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日本語の最新号及びバックナンバー

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   日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第47号・2005/12/1)  
        ―日本とバングラデシュの橋渡しのために―       

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□ 目次 □

【1】堀口大使メッセージ「『貧困削減戦略実施フォーラム』の開催」

【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]

●日本文化イベント(12月2日〜4日・チッタゴン/ランガマティ)
●堀口大使政策講演会(12月7日・ダッカ)
●バングラデシュ投資セミナー(12月7日・東京)
●日本−バングラデシュ友好学校署名式(12月11日・ダッカ)
●ダッカ廃棄物視察ツアー(12月13日・ダッカ)
●参加型農村開発プロジェクト2開始セミナー(12月14日・ダッカ)
●青年海外協力隊セミナー(12月15日・ダッカ)

[これまで]
●開発援助勉強会(サックICDDR,B所長講演)(11月30日・ダッカ)
●対バングラデシュ国別援助計画最終案原則了承(11月24日・東京)
●農村開発技術センタービル完成式(11月22日・ダッカ)
●谷合正明参議院議員ダッカ来訪(11月20日〜21日・ダッカ)

[おしらせ]
●渡航情報(スポット情報:バングラデシュ:チッタゴン県及びガジプル県2
か所における同時爆発事件の発生)
●邦人安全情報(当地英国大使館への爆弾予告事案)
●バウルがユネスコの無形文化遺産に認定(11月25日)
●平成18年当館休館日

【3】谷合正明参議院議員メルマガ・インタビュー(11月21日・ダッカ)

【4】青年海外協力隊リレー連載・第9回
「無視されてきた感染症“フィラリア”」
(15年度3次隊・感染症対策 江本真聰(えもとまさと))

【5】編集後記


【1】堀口大使メッセージ「『貧困削減戦略実施フォーラム』の開催」

11月15日から17日まで「貧困削減戦略(PRS)実施フォーラム」というバング ラデシュ政府とドナー(援助国及び世銀など国際機関)の会合が開催されまし た。昨年までは「バングラデシュ開発フォーラム(BDF)」を呼ばれていまし たが、バングラデシュ政府は、数年がかりで策定してきた「貧困削減戦略文書 (PRSP)」が完成したこともあり、その実施に関する政府とドナーとの会合に したいとし、当初は2年に1回の頻度にしたいとの立場をドナー側に伝えてき ました。

その背景には、昨年までのBDFでは、バングラデシュ政府が前年度のBDFの場で 種々の改善のための約束をしながら1年経ってもあまり改善がないことに対 し、一部の援助国は不満をつのらせ厳しい批判をしましたが、バングラデシュ 政府側から見ると、一部の小援助国は援助量は小さいのに厳しい批判ばかりし ていると映りました。そこで、政府はBDFを廃止して新たな形のフォーラムに するとともに、毎年開催では大した進展を示し得ないので、2年に1回の会議 にしたいとの意向を示しました。

バングラデシュ政府の以上の立場に対し、私たちは、ドナーが政府を批判する のはバングラデシュの開発を少しでも早く進めて欲しいという気持ちの表れで あること、小援助国といえどもそれぞれのGNP比で見れば高く、援助への熱意 は疑う余地のないこと、バングラデシュの現在の開発レベルから見て、今暫く は国際社会の支援は量の大小を問わず必要であること、特に小援助国も、まと まれば世銀やアジア開銀の理事会で大きな発言権を持っていることもあり、大 事にすべきことなどの理由から、引き続き全てのドナーと協議する必要性を指 摘しました。

さらに2年に1回という頻度について、予算は毎年作られること、開発を巡る 状況は常に変わりつつあり、政府とドナーとの協議を有効なものにするには最 低年1回は開催されるべきこと、ドナー側もそれぞれの国ないし国際機関の担 当者は2、3年で交替するケースが多く、2年に1回では有効な引き継ぎが難 しいこと、さらに日本の場合、現地ODAタスクフォースは12のセクター/サブ セクターに分かれ、協力プロジェクトの点検・改善と広報を1年を単位として 作業しており、総括の場であるバングラデシュ政府との協議は年1回は必要で あることなどの理由から、政府に年1回とすべきことを強く主張し、私からも ラーマン財務・計画大臣に直接働きかけを行いました。

同時にドナーの内部においても、政府に対する批判はできるだけ建設的なもの とするよう呼びかけるとともに、当時並行して進めていた世銀、アジア開銀、 英及び日の主要4ドナーの協調が継続的に進展し、それ自体援助協調という見 地からは画期的なことでしたが、一方、主要援助国と小援助国との間に溝がで きないよう特に配慮する必要がありました。

このような背景のもと、ドナー内部の協議を経て、米国国際開発庁(USAID) のジョージ所長が現地ドナー調整グループ(LCG)新議長に選ばれ、新議長の 下でドナー内の協力体制が次第に整いました。同時にバングラデシュ政府との 頻繁な協議を経て、新しい「PRS実施フォーラム」が開催されました。

同フォーラムではジア首相が開会挨拶を行い、5つの個別セッション(PRSP実 施、社会開発、貿易・投資・民間セクター開発、ガバナンス、調和化・援助効 果向上)で熱心な議論が行われました。議論の結果、バングラデシュ政府は同 フォーラムの毎年開催を正式に明らかにするとともに、PRS実施に積極的に取 り組むべく、政府・ドナーの合同委員会の年内設置、PRSに沿った予算編成、 調達法の実施、公務員制度改革、中小企業政策の見直し、女性エンパワメント 政策の見直しなど11項目を、この1年間の行動計画として発表しました。

バングラデシュ政府による上記行動計画の発表は、ドナー側の当初の期待を上 回るものでした。これはドナーの熱意が政府を動かしたものといってもよく、 今後政府が一つ一つ実施していけるよう、ドナー側が引き続き大きな熱意と誠 意を持って協力していくよう努力する所存です。

(バックナンバー)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/mailMagazine/index.html
(小冊子「日本とバングラデシュの橋渡しのために」)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/pdf/merumagabook.pdf


【2】最近の日本・バングラデシュ関係

[これから]

●日本文化イベント(12月2日〜4日・チッタゴン/ランガマティ)
12月2日(金)から4日(日)の3日間、チッタゴン及び近郊のランガマティ において、日本文化イベントが開催されます。主な日程は以下のとおりです。 3日に行われる日本・バングラデシュ・ビジネスフォーラムには堀口大使も出 席する予定です。

2日(金):日本文化フェア(チッタゴン、ホテル・セント・マーティン)
10:00 生け花展示会
11:30 日本語スピーチコンテスト
12:00 表彰式
14:30 日本留学セミナー
16:00 日本映画上映会

3日(土):日本・バングラデシュ・ビジネスフォーラム
10:00 開会、堀口大使挨拶
10:30 オープン・ディスカッション
12:50 昼食会

4日(日):日本文化フェア(ランガマティ、民俗文化研究所ホール)
14:10 日本留学セミナー
15:30 日本映画上映会

お問い合わせは大使館広報文化班まで。
電話:(880-2)881-0087、FAX:(880-2)882-6737

●堀口大使政策講演会(12月7日・ダッカ)

12月7日(水)午後5時より、グルシャンにあるレストラン「フランベ」
("Flambe" House #6, Road #50, Gulshan #2, Tel: 885-3835)において、堀
口大使による政策講演会を開催する予定です。

「開かれた外務省」の一環として、在留邦人の皆様に、日本政府及び大使館の 活動、日本とバングラデシュの関わりについて、政治、経済関係のみならず、 文化交流、在留邦人の方々の治安・安全対策に至るまで、最新の全体的・総合 的な情報をご提供させて頂きます。また、皆様より、忌憚のないご意見をお伺 いしたいと考えております。

今回の講演会は、一昨年、昨年に続き3回目となります。昨年の講演会では、 日・バングラデシュ間の自由貿易協定(FTA)の実現可能性、来年の当国総選 挙の趨勢、当国における中国の資源・エネルギー外交、日本の技術や得意分野 で日本を中核に据えた援助をする必要性、対バングラデシュODA増に向けての 日本国内への働きかけの適否等についてご質問をいただきました。また、日本 企業向けの工業団地の設立への支援、当地在留邦人活動の拠点としてのジャパ ン・クラブの設置への協力、日本の文化発信の中心となるセンターの設置等に ついてご要望をいただきました。昨年の講演会の内容は次の通りです。
(講演)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/content/lecture041202.html (席上の意見交換)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/content/views041202.html (パワーポイント資料)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/business/pdf/pawapos.pdf
皆様、仕事や生活で日々ご多忙のことと思いますが、是非ご出席いただければ 幸いです。
お問い合わせは大使館広報文化班まで。
電話:(880-2)881-0087、FAX:(880-2)882-6737

●バングラデシュ投資セミナー(12月7日・東京)

12月7日(水)午前10時より、東京商工会議所ビルにおいて、日本・バングラ デシュ経済委員会、国際連合工業開発機関(UNIDO)及び駐日バングラデシュ 大使館の主催による「バングラデシュ投資セミナー」が開催されます。バング ラデシュからは、アーサン首相府官房長官、カーン輸出加工区技術担当理事、 イスラム在日バングラデシュ大使らが出席する予定です。

本セミナーには英語→日本語の逐次通訳がつく予定です。なお、プログラムは 以下のとおりです。
10:00〜10:14 開会及び来賓挨拶
10:14〜11:50 プレゼンテーション及び質疑応答
11:50〜12:00 閉会

本件ご案内を当館ウェブサイトに掲載いたしました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/business/doc/investmentseminar051207.doc
本セミナーの参加締切は12月2日(金)です。詳細は、日本・バングラデシュ
経済委員会事務局までお問合せください。
電話:03-3283-7604、FAX:03-3216-6497

●日本−バングラデシュ友好学校署名式(12月11日・ダッカ)

12月11日(日)午前11時、草の根・人間の安全保障無償資金協力による、農村 振興協会(Society for Advancement of Rural Areas、SARA)の日本−バング ラデシュ友好学校の増設計画の署名式が、堀口大使とSARA代表チョウドリー博 士との間で大使館にて行われます。

SARAは、バングラデシュ北東部シレット市郊外の農村地域の教育振興、女性の 就業機会の促進を目的とした職業訓練を実施しており、今回は、その施設の増 設により、中等教育の学生の120名を受入る校舎が完成することになります。
又、日本−バングラデシュ友好学校の由来は、元浜松医科大学学長故川島氏が 中心となって、浜松地域の団体や住民が支援した財源をもとに建設された経緯 から、施設を管理・運営しているSARAが日本への感謝の意味を込めて、日本− バングラデシュ友好学校と命名したものです。

●ダッカ廃棄物視察ツアー(12月13日・ダッカ)

JICAバングラデシュ事務所では、12月13日(火)午前9時より、「ダッカの都 市環境を知ろうツアー」と題した廃棄物視察ツアーを企画しています。

日ごろ何気なくゴミ箱へ捨てているゴミ。日本のように分別する必要はない し、毎日お手伝いさんがどこかに片付けてくれています。さて、このゴミたち はどこへ行くのでしょうか?年々増え続けるダッカの高層ビルに象徴される発 展の裏に、どんな問題が潜んでいるのか、一般の人たちが居住環境にどのよう な意識を持っているのか、なかなか見ることの出来ないディープなダッカを知 る旅に出かけましょう。スケジュールは以下のとおりです。
9:00    JICA事務所前集合
10:00-11:20 Ward65
11:40-12:00 クリーナーズコロニー
12:10-12:30 マトワイル最終処分場
13:10頃   JICA事務所前解散

お問い合わせはJICAバングラデシュ事務所まで。
電話:(880-2)989-1897、FAX:(880-2)989-1689

なお、JICAでは「ダッカ廃棄物管理計画調査」を2003年12月から2006年3月ま
で行っています。
http://www.jica.go.jp/bangladesh/activities/01_4_1.html
●参加型農村開発プロジェクト2開始セミナー(12月14日・ダッカ)

技術協力「参加型農村開発プロジェクト(PRDP)フェーズ2」の開始を受け て、農村開発と地方ガバナンスについてのセミナーが、12月14日(水)9時半 から関係省庁やドナー関係者の出席を得て、地方農村開発技術局(LGED)会議 場で開催されます。

PRDP1では、「リンク・モデル」(地域住民と農村開発行政機関を結び住民の 意向が開発に反映される枠組み)をタンガイルの4ユニオンで実施しました が、PRDP2では対象地域を広げ、更にリンク・モデルを普及させる予定です。

●青年海外協力隊セミナー(12月15日・ダッカ)

12月15日(木)11時より、財務計画省経済関係局(ERD)は国際協力機構 (JICA)の協力を得て、バングラデシュにおける青年海外協力隊の活動セミ ナーがERDで行われます。協力隊員による発表や活動紹介が行われる予定で す。

[これまで]

●開発援助勉強会(サックICDDR,B所長講演)(11月30日・ダッカ)

11月30日、ダッカ所在の国際機関であるICDDR,B(保健人口研究センター)の デビッド・サック所長を講師に招き、第28回バングラデシュ開発援助勉強会が 開催されました。

今次勉強会では、サック所長からICDDR,Bの活動、世界の保健人口問題の課 題、バングラデシュでの成功例、日本に期待することなどについてプレゼン テーションいただいた後、出席者との議論が行われました。議事概要は追って ウェブサイトに掲載予定です。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/index.html
(ICDDR,Bウェブサイト)
http://www.icddrb.org
●対バングラデシュ国別援助計画最終案原則了承(11月24日・東京)

11月24日のODA総合戦略会議で対バングラデシュ国別援助計画最終案が審議さ れ、原則的に了承されました。

席上議論された同最終案は、外務省ODAウェブサイトに掲載されています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/kondankai/senryaku/25_shiryo/pdfs/shiryo_3.pdf
席上出されたコメントを踏まえ、同最終案に一部修正を加えた上で、追って経 済協力関係閣僚会議に提出される予定です。

●農村開発技術センタービル完成式(11月22日・ダッカ)

11月22日、日本の支援を受けて建設された地方農村開発技術局(LGED)農村開 発技術センター(RDEC)ビルの完成式が、ジア首相臨席の下で行われました。
席上堀口大使は、RDECプロジェクトの成果等について説明しました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_rdec221105.html
(JICA・RDECプロジェクト)
http://www.jica.go.jp/bangladesh/activities/02_1_3.html
●谷合正明参議院議員ダッカ来訪(11月20日〜21日・ダッカ)

谷合正明参議院議員が11月20〜21日にダッカを訪れ、シラジ繊維・ジュート大 臣やチョウドリー商業大臣と会談しました。本メルマガ編集部では谷合議員に インタビューを行いました。その模様は以下の

【3】をご覧ください。
[おしらせ]

●渡航情報(スポット情報:バングラデシュ:チッタゴン県及びガジプル県2
か所における同時爆発事件の発生)

29日(火)午前9時05分頃バングラデシュ東部のチッタゴン県にある地方裁判 所前の警察官検問所で自爆テロ攻撃があり、警察官2名が死亡、警察官13名と 自爆犯1名を含む少なくとも17人が負傷しました。また、同日午前9時40分 頃、同国首都ダッカ近郊のガジプール県にある地方裁判所内の図書室において 爆弾が爆発し、7名が死亡、約40名が負傷しました。

本事件の背景等の詳細は現時点では明らかではありませんが、バングラデシュ においては、10月3日にチッタゴン市等東部3県の地方裁判所で同時爆発事件 が発生し(2005年10月5日付けスポット情報「バングラデシュ:チッタゴン市 等東部3県における同時爆発事件の発生等」参照)、また10月14日にもジャロ カティ県において裁判官2名が爆弾により殺害される事件が発生していますの で、裁判所にはできる限り近づかないことをお勧めします。8月17日に発生し た同時多発爆弾事件(2005年8月17日付けスポット情報「バングラデシュ:首 都ダッカ及び各地における同時多発爆弾事件」参照)にかかわったとされる容 疑者が多数逮捕され、裁判が各地で行われていることからも、今後も同様のテ ロ事件が発生する可能性は否定できず、引き続き十分な注意が必要です。

これまでバングラデシュにおいては、政治的対立等に起因するとみられる爆破 ・暗殺事件が裁判所以外の場所でも頻発しています。つきましては、バングラ デシュに渡航・滞在される方は、テロ事件や不測の事態に巻き込まれることの ないよう、最新の治安関連情報の入手に努め、政府関係施設、宗教関係施設、 バスターミナル、市場、映画館など人の多く集まる場所に近づかない、多数の 人が集まる場所では警戒する、周囲の状況に気をつけるなど安全確保に十分注 意を払って下さい。また、テロ事件が発生した場合の対応策を再点検し、状況 に応じて適切な安全対策が講じられるように心掛けて下さい。

また、バングラデシュに対しては、危険情報を発出していますので、そちらも
御参照ください。
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info4.asp?id=012#header
(問い合わせ先)
外務省領事局邦人テロ対策室(テロに関する問い合わせ)
電話:(代)03-3580-3311 (内線)3679
外務省海外安全相談センター(国別安全情報等)
電話:(代)03-3580-3311 (内線)2902
外務省海外安全ホームページ
http://www.mofa.go.jp/anzen/ 在バングラデシュ日本国大使館
電話:(880-2)8810087

●邦人安全情報(当地英国大使館への爆弾予告事案)

28日付け当地報道によれば、イスラム原理主義組織アルカイーダ組織の一員を 名乗る者が、当地英国大使館宛に爆弾予告をおこなったとして以下の内容を報 じています。

当地英字新聞ニューエイジ紙による報道内容
1.27日、グルシャン警察は、「当地英国大使館からFAXで本事案の発生連絡 と共に、アルカイーダの一員と称される人物を特定するため検問を実施するよ うに要請があった。」と発表している。
2.当地英国大使館員によれば、「チャンドプール県のファリドガンジ郡のマ ニク・ホセイン氏がウサマ・ビン・ラディン率いるアルカイーダ組織の一員で あると本事案において自ら名乗っている。」とのことであった。
3.本事案の爆破対象先は、英国大使館のみならず、米国大使館及びヨーロッ パ諸国の大使館と示唆されている。
4.ダッカ首都圏警察長官は、「すでにバリダラ地区及びグルシャン地区の外 交団地区の警備を強化している。」と発表している。

当館においてグルシャン警察に確認したところ、本爆弾予告はEメールにて送 りつけられ、既に治安当局ではグルシャン地区及びバリダラ地区にRAB(緊急 行動部隊)及び武装警察官の増強配置を実施したとのことであり、爆弾予告が あったとの事実は確認しました。

現段階では、爆弾予告の背景、信憑性は不明ですが、爆弾予告があったことは 確認できましたので、在留邦人の皆様におかれましては、本爆弾予告を踏ま え、新聞、テレビ等により今後の動向の情報収集に努めていただくとともに、 当面の間、米国大使館、英国大使館を含む欧州の大使館付近では、周囲の状況 にご留意下さい。

なお、当館は英国大使館と隣接していることから、当館の警備体制を強化し、 当面の間、来館者に対する所持品検査、車両検査を厳重に実施することと致し ましたので、ご了知下さい。

また、万が一の不測の事態に備えて、2005年10月19日付け広域情報「爆弾テロ 事件に関する注意事項」でお知らせしている点を参考に安全対策を再検討し、 状況に応じて適切な行動がとれるように心がけて下さい。
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2005C428
在バングラデシュ日本国大使館では、今後とも、関連する情報が入り次第、領 事メールサービス等を通じ逐次安全情報をお知らせする予定です。

●バウルがユネスコの無形文化遺産に認定(11月25日)

国連教育科学文化機関(ユネスコ)は25日、「人類の無形文化遺産」43件を新
たに発表し、日本の歌舞伎とともに、バングラデシュのバウルが選ばれまし
た。詳細は以下のユネスコのウェブサイトをご覧ください。
http://portal.unesco.org/en/ev.php-URL_ID=30973&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html
●平成18年当館休館日

当館では、平成18年の休館日を以下のとおり決定致しましたので、ご連絡いた します。なお、規定により、当地の祝日及び日本の祝日の中から平成18年の日 本の祝日数である13日を選択しております。

週休日    金曜日、土曜日
勤務時間   09:00−17:30(昼休み12:30〜13:30)
領事受付時間 09:00−12:30、13:30−17:00

  1月1日(日) 元旦
  1月2日(月) 年始休暇
  1月3日(火) 年始休暇
*1月10日(火) Eid-ul-Azha
*1月11日(水) Eid-ul-Azha
*1月12日(木) Eid-ul-Azha
  3月26日(日) Independent Day
*5月11日(木) Buddha Purnima
*8月16日(水) Janmastami
*10月24日(火) Eid-ul-Fitr
*10月25日(水) Eid-ul-Fitr
*10月26日(木) Eid-ul-Fitr
(12月29日(金) 年末休暇)
(12月30日(土) 年末休暇)
  12月31日(日) 年末休暇

合計13日

注:( )内は「週休日と重複する日」、*印は「月の状況により変更されう
る日」をそれぞれ表しています。


【3】谷合正明参議院議員メルマガ・インタビュー(11月21日)

11月21日、当地を訪問中の谷合正明参議院議員に対し、メルマガ編集部(永 瀬)がインタビューを行いましたので、以下に掲載いたします。谷合議員は現 在32歳で、参議院最年少議員です。2004年7月参議院比例区で公明党より初当 選されました。

(質問)今回が初めてのバングラデシュ訪問ということですが、バングラデ シュにどのような印象をお持ちでしたか。実際に市内視察等をされてダッカの 現実とはどのように異なりましたか。

(谷合議員)バングラデシュについては、「人が多いところ」という印象を 持っていました。インド、パキスタン、スリランカで活動をしていたことがあ るので(編集者注:谷合参議院議員は国際医療ボランティア団体AMDAの職員と してアフガニスタンやスリランカで人道支援活動に携わった経験がありま す)、南アジア特有の熱気や人の多さについてイメージはありました。

実際にダッカを見て、予想していたほど人や車で混み合っていないと思いまし た。ただ、自分は船着き場などオールドダッカを視察する時間が無かったから かもしれません。夜に国会議事堂とジアウル・ラーマンの墓を見学しました ら、ライトアップされていてとても奇麗でした。自分は写真が趣味なので、た くさん写真を撮りました。その途上で橋を渡りましたが、非常に立派な橋だっ たので記憶に残っています。

(質問)今後の日本・バングラデシュ関係を発展させていくために、お互い何
が必要でしょうか。

(谷合議員)バングラデシュには、良い政治(good governance)が必要で す。不毛な政治的対立を克服しなければなりません。現在の日バ関係は「バン グラデシュの片思い」とも言えると思います。かなりの数のバングラデシュ人 が日本語を喋れるのに対して、日本人はバングラデシュにあまり関心を持って いないのではないでしょうか。

人の往来についても、バングラデシュから日本へ行く人の数の方が圧倒的に多 いのが現状です。多くの日本人がバングラデシュに来ることが重要だと考えま す。開発分野の日本人の中にはバングラデシュに来たことのある方が多いと思 いますが、観光やその他の目的で日本人がバングラデシュに来ることはあまり 多くないように思います。

(質問)今後バングラデシュが経済的に発展するためには何が必要でしょう
か。

(谷合議員)こちらに来て、自分がバングラデシュの国会議員だったらどうす るかを考えました。簡単な話ではありません。バングラデシュが経済的に発展 するためには、基礎的インフラ、特に電気、道路、水道といった生活インフラ の整備が不可欠です。一方、バングラデシュには多くの労働力、語学に長けた 人的資源といったポテンシャルがあり、それらのいいところを活用することが 重要です。また、基礎的インフラの阻害要因を除去することが不可欠で、その ためにも良い政治が重要と考えます。

(質問)政治家を志されたきっかけは何ですか。ご自身のウェブサイト上では 「難民支援を通じ『人道支援』の必要性を感じたから」とありますが。

(谷合議員)政治家になる前も人道支援に充実して取り組んできました。支援 をして相手に喜んでもらうという経験を積んできました。しかし、援助依存と いった問題に直面し、もっと大局的な立場から難民や貧困そのものをなくして いく仕事をしたいと思ったのです。NGOという立場では目の前にいる人を支援 することはできますが、それ以上のことをするのは難しいと感じました。そこ で、政治家として人道支援に取り組みたいと思いました。

(質問)メルマガ読者へメッセージをお願いします。

(谷合議員)バングラデシュを訪問する日本の国会議員は少ないのではないか と思います。強固な日バ間の友好関係を築けるように、いろいろな人に会いた いと思います。また、自分の出身地である岡山県には繊維で栄えている倉敷と いう町があり、そこの中小企業はバングラデシュに高い関心を持っています。 岡山とバングラデシュとの友好関係を築いていきたいと考えています。


【4】青年海外協力隊リレー連載・第9回
「無視されてきた感染症“フィラリア”」
(15年度3次隊・感染症対策 江本真聰(えもとまさと))

配属先オフィスを訪ねた初日をよく覚えている。外国人、特に日本人が相当珍 しいらしく、一瞬のうちに輪ができる。「どこから来たんだ」「学位はどの程 度なんだ」「給料はいくらだ」「日本の主食は何だ」、次々に質問を浴びせら れる。こうした状況が毎日続くとさすがに疑ってくる。「ここのオフィスの人 たちは仕事をしているのか?」よく観察してみれば、何もせずオフィス内をブ ラブラしたり、世間話をしている人が目立つ。「フィラリア?」自分達がフィ ラリアの仕事をしていることすら十分に認識できていない。途方にくれた。

自分は15年度3次隊で感染症対策、特にフィラリア症対策に関してバングラデ シュに派遣されている。配属先は県の保健衛生業務全般を統括する県保健衛生 局事務所である。犬を飼った人ならお分かりであろうが、フィラリアは犬の肺 や血管に寄生し、死に至る有名な感染症である。しかし、人間のみに寄生する フィラリアがいることも忘れてはいけない。これは、特にリンパ管に寄生す る。人体内に寄生した大量のフィラリアは蚊によって媒介され、人から人へ 次々に伝播していく。フィラリア症はこのフィラリア原虫によって引き起こさ れる。時折の激しい痛み、熱を伴いながら数年、あるいは数十年の歳月を経て ゆっくりゆっくり足、手あるいは胸や陰嚢などがまるで象の皮膚のように膨れ 上がる。フィラリア症のこういった症状を象皮症といっているのも頷ける。こ うした熱、痛み、腫れは水虫などの2次感染によってエスカレートしていく。
フィラリア感染者は世界に約1億2千万人にのぼるといわれる。ここバングラ デシュでは300万人の感染が認められている。自分の配属県であるラルモニル ハット県の人口は120万人であり、その中でも約1万2千人にフィラリア症が確 認されている。フィラリア症の典型症状である腫れにも段階がある。末期とも なれば、その様態は見るも凄まじく、同情せざるを得ない。そういった患者の 中には、仕事につけず物乞いしかできない若者、夫から離婚された者、激しい 痛みと熱が1ヶ月も続く者・・・彼らの生活は語りつくせないほど悲しいもの である。日本では1982年の沖縄を最後にフィラリア撲滅に成功している。また 平安時代の絵巻物の中にも女性のフィラリア患者の絵が残されている。このよ うに、何百年も前から存在するフィラリア患者がなぜバングラデシュでここま で無視され続けていたのか不思議で仕方がない。ここでは一つの村にいけば軽 く20、30人の患者が集まってくる。

県保健衛生局オフィスに配属されたときオフィスの保健に関わっている人たち は、2002年からこの県で始まったフィラリア駆虫薬投与のプログラムを年一回 行っているためフィラリアに対する知識をわずかながらもっていた。このプロ グラムは5年間毎年フィラリア駆虫薬を全住民に投与して、フィラリア症を予 防するものである。しかし、肝心の治療法はどうなのか。ここに来てから、オ フィス、病院、フィールドワーカー、NGOを回りフィラリアの治療法について 質問したが、保健関係者ほぼ全員に知識がなかった。特に医者のフィラリア症 治療に対する知識の乏しさに驚いた。これだけ、目前に多くの患者を並べて、 正確な治療法をなぜ吸収していないのか。つまり、誰もがフィラリア症患者の 治療には目を向けていない。

患者が「フィラリアドクターがいる」という噂を聞きつけ、自分のもとへバス を使って1、2時間もかけてわざわざやってくる行為からもここのドクターの フィラリア治療に対する知識の不足を感じる。それは遺伝によって引き起こさ れる、またそれはアッラーの怒りだなどと不治の病であることが信じられてい る地域もある。方針は決まった。この2年間は一人でも多くの人にフィラリア とは何か、そしてその治療法までを教えていくことに専念しよう、と。WHOは フィラリアの治療法として患部の洗浄、エクササイズなどの理学療法を推薦し ている。フィラリア症の段階によってその効果は違うものの初期であればやれ ばやるほど効果があるし、中期、末期であればその進行を食い止めることがで きる。

郡病院、NGO、学校などの月例会議、また何か保健衛生プログラムがあり、多 くのワーカーが集まる際にはできる限り顔を出し、15分ほどフィラリアについ て話しをさせてもらう。また村で患者を直接診ることもある。しかしこうし た、特に治療法の啓蒙活動について難しい点がいくつかある。

1つ目は、患者の数が多すぎること。ある村に患者がいるとの情報をもとに、 その村で患者の治療を行っていると新しく患者がやってくる。その患者の話を 聞き終えるころには、患者が10人に膨れ上がっている。とても1人では対応で きる数ではない。

2つ目は、フィラリアの治療は毎日規則的に、年単位で続けないことには効果 は表れないこと。故に、忍耐強くすぐには見えない効果を信じて治療を続ける 患者は少ない。

3つ目は、ここの人たちが薬に慣れきってしまっていること。バングラデシュ の保健衛生部門では多くの国がドナーとして多額の援助を行い西洋の薬が多く 輸入されている。どんな村でも薬屋はあり、かなり多くの種類の薬が置いてあ る。解熱剤といえばパラセタモール、ここでの製品名であるナパという名前を 村にいっても結構多くの人が知っているのには驚かされる。つまり、ここの人 の認識として“病気=薬で治す”なのである。フィラリア症のような理学療法 は馴染みが薄く、効果をいまいち信じられない。

こうした理由から、「1ヶ月続けても効果が表れない」と泣き出す患者や憤慨 する患者を目のあたりにし、どうしようもない状況におろおろする状況は15ヶ 月経った今でも変わらない。

「初期症状の段階で治療をしておけば」と何回も思った。ガンのような目に見 えないものではないので、初期段階で治療を始めることは至極簡単なのであ る。どんなことでも初めは受け入れられない。特に、それが習慣に馴染まない ことであればなおさらである。それを習慣にしていくには、あらゆるNGO、政 府保健組織、教育機関の努力が必要である。自分はこの県にたった1人派遣さ れており、ベンガル語も現地人のように話すことはできない。だからこそ彼ら が村へ入りフィラリアについて語り、治療法を教え、それを繰り返すことによ り、フィラリア治療の習慣を作っていかなければならない。

自分は草の根でなく草の茎あたりに啓蒙活動を行いその茎が根っこに水分と養 分を運ぶ手助けをする、そういった活動をこれからも続けていきたい。あくま で草の根で活動するのは現地の人である。ワーカーレベルから村人レベルま で、フィラリアの治療といえばエクササイズに洗浄に・・とすぐに答えてくれ るようになればいいと思う。そして、バングラデシュでフィラリア撲滅宣言が 出されたら・・・考えただけで胸が熱くなる。自分のやっていることに迷いっ ぱなしで1年以上も経ったが、こういう風に思えるときこの活動もまんざら間 違ってもないのかと思う。

(青年海外協力隊)
http://www.jica.go.jp/activities/jocv/


【5】編集後記

12月に入りました。NHKを見ると日本はクリスマス真っ只中といった感じです が、バングラデシュではクリスマスツリーなどを見かけることはありません。 クリスマスツリーを見ると年の瀬を感じる日本人としては、ダッカにいると年 末を迎えつつあるという実感がわきません。気付かない間にまた一つ年を取っ てしまうのかとさびしい気持ちになりました。

(在バングラデシュ日本国大使館広報文化班 飴谷貴信)

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