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メールマガジン バックナンバー
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日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第58号・2006/5/8)
―日本とバングラデシュの橋渡しのために―
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本メールマガジンは、当地在留邦人の皆様及び希望者に送付しておりま
す。本メールマガジンの配信開始・変更・中止のご希望がありましたら
、編集部までご連絡いただければ幸いです。
mail@embjp.accesstel.net
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□ 目次 □
【1】堀口大使政策講演
「バングラデシュの明るい未来と日本・バングラデシュ関係」
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
●生花コンテスト(5月12日・ダッカ)
●イプセン国際会議演劇祭(5月11~13日・ダッカ)
[これまで]
●日本・バングラデシュ友好病院開所式(5月5日・ダッカ)
●VARD眼科医療センター開所式(4月25日・シュナムガンジ)
【3】日本企業支援
●最近のバングラデシュ経済情勢(本年5月現在)
【4】青年海外協力隊リレー連載・第16回
「幸せということについて」
(平成16年度1次隊・感染症対策 広瀬雄気)
【5】編集後記
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【1】堀口大使政策講演
「バングラデシュの明るい未来と日本・バングラデシュ関係」
(5月3日(水)、ダッカ市内のナショナルプレスクラブにおいて、堀口大使は「日本・バングラデシュ関係の更なる前進へ」と題して講演会を行いました。主要点は次の通りです。)
一昨年の政策演説では、バングラデシュは更なる発展への大きなポテンシャルを有する国であることを強調しました。
昨年の政策演説では、バングラデシュが南アジア地域に対する世界経済の関心の高まりを十全に活かしているかという問題提起をしました。
この一年間では、昨年8月17日に全国的同時爆弾事件、11月にバングラデシュ初の自爆事件が続発しましたが、政府は本年3月末に一連の爆弾テロを行ったジャマトゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ(JMB)首領の逮捕に成功しました。政府に望みたいことは、逮捕された容疑者を迅速かつ適正な手続きに則った裁判に付し、法の正義を実現して同様の事件の再発の防止を図ることです。
バングラデシュの経済は一昨年末の多国間繊維取極め(MFA)の失効による影響が懸念されていましたが、2005年度の実績ではニット製品の輸出が好調で、投資についても大幅な増加傾向を示しています。電力・水道といった基礎的なインフラ整備及び制度の改善といった中長期的な課題が山積しています。
ジア首相訪日の成果とフォローアップの重要性について、経済分野では昨年9月の日本・バングラデシュ商工会議所(JBCCI)主催による第2回日本トレードフェアが開催され、野島日本・バングラデシュ経済委員会委員長が来訪しました。また、ダッカ商工会議所(DCCI)・JBCCI共催及びチッタゴン商工会議所(CCCI)・JBCCI共催による貿易・投資セミナーが行われ、政府間レベルのビジネス支援活動を補完する役割を果たしており、今後も継続して取り組んでいくことが期待されます。さらにODAの積極的活用も重要です。
開発分野では、対バングラデシュ国別援助計画の改定作業を世銀・ADB・英国との共通戦略構築とともに進め、昨年11月のODA総合戦略会議で原則了承されました。これと並行してセクター別援助方針とローリングプランを作成し、スキーム間の連携やバングラデシュ政府、他の援助国・機関との対話・連携を強化しています。昨年9月の円借款年次協議の結果を踏まえ、240億円の円借款供与を決定しました。これは一昨年の倍以上となっており、ジア首相訪日のフォローアップとしての日本側の努力を理解いただけると思います。ガバナンスの改善については、今回の国別援助計画でも、また、世銀、ADB、英国、日本の4ドナーによる共通援助戦略の取り組みにおいても重点目標として掲げています。
昨年7月の共同記者発表では、日本・バングラデシュが国際社会共通の課題に協力して取り組むことが確認されました。また、日本は昨年11月にダッカで開催されたSAARC首脳会議でオブザーバー資格を得ました。今後とも地域の安定と発展の枠組み作りを支援していきたいと思います。
文化交流については、昨年7月のジア首相訪日中に文化交流行動計画に署名しました。この計画に従い、今年2月に国立博物館において日本文化を総合的に紹介する文化イベント「ジャパン・フェスティバル2006」が開催されました。
人物交流においても、文化交流行動計画に基づき、当国の国家開発に貢献しうる優秀な留学生の招聘を積極的に行っています。当館はこうした帰国留学生のネットワーク作りや活躍の場の拡大等を支援しています。
来年1月次期総選挙が予定されていますが、バングラデシュは過去3回の総選挙を比較的自由かつ公正に行っており、今回についても自由かつ公正な形で行うことを希望しています。去る2月4日、ムハマッド・ユヌス教授は次期総選挙に向けて「適格性を備えた候補者を擁立する運動(正直な候補者を擁立する運動)」を提唱し、さらに3月20日、この運動の開始及び国家開発中期構想の準備を目的とした市民グループが設立されました。民主主義が発展し政治改革が軌道に乗って対立的政治を克服しガバナンスが改善すれば、経済・社会面での大きな進展も実現し、その結果政府と国民には自信が生まれ、バングラデシュの対外的イメージも改善することが期待されています。そうすれば国際社会における発言力が向上し、域内全体の政治紛争の解決、社会・経済発展へ向けてバングラデシュが意味のある役割を果たすことが求められるようになるでしょう。ユヌス教授が提唱した本運動が万一成功しないようなことがあれば、おそらくあと何年もこのような政治改革運動は期待できないかもしれません。その意味でも、バングラデシュの知識人、国民、政治家が本運動を一致団結する好機とし、なんとしてでも政治改革を実現することが重要です。
日本はバングラデシュの独立を真っ先に承認した国のひとつとして、政府及び民間レベルでバングラデシュとの協力関係を築いてきましたが、これからも真摯な努力を続けていきます。
(英語全文)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/horiguchiSpeeches/sp_npc030506.html
(日本語全文)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/horiguchiSpeeches/sp_npc030506_j.pdf
(この機会に、堀口大使のバングラデシュに関する主要講演、エッセイ等を取りまとめた英語の小冊子「日本とバングラデシュの橋渡しのために」を作成、配布しました。)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/eBulletin/pdf/makingabridge.pdf
(1.1MB)
(バックナンバー)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/mailMagazine/index.html
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【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
●生花コンテスト(5月12日・ダッカ)
5月12日(金)10:30よりABKD生花協会(AISAA)、バングラデシュAOTS同窓会(BAAS)、日バ商工会議所(JBCCI)の共催でBAAS-AOTSトレーニングセンターにおいて、生花コンテストが行われます。
上野日本人会会長を主賓として向かえるほか、在留邦人の方が審査員を努められます。
お問合せは大使館広報文化班(Tel:881-0087、担当:飴谷)まで。
BAAS-AOTS Training Centre
Rooms 31-32, 7th Floor, Eastern Plaza,
Hatirpool, Sonargaon Road, Dhaka-1205
●イプセン国際会議演劇祭(5月11~13日・ダッカ)
センター・フォー・アジアン・シアター(CAT)主催によるイプセン記念行事2006「イプセン国際会議演劇祭」が行われ、日本から「イプセンを上演する会」のメンバー13名が参加されます。
5月11日にはホテル・プルバニにて会議が行われ、また、12日及び13日の午後7時15分から国立劇場(シルポコラ・アカデミー)オーディトリアムにて「イプセンを上演する会」によるヘンリック・イプセン作、毛利三彌訳「ゆうれい」の上演があります。なお、イプセンは近代演劇の創始者とも言われるノルウェーの劇作家です。
お問合せは大使館広報文化班(Tel:881-0087、担当:飴谷)まで。
[これまで]
●日本・バングラデシュ友好病院開所式(5月5日・ダッカ)
5月5日、日本・バングラデシュ友好医療サービスによる日本・バングラデシュ友好病院ダンモンディ診療所の開所式が同所にて行われ、堀口大使他が出席しました。
●VARD眼科医療センター開所式(4月25日・シュナムガンジ)
4月25日、シュナムガンジにおいてVARD(Voluntary Association for Rural
Development)の主催による眼科医療センターの開所式が行われました。このセンターは、日本政府の草の根・人間の安全保障無償協力によって建設されました。開所式へは、当館から堀口大使他が出席しました。
同センターでは2003年1月以来5万人の研修生を受け入れており、日本政府は設備の改善のため440万タカ(約740万円)を支援することを決定いたしました。
堀口大使は開会式で以下のスピーチを行いました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/horiguchiSpeeches/sp_vard250406.htm
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【3】日本企業支援
●最近のバングラデシュ経済情勢(本年5月現在)
経済資料を改訂しましたので、ご関心がありましたらご覧ください。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/business/keizai0605.pdf
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【4】青年海外協力隊リレー連載・第16回
「幸せということについて」
(平成16年度1次隊・感染症対策 広瀬雄気)
バングラデシュに来てから幸せということについてよく考える。
発展途上国バングラデシュで生まれた人たちは、先進国日本で生まれた自分と比べて不幸だと漠然と思っていた。バングラデシュには、改善すべき深刻な問題がたくさんあって、日本に比べてサービスもモノもない。子供がどんなに大きな夢をもっていても、家が貧しければその夢をかなえるのは難しい。それは、かわいそうだ。
私は、感染症対策(EPI)隊員として、感染症とその予防のためのワクチンのことを知ってもらい、きちんと子どもたちに接種してもらうために活動をしている。そのため、村での活動が主で村人と接する機会が多い。
村人と接していると、とても幸せそうにみえる。テレビが無くても、電気すら無くても、家族がいて友達がいて、それだけで幸せそうだ。
もしも、自分が今の価値観や知識をもったまま、この家族の一人だったらどうだろう、と考えてみる。幸せじゃないかもしれない。
どこか見下した感じがして好きな言葉じゃないが、知らないことはしあわせなことだという言葉がある。たしかに、現実的にどうしようもないのに理想ばかりを押し付けるのは残酷なことかもしれない。
「しあわせ」を辞書で引くと、「これ以上のぞむものが無く、じゅうぶんに満足していられる状態」とある。
あたりまえなことだけれど、幸せというのは人によって感じ方がちがう。幸せをはかるものさしがあったなら、人によって色も長さもちがうだろう。自分のものさしを他人にあてはめてみたところで、それはナンセンスというものだ。
村人に、「あなたは今幸せですか?」と、おかしな宗教の勧誘みたいな質問をしたことはないから、実際幸せかどうかわからないけれど、幸せそうな彼らを見ていて、日本人の自分はたくさんのことを望みすぎて自分ひとりで不幸になっていたりするのかなあと思った。
ある日、予防接種場に夫婦が自分たちの子どもを連れてきた。父親に抱いていてもらって子どもに予防接種の注射をうっていた時、子どもはそれほど泣かなかったのに、父親が涙をポロポロこぼしてしまったことがあった。それを見ててなぜか私は感動してしまったのだけれど、きっとその父親は自分の子どものことをとても愛しているんだろうなと思った。それは、とてもしあわせなことだなと思った。
さて、ここから文体を変えますが、今、私たち感染症対策(EPI)隊員は、13th Special National Immunization
Days(以下、NID)のために忙しい毎日をすごしています。このNIDというのは、決められた日に全国一斉にすべての5歳未満の子どもたちにポリオワクチンを飲ませるキャンペーンで、先月、4月16日に1st
Round を終え、5月13日(土)、6月11日(日)と、2nd Round, 3rd Roundがひかえています。
そこで今、次回のNID 2nd Roundからボランティアとして参加してくれる方を募集しています。興味がある方は、
感染症対策シニア隊員 村上 剛(Tel. 01713-040610)
までご連絡ください。
(青年海外協力隊)
http://www.jica.go.jp/activities/jocv/
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【5】編集後記
日本では先週はゴールデンウィークでした。日本の皆さんは5連休を満喫されたことと思います。当地でも先週は月曜日がメーデーでお休み、来週は木曜日がブッダプルニマで政府機関などは3連休となっています。考えてみると、ゴールデンウィークといっても、お盆休みや年末年始休みなど、ほかにもゴールデンといえる週が日本にはいくつかありますね。こちらでは年に数回あるイードがゴールデンウィークと呼ぶにふさわしい週なのでしょうか。
(在バングラデシュ日本大使館総務・広報文化班 飴谷貴信)
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発行:在バングラデシュ日本大使館
Embassy of Japan in Bangladesh
Plot#5&7, Dutabash Road, Baridhara, Dhaka, Bangladesh
電話(880-2)881-0087
FAX(880-2)882-6737
http://www.bd.emb-japan.go.jp/
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