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日本語の最新号及びバックナンバー


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    日本・バングラデシュ交流メールマガジン(第25号・2005/1/27)
        ?日本とバングラデシュの橋渡しのために?
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□ 目次 □

【1】堀口大使メッセージ「農水副大臣のバングラデシュ訪問」

【2】最近の日本・バングラデシュ関係

[これから]

●保健勉強会「フィラリア対策」(1月30日・ダッカ)
●開発援助勉強会「貧困削減文書(PRSP)案」(1月31日・ダッカ)
●ポスターに見る日本展(1月18?31日・ダッカ)
●国際教育協力日本フォーラム(2月8日・東京)
●JUAAB主催ベンガル語スピーチ・歌謡コンテスト(2月19日・ダッカ)
●Discover Japan展(2月24日・ダッカ)
●空手ジャパンカップ(2月25日・ダッカ)
●盆栽専門家のバングラデシュ訪問(2月26日?3月2日・ダッカ)
●日本語スピーチコンテスト(3月19日・ダッカ)

[これまで]

●国連防災世界会議(1月18?22日・神戸)
●留学生支援無償資金協力のための専門面接(1月17?20日・ダッカ)
●常田農水副大臣の訪問(1月13?15日・ダッカ)
●ユニセフを通じた初等教育向上事業への無償資金協力(1月13日・ダッカ)

[おしらせ]

●タンガイルにおけるニパウィルス感染症の流行

【3】特別寄稿「バングラデシュを通して学ぶ『マイプロジェクト』」

(ダッカ日本人学校教諭 中山晴義)

【4】バングラデシュ案内・第18回「犠牲祭(コルバニ・イード)」


【1】堀口大使メッセージ「農水副大臣のバングラデシュ訪問」

1月13日から15日まで、常田農水副大臣がインドからの帰途、バングラデシュ を訪問されました。同副大臣は、アンワル農業大臣及びチョードリー商業大臣と、 WTOにおける農業問題及び二国間の農業協力問題について有意義な会談を行われ ました。

常田副大臣の当地訪問は、2000年の森総理大臣(当時)以来初めての現職閣僚 クラスによる訪問であったことから、バングラデシュ政府も大いに歓迎しまし たが、今後ともますます多くの政治家が当地を訪問され、当国政治家との間で 一層の意思疎通を図ることができれば、二国間の友好関係の一層の増進に資す ることになるものと期待されます。

また、常田副大臣一行は日本のODAによるジャムナ橋及びタンガイルの農業関 連プロジェクトを視察され、これらのプロジェクトがバングラデシュ国民から 高い評価を得ていることをご覧になりましたが、さらに帰国後、国会の農水関 係の貿易調査会において自民党議員に対し、インド及びバングラデシュにおい てODAが有効活用されている様子を見てきた旨の出張報告を行われました。

ODAに対する日本のプレスによる報道は、往々にしてマイナス面のみに焦点が 当てられがちであるだけに、国会議員自らによる現地視察を踏まえた積極的評 価は、ODAに対する政治家及び国民のバランスの取れた評価をもたらす上で大 変有効であり、この意味でも今後さらに多くの国会議員が現地視察に来て頂き たいものです。

常田副大臣の当地滞在中、日本商工会役員と懇談の機会があり、当地で企業活 動を行う上での様々な苦労話を副大臣に聞いてもらうことができました。また、 副大臣に同行していた農水省のWTO担当室長から、WTO交渉においてバングラデシュは 開発途上国のリーダーとして重要な役割を果たしていること、さらに、日本・バン グラデシュ両国は稲作中心の農業という共通点を持っており、また、バングラデシュ の基本的な親日的立場から、困難な日本農業の立場につ いて、バングラデシュからしばしば重要な支持発言を得ていることなどの紹介 がありました。

日本とバングラデシュの協力関係強化の一つの理由として、マルチ外交の場に おける開発途上国のリーダーたるバングラデシュとの協力が挙げられていますが、 具体的な協力ぶりについて今回、WTO交渉の直接の担当者から話が聞けたことは幸い でした。

常田副大臣のご訪問は短いものでしたが、以上の通り大変意義深いものでし た。日・バ友好議員連盟の桜井新会長にはほぼ毎年当地に来て頂いています が、今後ともさらに多くの国会議員にバングラデシュに立ち寄って頂くよう、 機会を捉えて働きかけていきたいと考えています。


【2】最近の日本・バングラデシュ関係

[これから]

●保健勉強会「フィラリア対策」(1月30日・ダッカ)

1月30日(日)午後4時から大使館にて、「バングラデシュにおけるフィラリ ア対策」をテーマとして、保健勉強会が開催されます。当日は保健家族福祉省 フィラリア担当のモアゼム氏が当国のフィラリア事情に関して、幸田JICAシニア 隊員がJOCV隊員の活動等に関して発表を行います。ご興味のある方はどなたでも参加 大歓迎ですので、お誘い合わせの上奮ってご参加下さい。出席を希望される方は、 1月28日までにJICA企画調査員・吉村までご連絡頂けますようお願い致します。
jicabd20@accesstel.net

●開発援助勉強会「貧困削減文書(PRSP)案」(1月31日・ダッカ)

1月31日(月)午後5時から大使館にて、「我が国の対バングラデシュ支援の あり方を考える?貧困削減戦略文書(PRSP)案を中心に?」をテーマとして、 第24回開発援助勉強会が開催されます。当日は萩原JICA企画調査員より発表頂き、 引き続き出席者間で意見交換を行う予定です。今後の日本の対バングラデシュ支援 戦略を議論する機会ですので、皆様お誘いの上お気軽にご参加下さい。出席を希望 される方は、日本大使館加山までご連絡頂けますようお願い致します。
kayama@embjp.accesstel.net

開発援助勉強会のこれまでの資料等はウェブサイトに掲載されています。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/index.html

●ポスターに見る日本展(1月18?31日・ダッカ)

1月31日(月)まで国立博物館1階小ホールにて、現代日本のグラフィックデザイナー のポスター作品75点を通して、現代日本の姿を映し出す展覧会 「Discover Japan through Contemporary Posters」が開催されています。皆様お誘い 合わせの上ご来場下さい。詳細はプレスリリースをご覧下さい。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/culture/cEvents.html

18日の開会式にはカジ・アブル・カシェム文化省次官、日本の筑波大学を卒業 したマハムドゥル・ホック国立博物館館長、宇喜多公使他が出席し、宇喜多公使は 以下のスピーチを行いました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/culture/pdf/spposter2005.pdf

□国立博物館□
開館時間:午前10時?午後5時
休館日:木曜日
住所:Bangladesh National Museum, Shahbagh, Dhaka-1000
電話:02-861-9396?99

●国際教育協力日本フォーラム(2月8日・東京)

2月8日(火)午前10時から、東京・学術総合センター(一橋記念講堂)に て、文部科学省・外務省他の主催で「第2回国際教育協力日本フォーラム―自 立的教育開発に向けた国際協力―」が「女子教育の普及:発展途上国の視点」 を主要テーマとして開催されます。バングラデシュからは初等大衆教育省事務 次官補のマスダ・ベンテ・クアディール氏がパネリストとして参加されます。詳細は以下のプレスリリースをご覧下さい。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/17/rls_0125c.html

参加希望者は1月31日(月)迄に電子メールまたはFAXで、名前、所属、連絡先 (住所、電話・FAXまたはEmailアドレス)を明記の上お申し込み下さい。

japaneducationforum@yahoo.co.jp
FAX番号:082-424-6913
□問い合わせ先□
JEFII事務局・広島県東広島市鏡山1丁目5?1広島大学教育開発国際協力研究
センター内、電話:082-424-6959・FAX:082-424-6913

●JUAAB主催ベンガル語スピーチ・歌謡コンテスト(2月19日・ダッカ)

2月19日(土)、午後4時よりダッカ大学TSC講堂にて、21日の言語運動殉死 者追悼の日及び世界母国語デーを記念して、バングラデシュ日本留学同窓生協 会(JUAAB)主催ベンガル語スピーチ・歌謡コンテストが開催されます。問い 合わせ又は参加を希望される方は、大使館進藤または河野(電話:881-0087内 線150/151)までご連絡頂ければ幸いです。 また、コンテスト終了後に、楽器演奏、舞踊などを披露して頂ける個人または グループも募集しておりますので、お誘い合わせのうえ是非ご参加下さい。当日の プログラム全体は衛星放送局Channel-Iでテレビ放映される予定です。

●Discover Japan展(2月24日・ダッカ)

2月24日(木)、ダッカ市中央図書館にて、ダッカ日本語教室及びバングラデ シュ日本青年友好協会、大使館の共催で「Discover Japan」と題する日本関連 の展示会を開催する予定です。詳細は追って連絡させて頂きます。

●空手ジャパンカップ(2月25日・ダッカ)

2月25日(金)、ミルプール・インドア・スタジアムにて、空手ジャパンカッ プが開催される予定です。詳細は追って連絡させて頂きます。

●盆栽専門家のバングラデシュ訪問(2月26日?3月2日・ダッカ)

2月26日(土)?3月2日(水)まで、(財)日本盆栽協会の中村享専門家が 日本文化・盆栽の普及活動のため、国際交流基金より派遣されます。専門家の 滞在中に、ダッカ市内セグンバギチャのシルポコラ・アカデミー内国立音楽・ 舞踊センターにて、盆栽ワークショップ、盆栽レクチャー・デモンストレー ション、バングラデシュ盆栽協会会員による盆栽展が開催される予定です。詳 細は追って連絡させて頂きます。

●日本語スピーチコンテスト(3月19日・ダッカ)

3月19日(土)午後3時から、ダッカ日本語教室及びダッカ大学現代語学研究所 日本語コースの共催により、日本語スピーチコンテストが開催されます。会場 その他詳細は追って連絡させて頂きます。

[これまで]

●国連防災世界会議(1月18?22日・神戸)

1月18日(火)?22日(土)まで、神戸にて国連防災世界会議が開催され、バングラ デシュからはユスフ食糧・災害対策大臣が出席しました。18日の開会式にて小泉総理 大臣は下記のスピーチを行いました。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/17/ekoi_0118.html
国連防災世界会議の開催の詳細については、ウェブサイトをご覧下さい。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/kikan/wcdr.html
http://www.unisdr.org/wcdr/

●留学生支援無償資金協力のための専門面接(1月17?20日・ダッカ)

1月17?20日まで、留学生支援無償資金協力枠でバングラデシュからの奨学生を受け 入れる日本の10大学の担当教授10名が、354名の全応募者から書類選考・英語能力試験 を経て専門面接に残った53名の面接を行いました。更なる選考、日本語予備教育を経て、 6月末には奨学生20名が渡日する予定です。留学生無償に着いては下記のウェブサイト をご覧下さい。

http://sv2.jice.org/02jigyou/01jinzai_2.htm

●常田農水副大臣の訪問(1月13?15日・ダッカ)

1月13?15日、常田農水副大臣が当地を訪問し、アンワル農業相、チョード リー商業相と、両国間及びWTOにおける農業問題等について意見交換を行いま した。また、常田副大臣は円借款案件のジャムナ多目的橋及びタンガイルにて 市場などの農村インフラを視察しました。詳細は冒頭大使メッセージをご覧下 さい。

●ユニセフを通じた初等教育向上事業への無償資金協力(1月13日・ダッカ)

1月13日、ギアシング・ユニセフ当地代表と堀口大使は、ユニセフがバングラデシュ の初等教育の質の向上を目的として行う第二次初等教育開発プログラム(PEDP-II) の支援のため、日本政府が総額2億4千3百万円の無償資金協力を行う交換公文に 署名しました。署名式にはアーメド初等教育省局長他バングラデシュ政府高官、 大使館、ユニセフ関係者が出席しました。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/17/rls_0113a.html
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/news/pr/pdf/UNICEF_PR_13_01_05.pdf

[おしらせ]

●タンガイルにおけるニパウィルス感染症の流行

タンガイル県では本年1月初旬よりニパウィルス感染症が流行しています。ニ パウィルス感染症は、数日の高熱・インフルエンザ症状に続いて脳炎症状を起 こす致死率の高い新興感染症であり、ウィルスに感染したコウモリ(Fruits Bat)の体液に汚染された果物から感染するものと推測されますが、人から人へ 飛沫感染した可能性が強く疑われる症例も存在し、26日現在でこれまで発症し た22名のうち11名が死亡しております。 タンガイル県に行かれるかたは、現在ニパウィルス感染症が発生している事を 心にとめ、棗椰子(デーツ)の樹液のジュース、コウモリの噛み跡が残るデー ツなどコウモリの体液に汚染された可能性のある食物の摂取は避けて下さい。


【3】特別寄稿「バングラデシュを通して学ぶ『マイプロジェクト』」

(ダッカ日本人学校教諭 中山晴義)
「ブーン…。」「チクッ!」

今年も蚊の多い季節になりました。蚊取り線香を焚いているのに、その煙の中 を元気(?)に蚊が飛んでいる場面は、みなさんもご覧になったことがあるの ではないでしょうか。

クラスの宮嶋海ちゃん、空ちゃんとそんなことを話していて、「蚊取り線香っ て本当に効いているのかな。調べてみようよ。」ということになったのは、2003年の5月、「マイプロジェクト」の授業でのことでした。

早速、バングラデシュの8製品と日本の4製品を買い集め、実験を始めまし た。「効果」を調べる方法は子どもたちと話し合って、次のようにしました。蚊を捕まえて透明な容器に入れる。そして、蚊取り線香を焚き、蚊が「下に落 ちるまでの時間」と「完全に動かなくなった時間」を計るというものです。

(教育的配慮として迷ったが、学習のためなので。)蚊を捕まえるところから その日の授業が始まるため、1時間の授業で調べられるのは、せいぜい2製品 ぐらい。蚊を捕まえ、蚊取り線香を焚いて時間を計る日々が続きました。

「燃焼時間」の実験では、1巻きの蚊取り線香に外側と内側の2ヶ所から火を つけ、燃え続ける時間を計りました。1度に12種類の製品を焚いたため、実験場所の 図工室は煙が充満し、1階のフロアまでにおいが漂ってきました。その他にも、長さ や重さも計測し、各製品を比較してみました。

また、住友商事・加藤栄一氏のご協力で、工場見学もしました。インターネッ トで調べた日本のメーカーの製造工程と同じで、機械化されていたのは、すば らしいと思いました。さらに、工場内には、品質調査や新製品開発のための研 究所も併設されていて、私自身非常に興味深く見学しました。子どもたちも、 工場の方にインタビューすることで、様々な疑問を解決できました。

これらの活動を通して、効果や燃焼時間において、日本の物とあまり違いが見 られない製品がある一方で、いくつかのバングラの製品は明らかに効果が低い ということが分かりました。

これは、製造過程で入れる薬品の量に秘密があるのです。殺虫成分として有名 なのは「除虫菊」の「ピレトリン」という成分です。現在はこれを科学的に合 成した「ピレスロイド」を使っています。蚊取り線香を燃やすことによって、 「ピレスロイド」が体内に入って、虫の神経を攻撃し、マヒ状態にします。し かし、私たちの実験結果から、長さの割には重さが軽い製品があることが分か りました。

ここから、私たちは、入れている材料や「ピレスロイド」の量に違いがあるの ではないかと推測しました。この点を工場見学の際に聞いてみましたが、やは り工場長も「他のメーカーの中には、国の基準よりもとても少ない量しか入れ てないため、効かない物があるのでしょう。」という話をしてくれました。

実験結果をまとめた「製品比較表」は、今も私のパソコンの中にあります。我 が家では、この表で効果があるとされたバングラの蚊取り線香を使っていま す。ちなみに、「効果」ならA製品、F製品、E製品、「燃焼時間」ならA製品、 G製品といったところがよいのではないでしょうか。

約半年にわたる学習を通して、子どもたちはバングラデシュの蚊取り線香に日 本と同じ質の物があるという事実を知り、この国の文化や生活、人々に対し て、共感的に理解をすることができました。

ダッカ日本人学校では、このようにクラスごとに自由課題を設定する「マイプ ロジェクト」のほか、「バングラを知ろう(異文化理解)」、「世界の友達と 仲よくなろう(交流活動)」の3つの単元を組み、【ダッカタイム(総合的な 学習の時間)】を進めています。そして、これらの学習を通して、子どもたち が「学び方」とともに、「バングラデシュの文化や人々と共に生きていく資 質」を身に付けていけるようにしたいと考えています。

「マイプロジェクト」の学習の成果は学習発表会で発表されます。今年度は、 「そこらへんにいる人はなぜそこらへんにいるのか?ベンガル人80人に聞きました? (中学年)」を始め、人々とのかかわり合いに視点をおいた発表が各クラスで行われ ました。その様子は、日本人会報10月号に「日本人学校だより」として掲載しています。 最後になりましたが、本校で進めている学校公開の一環として、来年度の学習 発表会は日本人会報でご案内を出すことになりました。まだ先の話ですが、み なさまのお越しをお待ちしております。


【4】バングラデシュ案内・第18回「犠牲祭(コルバニ・イード)」

ラマダン後2回の満月・新月を経て、月が見えてから10日目に行われるのが犠牲祭(コルバニ・イード)です。今年は1月22日から始まりました(開始日から3日間犠牲を捧げることができます)。収入に応じて、神へ犠牲を捧げる決まりです。中東では羊が主に犠牲として用いられるようですが、バングラデシュでは殆どが牛と山羊で、牛であれば奇数人数で7名までの連名で犠牲を行うことが可能です。

犠牲祭が由来する、旧約聖書・コーランにほぼ共通する話があります。アブラ ハムは神への信仰心を示すよう求められ、動物を犠牲にしましたが神に受け入 れられなかったため、自分の息子を捧げることにしました。息子は、父親が自 分を殺すのを見たら泣くだろう、と目隠しをさせます。アブラハムは意を決し 息子の喉を切りましたが、台の上には羊が横たわっており、息子は自分の横に 立っていました。心から愛する者を捧げた信仰心が受け入れられ、息子が生か された話です。

ですから本来であれば、自ら愛育した動物を犠牲として捧げるのが決まりです が、犠牲祭の1週間前ぐらいから生け贄の動物市が立ちます。3日位前からは 特に多くの牛・山羊が到着し大盛況となり、ダッカのガブトリ市場ではラクダ も3?5万タカ(1タカ@約2円)で売られます。大きさのみならず、健康で 毛の色つやが美しいものに高値が付きます。牛ならば、汚れが目立つ白牛より は茶色や黒牛が高値になる傾向があります。今年最高値の牛には日本円で約26 万円の値が付いたとか。一般に良く見る小型の牛が、約2?3万円程度ですか ら、どんな牛だったのでしょうか。ちなみにラクダを買うと山羊がおまけで1 匹ついてくるそうです。

昨年の犠牲祭の朝、私は軍の団地に住む職員の家に招いてもらいました。その 朝、皆は新しい衣服に身を包み、男達は米や小麦で作った細い麺をミルクで甘 く煮たお菓子を食べ、朝7時過ぎに、地域毎に行われる特別な祈りの会に出か けます。その後で生け贄を捧げる儀式が始まり、儀式の後は、肉を親戚、友人 などに配り、料理し、人を招いたり、招かれたりして大忙しになるそうです。

私が着いたのは朝8時頃でしたが、既にあちこちで儀式が始まっていました。 牛は程なく4、5人がかりで足と鼻先を縛られて引き倒され、祈りの後動脈が 切られると、血とはこんなに赤いものなのかと思うほど鮮やかな、真っ赤な血 が流れました。肉に血を残さないためか、一息に殺さず傷を深くしていきま す。首は半分以上切られていても、牛は死ねずに足をばたつかせ、立ち上がっ て逃げようとします。やっと事切れた時には20分以上が経過していました。その後 皮が削がれ、体の割に大きな胃腸が取り出されます。気が付くと貧しい人が籠を持 って内臓を受け取りに来ていました。解体が進み、3,4センチの角切りが作られて いきますが、体内に血が殆ど残っておらず、切っても血が殆ど出ないのです。私は 最初から最後までずっと立ち会いました。

犠牲の肉は3等分され、3分の1が貧しい家に、3分の1が(貧しい)親戚縁 者に配られ、自らの家族が食するのは残りの3分の1です。皮については、 売った代金又は皮をマドラサ等に寄付するか、半分を困窮親族に、その他半分 は2タカ、3タカずつでも出来るだけ多くの貧しい人に与えるそうです。

ある人は、マドラサから来て牛を屠った人に、なぜ生き物を犠牲にするのか訊 ねたそうですが、そんなことを訊ねるのは罪だと言われたそうです。彼はイス ラム教徒ですが犠牲祭を行ったことはありません。

私はこれからも肉も魚も食べ続けます。しかし自分の命が尊い他の命に支えら れ、成り立っていることを、覚えていようと思います。 (大使館広報文化班・河野秀美)


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