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日本語の最新号及びバックナンバー

メールマガジン バックナンバー

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  日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第63号・2006/8/3) 

       ―日本とバングラデシュの橋渡しのために―      

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 本メールマガジンは、当地在留邦人の皆様及び希望者に送付しておりま

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 、編集部までご連絡いただければ幸いです。            

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□ 目次 □

 

【1】最近の日本・バングラデシュ関係

 

[これまで]

●日・SAARC協力シンポジウム(7月31日・ダッカ)

    バリザル市インフラ開発支援(7月27日・ダッカ)

    麻生外務大臣によるバングラデシュ訪問(7月24日〜25日、ダッカ)

●5名の新海外協力隊員、大使訪問(7月17日・ダッカ

 

【2】特別寄稿「バングラデシュ、命の数」

JOCV助産師 内門弘子

 

【3】編集後記

 

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【1】最近の日本・バングラデシュ関係

[これまで]

    日・SAARCシンポジウム (7月 31, ダッカ)

7月31日、日・SAARC協力に関する国際会議が日本大使館の協力を得て、ダッカ大学、ジャパンスタディセンター(JSD)による共催という形で開かれました。バングラデシュのカーン外相、レアズ・ラーマンダッカ大学副学長、アタウル・ラーマン教授をはじめ、およそ300人が集まりました。開会式のあと、地域、日本からの著名な教授や専門家から日・SAARC協力に関するプレゼンテーションが行われました。

 

    バリザル市インフラ開発支援(7月27日・ダッカ)

727日、日本政府はバリサル市インフラ開発支援に関し、2億1千7百50万タカの見返り資金使途承認を行いました。

今回の承認により、道路、給水もしくは水処理場までカバーできるようになり、人々に最低限のインフラを提供するために資金が使われます。

日本の見返り資金援助は債務救済無償支援からなりますが、これまで日本政府がバングラデシュに対して供与した債務救済無償見返り資金は、約1510億タカに相当します。

井上大使は、見返り資金が現在のインフラ改善に向けて大きく貢献する旨発言しました。麻生

 

    麻生外務大臣によるバングラデシュ訪問(7月24日〜25日、ダッカ)

麻生外務大臣は7月24日から25日の間、バングラデシュを訪問しました。大臣はアーメド大統領、ジア首相、カーン外務大臣と会談しました。

会談の写真は以下のウェブサイトの掲載されております。

http://www.mofa.go.jp

 

    5名の新海外協力隊員、大使訪問(7月17日・ダッカ)

6月30日、5名の新しい海外協力隊員がダッカに到着しまし、これから二年間バングラデシュの公的機関で働くことになります。

1973年以来、日本国際協力機構は895名の協力隊員をバングラデシュに派遣してきました。現在55名のボランティアが教育、開発、文化、スポーツ等の様々な分野において、ベンガル語を駆使してバングラデシュ中で活躍しています。

新しい協力隊員は7月17日に井上大使を訪問し、大使はバングラデシュのために能力・技術を十分に発揮して欲しい旨発言しました。

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【2】特別寄稿「バングラデシュ、命の数」

JOCV助産師 内門弘子

 

―2001年、バングラデシュ出生数3.8million―

妊産婦死亡率(以下MMR)322(対10万)。

乳児死亡率(以下IMR)71.5   ・・・1991年~2000年

1990年、MMR:600 IMR:114。) 

 

ところで、2001年つまり、平成13年といえば。

この年は私が助産師になって3年目でした。勤務先は、岡山県倉敷市立児島市民病院。

産婦人科病棟ベッド数12床。その当時ひと月に30~40件の分娩件数。少子化のため、年々分娩件数は減っていたんです。その頃自分が取り上げる赤ちゃんの数は月5,6件前後。この3年間において私が取り上げたお母さんも赤ちゃんも誰一人亡くなった人はいません。もちろんその全員が何の問題もなかったから無事であったという意味ではありません。妊娠中毒症、早産、糖尿病等合併妊娠、骨盤位(逆子)分娩、双子、常位胎盤早期剥離、直後の大量出血によるショック、胎児仮死、未熟児、などの異常が発生したことももちろんあったと思います。人が生まれるとき、必ず二つの命が常に同時に危険にさらされています。そのリスクは日本人もベンガル人も同じ。

 

少しさかのぼって1999年、私が助産師になった年。

日本のMMRは5.9(妊産婦死亡数72人)。出生数1,177,669。乳児死亡数4010。IMR:3.4

同じ時期のバングラデシュは?

1990年と1991~2000年、もう一度見てみましょう。MMR:600 → 322  IMR:114 → 71.5 

減っている・・・。 でも、まだ驚くほどの数のお母さんや赤ちゃんが亡くなっています。

ちなみに、1991~2000年  任地ノルシンディ県MMR:428 IMR:97.8 

わが岡山県の出生数18771、IMR:3.8。

 

さらにさかのぼって日本のMMRについて振り返ってみました。

1950年(S.25)MMR:176.1 私の母が5歳。日本もほとんどが家庭分娩のころ。

1965年(S.40)MMR:87.6  私が生まれる少し前。高度経済成長時代。

1975年(S.50)MMR:28.7  私は4歳。第2次ベビーブームが終わる頃。

同じようにさかのぼって日本のIMRについて振り返ってみました。

1950年(S.25)IMR:60.1  戦後復興が始まった頃。

1960年(S.35)IMR:30.7  なにがあっただろう?ビートルズ?

1970年(S.45)IMR:13.1  第2次ベビーブーム、私が生まれる1年前。

             この年、東と西のパキスタンの戦争が起き、翌年新しい国がうまれました。

 

日本の戦後は、今のバングラと同じくらい栄養状態も経済状態も環境衛生も劣悪で、適切な医療も衣食住あらゆるモノが不足していたのに。2000年の頃のバングラのMMRやIMRの値は日本の戦後のMMR・IMRの値に近い。しかも戦後日本のほうがまだ数値的には良いとは驚きです。

なぜなんでしょうか。どこがちがうのでしょうか?それがわかるといいのですが。誰か知っている人がいたら、教えてください。ヒントでもいいです。

一般的には次のようなことが発展途上国の母子の健康問題にかかわっていると言われています。

A:妊産婦死亡と途上国の女性の特徴について

女性の社会的地位が低い、医療施設、従事者の不足等理由によって定期的な妊婦検診はきわめてまれなため、妊娠中に異常の早期発見予防することは困難である。ほとんどが自宅で正規の医療教育を受けていないTBA:伝統的産婆や家族などの分娩介助によって、産褥感染を受けやすい。緊急事態になっても交通が不便、適切な施設が近くにないなどの理由で手遅れになり死亡する例が多い。途上国の妊産婦死亡の約20〜30%が非合法、不適切な人工妊娠中絶が原因とも言われている。

これらの対策として、TBAの再教育による安全な出産、望まない妊娠を避けるための家族計画推進、少女期からの貧血予防などの栄養水準の向上などが挙げられる。ただ高次医療施設は経済上不足するので途上国にとっては大きな課題である。

 

B:乳児死亡と途上国の小児の特徴について

?@貧困や両親の衛生知識の不足による栄養失調(たんぱく質、ビタミン、ミネラル、ヨード不足)。

?A安全な水が得られない、排泄物処理が不適切で消化器系感染症が多い、狭い居住空間により病気が移り易い、予防接種で防ぐことのできる病気にかかる、母親の栄養状態が悪い、離乳食に関する知識の不足により消化不良や下痢を起こす。

?@?Aのような要因のために、乳幼児の死亡率が高い。根本的な対策として、貧困の削減や居住改善、栄養水準の向上、衛生・健康教育の普及、医療施設の普及や医療従事者の養成による医療水準の向上などがあげられる。

 

どれも全て、今のバングラに当てはまります・・・。

ただ、少しずつ改善されてきていると、思います。なぜなら、村の人と話していると、「前より、状況は良くなっている。ちょっと前まではもっとひどかったよ。」という声を時々聞くことがあるからです。例えば、薬の配布や予防接種、近くの町にプライベートの病院が増えたこと、村に栄養指導してくれる普及員が居る、などです。そして実際にMMRやIMRの数値にも現れてきています。このままどんどん減っていってほしい。そんな、私自身に、朗報!かも知れないデータを発見しました。任地ノルシンディ県の2005年の月例報告書のまとめです。自分でMMRとIMRを計算してみました。

 2005年の県内年間出生数22404。年間妊産婦死亡数109。MMR:486。

 乳児死亡数736。IMR:32,8 

IMR減っています。これが本当だといいんですが。最新データちゃんと調べなければ。

MMRが・・・、減っていない?! なぜ子どもだけ?EPIの成果でしょうか。

お母さんが安全なお産をし、楽しく子育てが出来ますように。家族の未来の幸せの為、家族計画局だってがんばるぞ!! 

 

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【3】編集後記

麻生大臣のバングラデシュ訪問の際には、私は大臣滞在先のショナルガオンホテルに詰めていましたが、本訪問の関係で色々な人に出会うことができました。大使館に勤務していると、赴任以来どうしても館員との付き合いが多くなりがちですが、これからはバングラデシュ人との交流もどんどん深めていきたいと思います。また、当初はホテルのスタッフも思うように動いてくれなかったりと苦労しましたが、彼らとの関係が深まるにつれて非常に良い働きをしてくれるようになりました。やはり、人と人とのつながりが大事だなと再確認した2日間でした。

(在バングラデシュ日本大使館総務・広報文化班 小澤裕輔)

 

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