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日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第30号・2005/4/7)
―日本とバングラデシュの橋渡しのために―
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□ 目次 □
【1】堀口大使メッセージ「ハルタル考(その2)」
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
●「バ」政府・JICA共催フィラリア・セミナー(4月11日・ダッカ)
●フィラリア対策勉強会(4月11日・ダッカ)
[これまで]
●堀口大使のダッカ証券取引所訪問(4月7日・ダッカ)
●バングラデシュ政治情勢講演会(4月5日・ダッカ)
●日本バングラデシュ商工会議所(JBCCI)年次総会(3月31日・ダッカ)
●チッタゴン丘陵地帯草の根・人間の安保無償供与式(3月31日・ダッカ)
●オイスカ草の根・人間の安保無償供与式(3月31日・ダッカ)
●AMDA草の根・人間の安保無償供与式(3月30日・ダッカ)
●日本映画祭(3月29〜31日・ダッカ)
●LAMB病院草の根・人間の安保無償供与式(3月29日・ダッカ)
●マイメンシン日本留学フェア(3月29日・マイメンシン)
●VARD草の根・人間の安保無償供与式(3月28日・ダッカ)
●バングラデシュと日本の凧展(3月28〜29日・ダッカ)
●独立記念日第1回ジュニア柔道選手権(3月25日・ダッカ)
【3】特別寄稿「読む習慣」(UNESCOダッカ事務所 宮沢一朗)
【4】バングラデシュ案内・第23回「エクマットラ一周年記念発表会」
【1】堀口大使メッセージ「ハルタル考(その2)」
UNDP報告「ハルタルを超えて−バングラデシュにおける民主的対話に向けて」
について前回に引き続きご紹介します。
ハルタルの国民経済にもたらす損害について、同報告はGDPの3〜4%になる
との試算をあげています。セクター別に見ると、運輸部門ではバス、オートリ
キシャなどの関係者は大幅な所得減になります。リキシャ引きだけは他の輸送
手段がなくなる分、客が増えて名目的収入は増えるものの、ハルタルで流通が
止まり生活必需品の物価が上がるので、やはり反対しています。
輸出の76%を占める縫製品産業は、ハルタルによる生産の損害は何とかなって
も、「バ」産業への信頼性の喪失、政治的不安定が投資や輸出に与える損失
は、取り返しがつかないとしています。
農村では、農民や漁師でも比較的裕福な者たちは一日二日働かなくても食べて
いけるのに対し、貧しいものは借金をして食いつながねばならず、一度借金す
るとなかなか返済できない人たちも少なくありません。
また、教育への影響も深刻なものがあり、ハルタルになると公立学校は休校と
なり、別の日に補講を行っても、どうしても全ての遅れは取り戻せず、その結
果多くの若者が学校で学ぶべきことを学べないだけでなく、卒業が遅れ、人生
設計を狂わされています。
次に、問題はハルタルをいかに規制するかについてです。ハルタルにおける言
論・集会の自由は無制限の権利ではなく、他人の財産権、行動権、労働権の尊
重は当然です。他方、言論・集会の行使には法律による制限を設けるべきです
が、現在のきわめて対立的な政治状況を見ると、これらの権利について法律で
規制することは困難であり望ましくないので、与野党の協議を通じてコンセン
サスを得るべきであるとしています。
さらに、民主主義を機能させるべくハルタルの悪習をやめるための提案とし
て、一つは、憲法を改正して選挙制度を比例代表制にすること、二つは、野党
の発言力を強めるような国会の強化、三つは、政府の透明化と説明責任の強
化、四つは、一握りの幹部がすべてを決定する政党内部の改革、五つは、ハル
タルで他人の器物を損壊したら主催者の政党に賠償させるとの法的措置が挙げ
られています。
そしてまた、ハルタルに代わる手段として「人間の鎖」「署名運動」「大集
会」などを挙げています。
以上がUNDP報告の紹介ですが、率直な疑問は、「現在のきわめて対立的な政治 状況から」与野党が果たしてハルタルの規制に関する行動綱領について合意で
きるのだろうかという点です。むしろ、BNPでもアワミ連盟でも政権にある方
が、まず他人の財産権、労働権の侵害を法律で禁止し、次の選挙で野党となっ
てもこれに従うというプロセスの方が、一日も早くハルタルを規制する上で効
果的に思えます。機会を捉えて問題提起してみたいと思っています。
(UNDP報告)
http://www.un-bd.org/undp/publications/Beyond%20Hartals.pdf
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
●「バ」政府・JICA共催フィラリア・セミナー(4月11日・ダッカ)
4月11日(月)午前10時より、バングラデシュ政府と国際協力機構(JICA)の 共催で、「バングラデシュにおけるフィラリア撲滅への挑戦」と題したセミ ナーがシェラトンホテルのボールルームで開催されます。
カマル保健・家族福祉省次官、スンコボル世界保健機構当地代表、堀口大使他 が出席する予定です。
●フィラリア対策勉強会(4月11日・ダッカ)
4月11日(月)午後5時より、大使館3階会議室において、JICA短期専門家 「感染症対策アドバイザー」の足立基先生を招いて、フィラリアに対する今後 の日本の協力アプローチに関する勉強会が開催されます。
本勉強会では、同日午前中にシェラトンホテルで行われるバングラデシュ政府 ・JICA共催のフィラリア・セミナーの結果を踏まえ、バングラデシュ側及び他 ドナーの反応についても報告予定です。
出席を希望される方はJICA小林職員(Kobayashi.Miyako@jica.go.jp)までご 連絡下さい。
[これまで]
●堀口大使のダッカ証券取引所訪問(4月7日・ダッカ)
4月7日(木)、堀口大使は、ダッカ証券取引所を視察するとともに、バング ラデシュの資本市場整備に向けての取り組みについて同証券取引所役員と意見 交換を行いました。
堀口大使は他の東南アジア諸国と同様、バングラデシュの経済発展にとって資 本市場整備が重要であることを強調しました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_dse050407.html
●バングラデシュ政治情勢講演会(4月5日・ダッカ)
4月5日(火)、当館にて、当館政務班長の藤田日出男参事官による講演会 「バングラデシュの政治情勢〜次期総選挙に向けて」を開催し、約30名の出席 のもと活発な議論が行われました。
なお、以下のウェブサイトに同参事官を中心に当館が本年3月に作成した資料 「バングラデシュの概要と最近の政治情勢」を掲載しました。同資料はバング ラデシュの基礎指標、略史、政治・行政・司法制度、主要政党、1991年以降の
総選挙、最近の内政・外交を取りまとめたものです。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/pdf/jousei050315.pdf
●日本バングラデシュ商工会議所(JBCCI)年次総会(3月31日・ダッカ)
日本バングラデシュ商工会議所(JBCCI)の第1回年次総会・夕食会が3月31日 (木)にショナルガオンホテルにて開催され、同商工会議所の昨年発足以来の 活動報告や今年の活動予定等について話し合われました。夕食会には、チョー ドリー商業大臣、ミントゥ・バングラデシュ商工会議所連盟(FBCCI)会頭、 堀口大使他が出席しました。
夕食会の席上、大使は次のスピーチを行いました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_jbcci050331.html
JBCCIの詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。
http://www.jetro.go.jp/bangladesh/eng/jbcci/index.html
●チッタゴン丘陵地帯草の根・人間の安保無償供与式(3月31日・ダッカ)
3月31日(木)、堀口大使はジョーゲン・リスナーUNDP当地代表とともに、 チッタゴン丘陵地帯における多目的コミュニティーセンター建設計画のため に、88,703ドル(約960万円)の無償資金協力の契約書に署名しました。
詳細は以下のプレスリリースをご覧ください。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/assistance/pdf/undp310305.pdf
●オイスカ草の根・人間の安保無償資金協力供与式(3月31日・ダッカ)
3月31日(木)、堀口大使は宮島オイスカ当地代表とともに、家禽管理技術改 良・普及計画のために、83,000ドル(約898万円)の無償資金協力の契約書に 署名いたしました。
詳細は以下のプレスリリースをご覧ください。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/assistance/pdf/oisca310305.pdf
●AMDA草の根・人間の安保無償資金協力供与式(3月30日・ダッカ)
3月30日(水)、堀口大使はナイーム・アジア医師連絡協議会(AMDA)当地代 表とともに、職業訓練センター増築計画のために、40,945ドル(約443万円) の無償資金協力の契約書に署名しました。
詳細は以下のプレスリリースをご覧ください。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/assistance/pdf/amda300305.pdf
●日本映画祭(3月29〜31日・ダッカ)
ダッカ大学現代語学研究所(IML)講堂にて「日本映画祭」が大使館主催で開 催されました。
開会式で堀口大使は以下のスピーチを行いました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_film050329.html
映画祭期間中、6本の映画が上映されました。戦争の悲惨さを訴える「火垂る の墓」、「千羽づる」、「小象物語」、現代の日本人の価値観や、家族のあり 方、現代日本の文化の一端をユーモアを交えて分かりやすく紹介する「シコふ んじゃった」、「のど自慢」、人間性を高く持つことの重要性を訴える侍映画 「雨あがる」の6本を上映し、会場に入りきらない人々がドアの外から眺める ほどの大盛況でした。
●LAMB病院草の根・人間の安全保障無償資金協力供与式(3月29日・ダッカ)
3月29日(火)、堀口大使はピエトロニ・ワールド・ミッション・プレイヤー ・リーグ(LAMB)代表とともに、パルボティプール人材開発センター改善計画 のために、90,638ドル(約981万円)の無償資金協力の契約書に署名しまし た。
詳細は以下のプレスリリースをご覧ください。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/assistance/pdf/lamb300305.pdf
●マイメンシン日本留学フェア(3月29日・マイメンシン)
3月29日(火)、マイメンシン市にあるバングラデシュ農業大学(BAU)講堂 にて、学生、教職員、日本語学習者等広く一般を対象に、文部科学省奨学金等 による日本への留学に関する説明会を実施しました。
アミルル・イスラムBAU学長及びバングラデシュ日本留学同窓生協会(JUAAB) 関係者も参加し、あわせて日本映画「小象物語」と「雨あがる」とが上映され ました。
●VARD草の根・人間の安全保障無償資金協力供与式(3月28日・ダッカ)
3月28日(月)、堀口大使はカマル・農村開発ボランティア協会(VARD)代表 とともに、シュナムガンジ眼科病院兼保健センター拡張計画のために、74,402 ドル(約805万円)の無償資金協力の契約書に署名いたしました。
詳細は以下のプレスリリースをご覧ください。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/assistance/pdf/vard280305.pdf
●バングラデシュと日本の凧展(3月28〜29日・ダッカ)
3月28日(月)、29日(火)の両日、国立博物館ノベラ・ホールにて、ダッカ バシ主催・大使館協賛で、バングラデシュと日本の凧・伝統手工芸品の展示会 開会式が開催されました。
28日の開会式にはチョードリー民営化委員長他が参加し、堀口大使は以下のス ピーチを行いました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_kite050328.html
●独立記念日第1回ジュニア柔道選手権(3月25日・ダッカ)
3月24日(木)、25日(金)の両日、ダッカスタジアムのNational Sports
Councilで「Dandy Dyeing Independence Day & 1st National Junior Judo
Championship 2005」がバングラデシュ柔道連盟の主催で開催されました。
25日の表彰式では講道館段位の授与も行われ、堀口大使は以下のスピーチを行 いました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sp_judo050325.html
【3】特別寄稿「読む習慣」
(UNESCOダッカ事務所 宮沢一朗)
日本の街にたくさんあってバングラデシュの街にあまりないお店はなんですか ?自分は帰国する度にそのお店に何時間も入り浸ってしまいます。きっとこれ を売る店に半分飢えているのだと思います。スターバックスではなく、ユニク ロでもなく、吉野家でも回転すし屋でもありません。これらのお店が自分に とって大変重要であることは疑いの余地もありませんが、それ以上に心と頭が
欲しているのは本や雑誌です。海外在住していて、あまり新しくない雑誌でさ え、広告の1字1句まで読み通すようなご経験はありませんか?
ダッカの一部の人や外国人のための本屋をグルシャン近辺でみかけることが あっても、一般のバングラデシュの人のための本や雑誌を売る店がほとんどな いのは残念なことです。ダッカは忙しい街ですが、何かを読んでいる人を見る ことはかなり稀です。そもそも、バングラデシュにて読み書きができる人の割 合(識字率15歳以上)は43%位と考えられています。この数字はアジアの国、 またアフリカの国々と比べても低い数字です。
バングラデシュは独立以前よりこの識字教育に力を注いでいますがなかなか困 難を極めています。特に成人への識字教育では訓練後に6割から9割の人が習 得した読み書きを忘れるという調査結果もあります。その理由は、読み書きが できるようになってもそれを使う機会がほとんどないからです。郡や村には道 や住所の表示板や広告や連絡掲示等もなく、新聞があったとしても読み書きを 覚えたばかりの人がそれを読むにはかなりの根気と努力が必要になります。
読み書きができるようになった時、その人の興味をそそるような読み物、たと えば恋愛物、冒険もの、お買い物もの、ファッションもの、機知やユーモアに 富んだもの、お涙頂戴もの、お金を賢く儲ける話等があれば、楽しみながら読 み書き能力が定着し発展していくと思います。しかしながら、多くの訓練で 「貧困層の人たちのニーズを調査して本やコースを作りました」と与えられる 本は、借金の有効利用法、会計、養鶏、魚の養殖、ローソク製造、エイズとド ラッグ、衛生、トイレの作り方、環境、男女問題(ジェンダー)、少女結婚問 題。目の前にある必要性として納得しつつも、よほどのオタクやマニアでない 限りローソクの本を楽しみ、繰り返して読むとは思えません。お腹を満たすた め仕方ないと理解しつつ、これでは読み書き能力が定着し、生涯で活字から学 び、情報を得ていく土台を築くのは難しいと感じてしまいます。
先日、バングラデシュの作家約20人に集まってもらいこの課題に関して話し 合ってもらいました。キーワードは「読む習慣」。読み書きを覚えたての人だ けではない、基本的にバングラデシュには読む習慣がないと発言されました。 人口1億4千万に対し1年で約1300の本のみが発刊されるそうで、もし2万部 も売れればベストセラーとのこと。著名な作家が「この前書いた本を1200冊印 刷したけど、残りまくっている」と嘆いていました。「読む習慣」が高まるた めには、本の内容の質や量が高まっていくことはもっとも重要なところ考えま す。
バングラデシュには国内と国外にて成功している人がとても多いです。そう いった成功者の経験や考え方、スキルをまとめた本や、日本でよく売れるトヨ タ式の本、松下幸之助経営の本のようなBRAC式、グラミン式の本、世界で売れ ている翻訳本等、個人的にはとても面白いのではないかと思います。読む習慣 が高まり、積み上げられた知識・経験がもっと共有されることは、積極性にと ても長けていて頭もいい人が多いバングラデシュで、個人の生活向上と国の発 展に大きく貢献していくと感じてなりません。
UNESCO?あの文化遺産のところでしょ?ユネスコ村でしょ?そのとおりです。 組織の主な目的は「教育、科学、文化を通して平和な世界を築こう」というも のです。教育開発に関しては老舗です。世銀やUNICEF他のドナーの脅威に晒さ れながら、頑固に教育の万屋をパリ中心に営んでいるところです。現在の UNESCO事務局長(最高責任者)は2003年末にバングラデシュを訪問された松浦 晃一郎氏です。
UNESCOダッカ事務所は教育と文化分野にて主に事業を展開しています。教育で は幼児から初等、中等、職業訓練、識字・生涯教育において、国家政策や方針 に資する調査や小規模な試験的なプロジェクトを行っています。また、教育に 携わる人材の育成も主な事業のひとつです。上述した読む習慣を高める本の作 成や、力車を引く人に対する職転換を目的とした職業訓練は始まりつつある試 験的プロジェクトのひとつです。
文化事業においては有形・無形遺産の保護、例えば世界遺産に指定されている パハプール保護やテラコッタ保護ための方針策定や人材育成、文化遺産の写真 集の出版、民族舞踊の促進等を行っています。
【4】バングラデシュ案内・第23回「エクマットラ一周年記念発表会」
先日、エクマットラというNGOが主催する「エクマットラ一周年記念発表会」 に出席する機会がありました。
エクマットラとは、日本人留学生渡辺大樹さんと、彼が留学しているダッカ大 学の仲間とで立ち上げた組織で、路上生活娼婦を母に持つストリートチルドレ ンの支援活動を行っています。現在ミルプールで更生センターを、グリスタ ン地域で青空教室を運営しており、「ストリートチルドレンたちが、生まれた 環境にとらわれず、まっとうに生きるための支援」を行っています。
今回の発表会は、ミルプール更生センター‘子供たちの家'の1周年を記念し て、ダッカ大学のTSC講堂で行われました。ほぼ満員でしたので300人以上のお 客さんが来場していたと思います。
会が始まると、実年齢はわかりませんが、見たところ小学校低学年から中学生 まであわせて10名ほどが、一人ずつステージに立って自己紹介をしていきまし た。小さい子供のうち何人かは、自分が言うべきことを忘れてしまい、動作が 数秒とまってしまいましたが、客席から声援をうけながら、みんなそれぞれに しっかりと話していました。
その後、一人から数人のグループに分かれながら歌や詩の朗読などが披露され
ました。低学年の子供たちは誰もが知っているベンガルの歌を歌っていたの
で、客席からもいっしょに歌う歌声が聞こえてきました。時々歌詞を忘れてし
まう子供がいましたが、会場のお客さんに助けられたりしてほほえましい光景
でした。高学年は自作と思われる詩を朗読していました。長い詩でしたが何も
見ないで(空を見つめてはいましたが)暗誦していてかなり練習してきたこと
をうかがわせました。
さらに、子供達によるファッションショーも行われました。エクマットラ自作 のTシャツを着てモデル歩きをするのですが、タイミングがわからず最年長と 思しき女の子から頭をたたかれながら小さい子供達が動いていて、また客席の 笑いを誘っていました。
最後は大学生らによる歌とマジックショーで終わったのですが、これは子供達 が、自分達が一番だと天狗にならないように、もっと上手な人がいるというこ とを見せるためだったそうです。
子供達は最初はおそらく何を言っても言うことを聞かなかったり何事にも意欲 を見せなかったりと社会的な活動が一切出来なかったはずです。それがこのよ うに発表会を出来るほどに成長し、歌を歌ったり詩を朗読したりと文化的な活 動まで行えるようになったのは、エクマットラのこれまでの努力の賜物だと思 います。特に日本人留学生の渡辺さんは、ベンガル人の中に単身飛び込んで、 周りの人々を説得しながら会を成長させるのは大変なことだったと思います。
交差点などで見かける子供達はうつろな目をして「マネーマネー」と繰り返し ては車の窓をたたいていますが、彼らに対し少しでも教育を施せばこのように 生き生きと歌ったり踊ったりするようになるのだなと実感しました。また、 もっとも印象に残ったことの一つは、ある子供が自己紹介の中で将来の夢につ いて、ストリートチルドレンを支援する活動がしたいと述べたことです。今後 もこのような活動が続いていくことを期待しています。
(エクマットラ)
http://www.ekmattra.org/
(在バングラデシュ日本大使館広報文化班・飴谷貴信)
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発行:在バングラデシュ日本国大使館
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