教徒はほとんどベジタリアンなのである。あらゆる肉という肉を食べない。魚も食べない。バラナシを雄大に流れる聖なるガンガー(ガンジス川)を目の前にしながら・・・。
インドでは牛は神の使いとされ、食用ではないが農業の重要な労働力であり、また栄養価の高い牛乳を配給してくれる付加価値の高い生き物である。バングラデシュではあまり食べられることのないチーズも生産していた。ホテルやレストランでは、ベジタリアンメニューだけであったり、ノンベジタリアンにしても食べられる肉の種類は限られ、チキンとマトンのみである。
インドにおいては、2大宗教(ヒンドゥーとムスリム)がそれぞれ牛と豚を食べないため、牛肉と豚肉を使った料理はめったにお目にかかれないということになる。雑食日本人からすると、2大肉が食べられないのは、相当な痛手である。バングラデシュに住んで、豚が食べれないだけで「ブーブー」言っている私には、牛も食べれないとなると、かなりのダメージとなる。
キーワード:その2「アッラー」
イスラム教徒はアッラーを唯一絶大の神と崇拝している。それゆえ、人々の間でアッラーの創造や相違を避けるために偶像崇拝を禁止している。一方、ヒンドゥー教は多神教で、ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァなど、たくさんの神々が存在し、それぞれが自分の心の神を信じている。通年を通し、様々な神々の賑やかなお祭りが行われ、ヒンドゥー教徒はその度に神様の像を形作る。
話はキーワード「アッラー」に戻るが、バングラデシュに住むムスリムの間に、この「アッラー」というフレーズは深く息づいている。人々は、一仕事終え一息ついた瞬間や驚いた際などに、「アッラー」とため息を漏らす。
物乞いたちは「アッラ〜、アッラ〜」と唄い叫びながら、まるでアッラーからの使者のように立ち振る舞い、道行く人々の同情心を掻き立てる。街で見かける物乞いは、年寄り、貧しい母子、身体障害者などである。その中の一体形に両足を付け根のところから失っていて、道を転がりながらアッラーの唄を歌い、銭入れに喜捨を求める物乞いがいる。その声は、奇妙なほど陽気に聴こえて力強く、コンクリート住宅街にこだまする。
今までは目も向けられなかったそういう物乞いたちに、2年経過した現在では、しばし立ち止まって少しの喜捨を施し、彼らと話ができるようになった。今まで聞いた中では、電車の上(バングラデシュでは電車の上にも人を乗せて運ぶ)から転落して両足を失ったケースが一番多い。
その物乞いからすれば、「アッラ〜」と唄い続けることは、一種のパフォーマンスであり、それを職業と成せる技なのかもしれない・・・と、昨日インドから帰ってきたばかりの私は思った。インドで見たヒンドゥー教徒の物乞いにはそのような明るさは感じられなかったから・・・。
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【4】編集後記
イード期間中はバングラデシュから出られた方が多いのでしょうか。私は初めてのイードということもあり、ダッカに滞在しておりました。普段のダッカ市内の渋滞は皆無で騒音もほとんど無かったため、少し異様な雰囲気でした。ちょうど、日本のお正月の都心の様でした。次のイードはかなり雰囲気が違うようで、一度体験した方々はもう見たく無くなるようですが、私は次回も是非体験したいと思っております。
(在バングラデシュ日本大使館広報文化班 小澤裕輔)
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