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日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第49号・2005/12/28)
―日本とバングラデシュの橋渡しのために―
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□ 目次 □
【1】堀口大使メッセージ「バングラデシュとミャンマー」
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これまで]
●JUAAB年次総会(12月24日・ダッカ)
●天皇誕生日の日本特集記事と大使メッセージ(12月23日・バングラデシュ)
●ジャパンカップ戦勝記念日空手トーナメント2005(12月23日・ダッカ)
●サイクロン・シェルター供与式(12月21日・チッタゴン)
●開発援助勉強会(バングラデシュの結核対策)(12月20日・ダッカ)
●地方インフラ局(LGED)合同評価セミナー(12月19日・ダッカ)
●開発援助勉強会(バングラデシュの教育問題)(12月18日・ダッカ)
●ジャパンカップ戦勝記念日柔道大会2005(12月18〜19日・ダッカ)
●生花デモンストレーション(12月16日・ダッカ)
●「ダッカの都市環境を知ろう」ツアー(12月13/18日・ダッカ)
【3】日本企業支援情報
【4】編集後記
【1】堀口大使メッセージ「バングラデシュとミャンマー」
先週、ミャンマー勤務時代に知り合った友人の子息の結婚式に出席するためヤ
ンゴンを再訪しました。12年前に離任してから久し振りに6年前に訪ねた時は
主としてASEAN諸国からの投資によって建てられた多数のビルに驚きました
が、今回は増えた建物の数よりも街の静けさと清潔なたたずまいが印象的でし
た。
ミャンマー勤務時代、バングラデシュはアラカン山脈一つ越えただけの隣国で
あるにも拘わらず、私の頭の中で勝手に線を引いた東南アジアと南アジアの区
別から何となく遠い国という意識がありました。しかし在勤中の1992年に発生
したロヒンギャ難民問題によって、両国を隔てるテクナフ川が上流では徒歩で
も渡れる程の近い距離にあることを知りました。
ともに親日国であるバングラデシュとミャンマーについては、ダッカ着任以
来、意識的に、また無意識のうちに相違点を比較していますが、今回久し振り
にミャンマーを訪ねて両国の違いが改めて認識されました。
バングラデシュは、ミャンマーの3分の1の国土に4.7倍もの人口が住んでい
ます。また、自然災害の頻度や資源賦存量をとってもバングラデシュの方が遙
かに不利な状況にあります。ミャンマーはこのような豊かさを背景に、独立以
来1964年まで東南アジアで最も栄え、ハブとしての地位を有していましたが、
1964年にネ・ウィン将軍の下で社会主義革命を掲げ鎖国政策をとったことが転
機となり、約20年後には最貧国に転落してしまいました。
その後も軍事政権の下で停滞が続き、私が離任した12年前には1ドル約60
チャットであった通貨価値が、現在は1ドル約1200チャットと200分の1に
なっており、また、政治的にも12、3年前に発足した新憲法制定会議がいまだ
憲法案を提出していません。政治的自由の欠如が適切な経済運営を妨げている
だけでなく、政策の誤りが明らかになってもその転換を困難にしています。
ミャンマーに今必要なものは、異なった意見に耳を傾ける開放性と弾力性であ
ると思われます。
一方、バングラデシュも大きな発展のポテンシャルを持ちながら、対立的政治
とガバナンスの問題のために、独立後30数年経ても最貧国の地位に甘んじてい
ます。しかし、バングラデシュには政治的・経済的自由があります。適切なマ
クロ政策が維持されており、特に最近の民間セクターの発展には目覚ましいも
のがあります。バングラデシュは多くの問題を抱えつつも、その開放性と弾力
性が、世論や国際社会の建設的助言にちょっと時間はかかっても耳を傾けさ
せ、問題が深刻になる前に軌道修正を可能にしています。最近のイスラム過激
派による活動への対応も、このような見方を裏付けているように思われます。
バングラデシュとミャンマーの友人である日本としては、両国がそれぞれの問
題点を一つ一つ解決しながら持てるポテンシャルを解き放ち、一日も早く中進
国入りすることを願っています。
(バックナンバー)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/mailMagazine/index.html
(小冊子「日本とバングラデシュの橋渡しのために」)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/pdf/merumagabook.pdf
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これまで]
●JUAAB年次総会(12月24日・ダッカ)
12月24日、モティジールのホテル・プルバニで、バングラデシュ帰国留学生会
(JUAAB)年次総会が開催されました。総会に引き続いて開催された夕食会・
文化イベントには堀口大使、バングラデシュ大学予算配分委員会(University
Grants Commission of Bangladesh, UGC)のアサドゥッザマン委員長ほかが出
席しました。また、歌手のフォリダ・パルビン氏がパフォーマンスを行いまし
た。
堀口大使は以下のスピーチを行いました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_juaab241205.html
(JUAABウェブサイト)
http://www.juaab.org
●天皇誕生日の日本特集記事と大使メッセージ(12月23日・バングラデシュ)
12月23日の天皇誕生日に、当地の新聞各紙は日本特集記事を掲載しました。堀
口大使はこの日に寄せたメッセージの中で、外交、貿易・投資、開発協力、文
化交流の各分野における日本・バングラデシュ関係の発展について紹介しまし
た。メッセージの全文は以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/message231204.html
●ジャパンカップ戦勝記念日空手トーナメント2005(12月23日・ダッカ)
12月23日、ミルプール・ショヒッド・スフラワルディ・インドア・スタジアム
において、バングラデシュ空手連盟と当館の共催で「ジャパンカップ戦勝記念
日空手トーナメント2005」が開催されました。全国各地から予選を勝ち抜いた
空手家達が出場し、技を競い合いました。
堀口大使は閉会式に出席し、以下のスピーチを行いました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_karate231205.html
●サイクロン・シェルター供与式(12月21日・チッタゴン)
12月21日、チッタゴンにおいてサイクロン・シェルター供与式が行われ、堀口
大使、M.A.ジナ国会議員、地方インフラ局(LGED)シャヒドゥル・ハッサン・
チーフ・エンジニア他が出席しました。
日本はこれまで5次にわたり81機のサイクロン・シェルター(約4億タカ相
当)を供与し、1998年のサイクロン襲来時には、地域住民の被害を最小限に食
い止めることに貢献しました。
堀口大使は供与式で以下のスピーチを行いました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_mcs211205.html
当館発プレス・リリースは以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/news/pr/pdf/pr_mcs221205.pdf
●開発援助勉強会(バングラデシュの結核対策)(12月20日・ダッカ)
12月20日、結核予防会結核研究所の石川信克副所長を講師に招き、第30回バン
グラデシュデシュ開発援助勉強会「バングラデシュにおける結核対策の展開と
今後の課題」が開催されました。
今次勉強会では、石川副所長より、世界、そしてバングラデシュにおける結核
の現況と対策、結核対策におけるプライマリーヘルスケアと住民参加アプロー
チ、結核対策における日本の貢献についてプレゼンテーションいただいた後、
出席者との議論が行われました。議事概要は追ってバングラモデルのウェブサ
イトに掲載予定です。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/index.html
●地方インフラ局(LGED)合同評価セミナー(12月19日・ダッカ)
12月19日、地方インフラ局(LGED)と在バングラデシュ日本大使館との共催で
LGED合同評価セミナーが開催されました。宇喜多臨時代理大使及びハッサン
LGEDチーフ・エンジニアの共同議長の下、当国農村インフラ開発におけるこれ
までの我が国政府開発援助(ODA)の貢献を確認し、今後の方策について出席者
を交えて意見交換が行われました。議事概要及び資料は下記のウェブサイトに
掲載しています。
(宇喜多臨時代理大使スピーチ)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_lged191205.html
(プレゼンテーション)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/pdf/lgedpresentation051219.pdf
(合同評価第1ドラフト)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/doc/lgedevaluation1stdraft051214.doc
セミナーに関する当館発プレス・リリースは以下のウェブサイトに掲載してあ
ります。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/news/pr/pdf/pr_lged191205.pdf
●開発援助勉強会(バングラデシュの教育問題)(12月18日・ダッカ)
12月18日、名古屋大学国際開発研究所の北村友人助教授(現在、短期間でダッ
カ大学客員教授)を講師に招き、第29回バングラデシュ開発援助勉強会「バン
グラデシュの教育に日本はどのように貢献すべきか」が開催されました。
今次勉強会では、北村助教授より、基礎教育の普及、人材の育成、教育援助の
あり方等についてプレゼンテーションいただいた後、出席者との議論が行われ
ました。議事概要及び資料は下記のウェブサイトに掲載しています。
(議事概要)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/051218minutes.html
(プレゼンテーション資料)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/pdf/eduppt051218.pdf
(配布資料)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/pdf/dataedubangladesh051218.pdf
●ジャパンカップ戦勝記念日柔道大会2005(12月18〜19日・ダッカ)
12月18日と19日、ダッカ市内ナショナル・スポーツ・カウンシルにおいて、バ
ングラデシュ柔道連盟と当館の共催で「ジャパンカップ戦勝記念日柔道大会」
が開催され、全国から選りすぐりの柔道家達が技を競い合いました。19日のメ
ダル授与式には宇喜多臨時代理大使が出席し、以下のスピーチを行いました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_judo191205.html
●生花デモンストレーション(12月16日・ダッカ)
12月16日、アジア文化会館同窓会(ABKD)主催による「生花デモンストレー
ション」が同会の生花スクールにおいて開催されました。草月流の後藤師範
他、生花スクールの先生や生徒25名が参加しました。後藤師範は、米国に長く
滞在されていたこともあり、大変流暢な英語で指導されました。
●「ダッカの都市環境を知ろう」ツアー(12月13/18日・ダッカ)
12月13日と18日に、「ダッカの都市環境を知ろう」ツアーが開催され、当地の
開発関係者や一般の在留邦人約30名が参加しました。ゴミの排出現場、一次及
び二次収集、皮処理工場、リサイクル工場、乾電池処理工場、清掃人居住区、
最終処分場、医療廃棄物処理施設などを見学できました。
概要及び資料は、追ってバングラモデルのウェブサイトに掲載予定です。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/index.html
【3】日本企業支援情報
当館では、バングラデシュ日本企業支援ウェブサイトを10月末に立ち上げ、当
地におけるビジネス情報提供に努めてまいりました。来年も随時情報の更新及
び内容の充実を図り、当国でのビジネスに必要とされる適切な情報の提供をし
ていく予定です。例えば、バングラデシュ政治・経済情勢、バングラデシュ関
連法・規則、バングラデシュの輸出入政策、ビジネス・セミナーについての情
報を掲載していますので、ご関心ありましたらご覧いただければ幸いです。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/business/index.html
また、今般下記の資料を新たに掲載いたしました。
(第8回多面的技術・経済協力のためのベンガル湾イニシアティブ(BIMSTEC)
閣僚会議概要)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/business/pdf/bimstecminisdecl051219.pdf
(第13回南アジア地域協力連合(SAARC)首脳会議「ダッカ宣言」仮訳)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/business/pdf/dhakadeclaration.pdf
【3】編集後記
今年は、1月に常田農林水産副大臣、5月に谷川外務副大臣、6月に逢沢外務
副大臣がバングラデシュを訪れ、7月にはジア首相が訪日し、近年になく要人
往来が活発でした。日バ関係が発展する上でも両国の人的交流が盛んになるこ
とが重要で、来年もこの勢いを維持できればと思います。本年はご愛読ありが
とうございました。来年も引き続き宜しくお願いいたします。
(在バングラデシュ日本大使館広報文化班 飴谷貴信)
ダッカに来て初めてのクリスマスとお正月です。新年が一体どんな年になるの
だろうと思う時、その年をテーマにした本や映画がなかったかと考えます。
2006年を時代背景とした本や映画は今のところ思いつきません。「事実は小説
より奇なり」といいますから、私の想像を超える出来事が起こるのでしょう。
それがポジティブなものであることを願っています。
今年一年、ご愛読ありがとうございました。
(在バングラデシュ日本大使館総務班 永瀬沙織)
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交流事業等今後掲載する記事・情報に関するご示唆等をお待ちしております。
また、本メールマガジンの特別寄稿を執筆頂ける方を(自薦・他薦とも)募集
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mail@embjp.accesstel.net
発行:在バングラデシュ日本大使館
Embassy of Japan in Bangladesh
Plot#5&7, Dutabash Road, Baridhara, Dhaka, Bangladesh
電話(880-2)881-0087
FAX(880-2)882-6737
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