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日本語の最新号及びバックナンバー

メールマガジン バックナンバー

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  日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第64号・2006/8/24) 

       ―日本とバングラデシュの橋渡しのために―      

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 本メールマガジンは、当地在留邦人の皆様及び希望者に送付しておりま

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□ 目次 □

 

【1】最近の日本・バングラデシュ関係

[これから]

●日本文化紹介写真展(8月26日〜9月7日、ダッカ)

●琴・尺八公演(9月6日、ダッカ)

[これまで]

●米百俵舞台公演(8月20日、ダッカ)

 

【2】特別寄稿「デジカメの向こうに思いを込めて」

(平成16年度2次隊・理数科教師 五十嵐幸雄)

 

【3】編集後記

 

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【1】最近の日本・バングラデシュ関係

【1】

【2】[これから]

    日バ友好写真展(8月26日〜9月7日、ダッカ)

26日(土)から、9月7日までシルポコラアカデミーのナショナルアートギャラリーにて日バ友好写真展が開催されます。日本大使館からは約60点の写真、ユネスコアジア文化センターより約100点の写真が出展される予定で、26日の11時からはアートギャラリー前にて剣道と空手の演舞も予定されております。

    琴・尺八公演(9月6日、ダッカ)

9月6日(水)、国際交流基金主催の琴・尺八公演がシルポコラアカデミーで行われます。本公演は「米百俵」舞台公演、日バ友好写真展とあわせて日本文化週間の一環で、6日(水)19時から公演予定です。詳しいプログラムは今後詰まっていくと思いますので、詳細は広報文化班までご連絡下さい。

【3】[これまで]

●米百俵舞台公演(8月20日、ダッカ)

20日(日)、シルポコラアカデミーナショナルシアターにて山本有三作「米百俵」舞台公演が行われました。この舞台公演は、日バ商工会(JBCCI)、国際交流基金、シルポコラアカデミー及び日本大使館の共催によって長い間準備をしてきたもので、日本からは8月6日にすわらじ劇団の木村進次代表と木村克也さんが訪バし、演劇指導をして頂きました。米百俵をすぐ分配して食べてしまうのか、それとも将来のために有効利用するのか。この葛藤がうまく舞台で表現されていて、非常に良い舞台公演でした。終了後の拍手が今回の舞台公演の成功を物語っていました。

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【2】特別寄稿「デジカメの向こうに思いを込めて」

(平成16年度2次隊・理数科教師 五十嵐幸雄)

毎朝、出勤して職場の門をくぐると声がかかります。「写真できた?」「今度、私の写真を撮ってね」「あの写真をもう一枚、プリントして」・・・。職場での私の仕事は、すっかり「カメラマン」になってしまいました。

Tangail県にある小学校教員の研修を実施する政府機関(PTI:Primary Training Institute)が私の活動先。C-in-Ed(Certificate in Education)研修と呼ばれる、主に新規採用の教員を対象とした1年間のコースがあり、県内全域から集まった教員(研修生)約340名(2006年7月現在)が研修を受けています。毎朝、私に声をかけてくるのは、その研修を受けている研修生たち。女性が6割を占めており、声をかけてくれるほとんどが、目鼻立ちのくっきりした美しいバングラデシュ女性です。それ自体は、とってもうれしいことなんですけど・・・。

C-in-Ed研修の最終試験を終え、1年間のコースを終えたある日。研修生たちが私のほうへやってきました。涙でお別れのあいさつか?なんてはずもなく、「今日で最後なんだから写真を撮って!」と、デジカメを持った私に近づいてくるのです。しかも、他の人を押しのけ我先にと声をかけ、私の都合や撮影の順番などお構いなく「次はこっち」「いやいやこっちだ」とあちこちへ連れ回されます。いざ撮影しようとすると、今度は「いや待て。あっちのほうが場所がいい」だの「私も入れろ」だのとさっぱり撮影が進みません。気がつけば2時間近くが経ち、撮影枚数は200枚を優に超えていました。よくデジカメの電池が持ったものだと妙なところでほっとしながら、この日の研修生らの“襲撃”は終わりました。1日で数百枚を撮るようなことはめったにありませんが、赴任して1年半が経った今、「カメラマン」の存在は研修生らにすっかり知れ渡り、ほぼ毎日のようにこうして撮影を頼まれます。「今度、子どもを連れてくるから撮ってちょうだい」「村の実家へ来て。ごちそうするから。もちろん、カメラを持ってね!」。私の本業・理数科教師隊員としての活動はどこへやら。私の存在意義はカメラだけ?いいように使われ、振り回されているだけじゃないの?

しかし、そんな私のささやかな憂いなど知ったことではない。研修生の撮影熱はヒートアップするばかりです。大部分の研修生は、敷地内に植えられた木々や花壇、モニュメントの前などで、「気をつけ」の姿勢をして集合写真または個人写真を撮ります。しかし、カメラ慣れしてきた研修生らは、撮影場所にもこだわり、いろいろなポーズをきめ、俳優かモデルになったかのような姿を私に見せつけてきます。男性は、バイクがあると必ずといっていいほどバイクにまたがり、ビシッと渋い顔をキメる。ある女性は、階段に斜め45度で腰掛け、膝上に本を開き、サリーの裾を整えながら上目遣いでカメラのレンズを見つめる。「どこでそんなポーズを覚えたんだ?」とツッコミを入れたくなる気持ちをこらえつつ、シャッターを切る経験を何度したことでしょう。

こうして撮影した画像データは、カメラ屋さんへ持ち込みプリントしてもらいます。そして、毎度ものすごい枚数になる写真の束を苦笑いしながら受け取り、研修生に手渡していきます。これがまた一苦労。写真の束を見ると、みな我先にと群がってくるので、私や同僚のインストラクターらが仕事をする小さな部屋はごった返してしまいます。そんなときは、とりあえず外へ出て行ってもらわねばなりません。「私の写真がない!」「注文しなかったけど、やっぱり私もあの写真がほしい!」などと言われれば再度注文をとってカメラ屋さんへ走ります。金銭的な損失が出ることもしばしば。写真代としてカメラ屋さんでプリントするのにかかった費用だけ受け取っていますが、受取人が現れないことがあるのです。

ようやく写真を手渡しても、できあがったプリント写真を見て不満をもらす研修生も出てきます。そのほとんどは、「顔の色合いが暗い、黒く見える」というもの。「色白が美しい」という大方のバングラデシュ人の意識に対して、私がとやかく言ったところで解決しませんし、言う資格もありません。そこで、私ができるせめてものこととして、昼間でもフラッシュをたいて顔に光を当てるようにしたり、必要とあらばパソコンで簡単な画像処理を加えたりすることで、仕上がりの表情が明るくなるよう気を使っています。

このように、さんざんに振り回されるカメラマンとしての役割。面倒くさいなあと感じつつも、今まで続けてきたのはなぜなんだろう。あらためて自問してみました。あるときは、我が子の写真を受け取った人から、バングラデシュではめったに聞けない「ありがとう」の言葉をいただきました。あるときは、写真をプラスチックのフィルムでラミネート加工し、誇らしげに家族や友人に見せている姿を見かけました。あるときは、一人しか写っていない自分の写真を2枚3枚とプリントし、家族や親戚へ配る人がいました。

金銭的に余裕のない多くのバングラデシュ人にとって、写真は、結婚式など特別な場面でしか撮る機会のない大切なもの。それだけに、写真に写った人々への思いがぎゅっとつまっているのでしょう。写真一枚に秘められているそんな重みを感じられるようになったとき、彼らの姿が私にこう問いかけているような気がしてきました。「お手軽お気軽に撮れるデジカメだからといって、たくさん撮れば撮るほど写真一枚一枚への思い入れが薄っぺらになっていませんか?」「写真に写った家族や友人、恋人に対して、あなたの思いも薄っぺらになっていませんか?」

今年のTangail PTIの研修終了記念アルバムでは、表紙をはじめ各種行事の写真に私の撮ったものをたくさん使っていただきました。脇役だったはずの行為がすっかり主役になってしまった私の協力隊活動。「ま、こんな国際交流もありかな?」などと自分で自分をなぐさめながら、今日もカメラ越しにバングラデシュでの人間模様を見つめています。

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【3】編集後記

先日、シルポコラアカデミーで山本有三作「米百俵」の舞台公演が行われました。私も微力ながら準備に関わりましたが、著作権の問題から衣装や刀の作成まで、一つの公演を仕上げるのに様々な人の協力を得ながら公演日を迎えることができました。舞台はベンガル語で行われましたが、それでも役者さんたちの演技によって引き込まれる完成度の高い舞台で、「米百俵」のテーマである“教育の大切さ”は、バングラデシュの人々に良く伝わったと思います。

(在バングラデシュ日本大使館総務・広報文化班 小澤裕輔)

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