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日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第42号・2005/9/22)
―日本とバングラデシュの橋渡しのために―
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□ 目次 □
【1】堀口大使メッセージ「ジア首相訪日のフォローアップ」
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
●保健セクター勉強会―必須医薬品(9月29日・ダッカ)
●教育セクター勉強会―理科実験(9月29日・ダッカ)
●小規模水資源ワークショップ(10月3日・ダッカ)
[これまで]
●第26回開発援助勉強会―ストリート・チルドレン(9月22日・ダッカ)
●ハンガー・フリー・ワールドへの小切手手交式(9月22日・ダッカ)
●第7回年次盆栽展(9月15〜18日・ダッカ)
●災害対策セミナー(9月13日・ダッカ)
●日本トレードフェア2005(9月8〜10日・ダッカ)
【3】青年海外協力隊リレー連載・第7回
「ダッカ大学現代言語研究所日本語科」
(16年度1次隊・日本語教師 志賀 龍)
【4】編集後記
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【1】堀口大使メッセージ「ジア首相訪日のフォローアップ」
9月8日から3日間、日本・バングラデシュ商工会議所主催の第2回ジャパン
・トレード・フェアが開催され、大きな成功を収めました。同フェアについて
は、本メルマガで追って詳しい報告があると思いますが、同フェアにあわせて
日本・バングラデシュ合同経済委員会の野島委員長が当地を訪問、ジア首相、
カーン外務大臣、ラーマン投資庁長官、フダ運輸大臣、ハシナ・アワミ連盟総
裁と会われ、それぞれ実りある会談が行われました。
とくに、ジア首相との会談では、まず、野島委員長から、去る7月のジア首相
訪日時に同首相参加のもとで行われた投資セミナーに出席した企業幹部が、バ
ングラデシュへの具体的投資を検討しているので、バングラデシュ政府の協力
を得たい旨の発言がありました。ジア首相はこのような進展を歓迎するととも
に全面的な協力を表明しました。
また、ジア首相から、具体的な国営企業の売却や医薬品などのバングラデシュ
産品の対日輸出について協力の要請があり、野島委員長から検討に必要となる
詳しい情報の提供を求めました。これに対し、ジア首相から、それでは関係省
庁の次官を野島委員長の宿舎に説明に伺わせたいとの話があり、後刻、3省の
次官など10名の役人が宿舎を訪れ、野島委員長に詳細な説明を行いました。
野島委員長による今回のフォローアップを、ジア首相も大変喜ばれている趣で
あり、具体的成果を目指した第二、第三の民間ミッションの訪バが期待されま
す。
また、政府レベルでもジャパン・トレード・フェアが閉幕したのとほぼ同時
に、外務省、財務省、経産省、総務省などからなる課長クラスを団長とする円
借款ミッションが訪バし、バングラデシュ政府と年次協議を行い、バングラデ
シュ経済の見通し、マクロ経済政策、さらに将来の円借款案件などにつき、
突っ込んだ意見交換を行いました。
この円借款年次協議も上記の野島委員長の訪バもジア首相訪日から2ヶ月もた
たないうちに開かれたことは、日本側がジア首相訪日の成功のモメンタムを活
かし、日・バ両国関係の更なる発展を図らんとする日本の官民双方のレベルに
おける対バ関係への熱意と誠意を示すものであり、このような努力を通して二
国間関係の更なる発展が期待されるところです。
(バックナンバー)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/mailMagazine/index.html
(小冊子「日本とバングラデシュの橋渡しのために」)
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/pdf/merumagabook.pdf
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
●保健セクター勉強会―必須医薬品(9月29日・ダッカ)
9月29日(木)、バングラデシュ保健セクターワーキンググループでは「必須
医薬品って何?どのように製造されているの?」をテーマに勉強会(工場見
学)を企画しております。
午前10時にJICA事務所を出発し、テジガオンにあるEssential Drugs Co. LTD.
を訪ね、会社訪問、工場見学を行います。
Essential Drugs Co.は国営の製薬会社で、日本政府は1983年度に無償資金援
助によりボゴラ工場の建設支援を行っています。バングラにおける必須医薬品
(風邪薬、鎮痛剤、胃腸薬、抗生剤、経口補水液など)の70%以上はこの会社
が製造しています。
勉強会は2時間程度を予定しています(移動を含めると3時間程度で終了)。簡
単な事前資料を参加予定者にお送りいたします。
参加希望者は9月19日(月)までにJICAまでご連絡ください。車輌の都合もあ
り、定員20名とさせていただきます。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/050929hflyer.html
お問い合わせはJICAバングラデシュ事務所まで。
電話:9132535、FAX:9128857
http://www.jica.go.jp/bangladesh/index.html
●教育セクター勉強会―理科実験(9月29日・ダッカ)
9月29日(木)午後5時半より、JICAバングラデシュ事務所会議室において
「教育現場に理科実験を取り入れるために」と題した勉強会が行われます。
バングラデシュの理科教育は、テストに合格するための暗記教育が中心であ
り、科学的思考力、考察力を養うための実験が不足しています。この問題に関
し、海外青年協力隊で理数科教師の平石隊員が、カウンターパートである郡リ
ソースセンター・インストラクターのマフジャ氏とともに、前隊員が作成した
理科実験集を郡内の全小学校に配布し、教員を対象としたトレーニングを実施
しました。その奮闘記、現場での悩み、今後の計画などをマフジャ氏とともに
報告します。当日は、日本語、ベンガル語、英語を取り混ぜながらの発表とな
ります。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/050929eflyer.html
お問い合わせはJICAバングラデシュ事務所まで。
電話:9132535、FAX:9128857
http://www.jica.go.jp/bangladesh/index.html
●小規模水資源セミナー(10月3日・ダッカ)
10月3日(月)午前10時より、地方農村開発技術局(LGED)とJICAの共催で
「大マイメンシン圏小規模水資源マスタープラン・セミナー」がLGEDボボンの
RDECビルで行われます。
LGEDのハッサン・チーフ・エンジニアが議長を務め、カシェム地方自治・農村
開発・協同組合省次官、新井JICA所長、イスラム監督エンジニア、堀口大使他
が出席する予定です。バングラデシュ工科大学のバリ教授がバングラデシュの
水資源や水資源管理等について基調講演を行います。
お問い合わせはJICAバングラデシュ事務所まで。
電話:9132535、FAX:9128857
http://www.jica.go.jp/bangladesh/index.html
[これまで]
●第26回開発援助勉強会―ストリート・チルドレン(9月22日・ダッカ)
9月22日、大使館にて「ダッカのストリート・チルドレン問題を考える―シャ
プラニールの経験から―」とのテーマで、第26回開発援助勉強会が開催されま
した。
ダッカには、路上等での生活を余儀なくされているストリート・チルドレンと
呼ばれる子どもが約33万人もいることをご存じでしょうか。彼らは様々な理由
で両親の元を離れ、十分な教育を受けずに劣悪な環境で物売りや屑拾いをしな
がら生活をしており、教育及び保健衛生等の問題を抱えています。
今回の勉強会では、シャプラニール当地事務所での2年間3ヶ月の勤務を終え
て今月末に帰国される中森あゆみ駐在員から、ダッカで現地のNGOと連携しつ
つ、青空学級、ストリート・チルドレン支援施設運営、啓蒙活動などの活動を
行っているシャプラニールでの経験を踏まえ、ストリート・チルドレンの問題
の背景、そこから見える「貧困」の原因としての構造的ジェンダー問題、そし
て問題解決に向けての方策についてお話し頂いた後、出席者の方々と活発な議
論を行いました。
席上資料は追ってバングラデシュ・モデルのウェブサイトに掲載予定です。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/index.html
●ハンガー・フリー・ワールドへの小切手手交式(9月22日・ダッカ)
9月22日、日本のNGOであるハンガー・フリー・ワールドによる有機農法セン
ターの開設資金に対する日本NGO支援無償資金協力53,648米ドルの小切手引渡
し式が大使館で行われました。同センターは持続可能な農業を推進する目的で
生物多様的環境保護農業を促進します。当館発プレスリリースが以下のサイト
に掲載される予定です。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/news/pr/pr_hfw220905.html
ハンガー・フリー・ワールドは、世界を空腹と貧困から解放することを究極目
標とする日本のNGOで、バングラデシュ、ウガンダ、ハイチ等に事務所があり
ます。ハンガー・フリー・ワールド・バングラデシュは上記センターによる事
業を日本の支援の下で実施しています。
http://www.hungerfree.net/
「日本NGO支援無償資金協力」は、「草の根無償資金協力」のうち日本のNGOを
対象とする部分と、日本のNGOが行う緊急人道支援活動を対象とした「NGO緊急
活動支援無償」を統合・拡充したものです。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kouhou/plaza/kp2004_01/chapter05.html
●第7回年次盆栽展(9月15〜18日・ダッカ)
9月15日から18日までの3日間、バングラデシュ盆栽協会主催「第7回年次盆
栽展」がWomen Voluntary Associationで行われ、同協会会員による100以上の
すばらしい作品が展示されました。
15日11時から行われた開会式で、堀口大使は盆栽が日バ友好の永遠のシンボル
であることを希望すると挨拶しました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_bbs150905.html
●災害対策セミナー(9月13日・ダッカ)
9月13日、「バングラデシュの包括的災害対策プラン」と題したセミナーが日
本留学生同窓会(JUAAB)とアジア太平洋総合農村開発センター(CIRDAP)と
の共催で行われました。
ユスフ食料・災害対策大臣が主賓として出席し、海田京都大学名誉教授他が講
演しました。また、国際連合地域開発センター(日本)で災害対策を専門とし
ていたJUAAB顧問のカーン博士が基調講演を行いました。堀口大使は、日バ両
国は地域規模、世界的規模の協力の枠組みをさらに強化する必要があると挨拶
しました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_disaster130905.html
(JUAAB)
http://www.juaab.org
●日本トレードフェア2005(9月8〜10日・ダッカ)
9月8日から10日の3日間、ダッカ・シェラトン・ホテルで、日本・バングラ
デシュ商工会議所(JBCCI)主催、日本貿易振興会(JETRO)及び大使館後援に
よる「日本トレードフェア」が開催されました。開会式では、カーン外務大臣
を始め、ラーマン投資庁長官、野島日バ経済合同委員会委員長他が出席し、堀
口大使は、今回のトレードフェアが個人レベル、集団レベルで両国の経済界の
結びつきがより強固になる助けとなることを希望すると挨拶しました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_tradefair080905.html
今回のトレードフェアには40の企業・団体が出展し、3日間で1万2千人以上
が訪れ、契約等を含めた総売上は1億7千万タカに達しました。詳細な結果に
ついては、以下のJETROウェブサイトをご覧ください。
http://www.jetro.go.jp/bangladesh/eng/pdf/summaryJTF2005.pdf
また、8日にはJBCCIとダッカ商工会による「日バ・ビジネスフォーラム」が
開かれ、日本のODA、対バ投資、バングラデシュのビジネス環境、日バ貿易の
成功例紹介等が行われました。
http://www.jetro.go.jp/bangladesh/eng/link_files/past_events.html
さらに、9日には、大使館による生花・盆栽コンテスト、柔道・剣道・空手デ
モンストレーション、日本留学セミナーが行われました。生花・盆栽コンテス
トの表彰式には、フダ運輸大臣、野島日バ経済合同委員会委員長、ラーマン
JBCCI会頭が出席し、宇喜多公使は、お互いの文化・歴史・伝統を知れば知る
ほど、相互理解及び平和と発展への協力が促進されるだろうと挨拶しました。
http://www.jetro.go.jp/bangladesh/eng/doc/SHOO-KOO-KAI-Suggestions.doc
なお、大使館は今回、日本留学に興味がある方への説明会の他、日本の政治・
経済・文化を紹介するブースを出展し、3日間で4千人以上が訪れました。ま
た、大使館、JICA、JBIC、JETRO共同で日本のODAを紹介するブースを出展し、
こちらも大盛況でした。
(JETROダッカ事務所)
http://www.jetro.go.jp/bangladesh/
【3】青年海外協力隊リレー連載・第7回
「ダッカ大学現代言語研究所日本語科」
(16年度1次隊・日本語教師 志賀 龍)
わたしは、ダッカ大学の現代言語研究所(Institute of Modern
Languages)、通称IMLで日本語教師として活動をしています。IMLにはベンガ
ル語、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、ア
ラビア語、ペルシャ語、トルコ語、中国語、韓国語、日本語の13の言語のクラ
スがあります。入学希望者数が一番多いのは、英語科で約1200人、2番目がフ
ランス語科で約600人、3番目が日本語科で300人となっていますが、実際の学
生数は英語科についで日本語科が2番目で、約250名の学生が在籍していま
す。
日本語科に多くの学生を受け入れられる理由は、レベル別に、ジュニア、シニ
ア、ディプロマ、ハイディプロマという4つのコースがあることと、2002年に
在バングラデシュ大使館から草の根無償援助で提供して頂いた広いLL教室が
あること、そして教師の人数がそろっていることです。
IMLはダッカ大学の付属の言語研究所ですが、英語科以外は学外からも広く学
生を受け入れているので、さまざまな背景を持った学生がいておもしろいで
す。興味があれば、みなさんもIMLでベンガル語を習うことができますよ。学
費は、確か一年間で10,000タカだったと思います。できないわたしが言うのも
なんですが、ベンガル語と日本語の文法は大体同じですから、すぐに上達する
かもしれませんよ。
さて、日本語科の学生のほとんどは、大学や大学院、またカレッジの学生で
す。学生の中にはお仕事をなさっている方もいらして、仕事が終わってから日
本語を学びに来る大変さを思うと、「わたしももっと頑張らなくては!」と思
います。
学生たちの日本語学習の動機は、「奨学金をもらって日本へ留学したい」、
「日本が好きだから」、「日本語を勉強してみたい」といったところが主なも
のだろうと思います。実際は、奨学金どころか日本へも行けない学生が圧倒的
に多いのですが、それでも「日本語の勉強は、おもしろいです」「日本語の勉
強が好きです」と言って4年間日本語を学び続けてくれる学生もいて、彼らに
はただただ頭を下げることしかできません。「わたしたちは、なぜバングラデ
シュで日本語を教えているのか」、そして「何を学生たちにしてあげられるの
か」を、我々教師はしっかり考えなくてはいけないと思っています。
そんな中で、日本語を話せるみなさんにお願いがあります。時間がある時に
は、IMLに来ていただいて学生たちと話をしてはいただけないでしょうか。ひ
らがなや漢字の練習は一人でできます。教科書を読むことも、テープやCDを聞
いて発音の練習をすることも一人でできます。しかし、会話だけは一人ではで
きないのです。そして、現実に交わされる会話は教科書のものとは異なりま
す。日本語話者とふれあう機会が少ないバングラデシュでは、どうしても会話
の練習が少なくならざるを得ません。この問題に、どう取り組んだらいいか、
わたしたちの大きな悩みです。
ちょっと授業をのぞきに行くという、気軽な気持ちでいらしてください。学生
たちの勉強の成果、そして知的好奇心を満たすお手伝いをしていただけたら幸
いです。ぜひぜひ、いらしてみてください。
(青年海外協力隊)
http://www.jica.go.jp/activities/jocv/
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【4】編集後記
トレードフェアでは多くの方々にご協力をいただきました。柔道・剣道・空手
デモンストレーションや生花・盆栽の審査を引き受けてくださった在留邦人の
皆様に心から感謝申し上げます。また、最高の機会を与えてくださったJBCCI
の皆様にも深くお礼申し上げます。大使館は今後もさまざまなイベントを通じ
てより多くのバングラデシュ人に日本文化のすばらしさを伝えて行きたいと考
えておりますので、引き続きご指導ご鞭撻ならびにご協力のほどよろしくお願
い申し上げます。
(在バングラデシュ日本国大使館広報文化班 飴谷貴信)
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