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日本・バングラデシュ交流メールマガジン (第 15 号・ 2004/09/02 )
? 日本とバングラデシュの橋渡しのために ?
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□ 目次 □
【1】堀口大使メッセージ「アワミ連盟集会爆破事件と新たな動き」
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
● 開発援助勉強会「日バ間の貿易・投資関係」(9月 12 日・ダッカ)
● バングラデシュ・アパレル展( 10 月 25 〜 27 日・東京)
[これまで]
● 日本バングラデシュ商工会議所 (JBCCI) 第1回総会(9月2日・ダッカ)
● 無償資金協力「人材育成奨学計画」帰国報告会(9月1日・ダッカ)
● ナスリーン・ベグム個展開会式(9月1日・ダッカ)
● 国防大学における堀口大使講演会(8月 30 日・ダッカ)
● アワミ連盟集会爆破事件に関する外務報道官談話(8月 24 日・東京)
[おしらせ]
● 洪水後に注意すべき病気
● 創作陶器展(9月1〜7日・ダッカ)
● アジア文化会館同窓会生け花・日本文化教室(ダッカ)
【4】特別寄稿「バングラデシュ空手事情」
( JICA シニア海外ボランティア:北村哲郎氏)
【5】バングラデシュ案内・第 11 回「カーゾン・ホール」
【1】堀口大使メッセージ 「アワミ連盟集会爆破事件と新たな動き」
8月 21 日の爆破事件は、先般の洪水の水がようやく退き、復旧活動が始まって間もない時期に起こっただけに、バングラデシュに深刻な影響を与えることに
なりました。
これまでの爆破事件ではいずれも犯人が捕まっていませんが、その理由の一つとして、事件がシレットなどインド国境に近いところで発生しているため、犯人が国外に逃走してしまうことが挙げられていました。
その点、今回の事件はダッカの街中で起こっているだけに、法と秩序の問題に止まらず、国家の権威そのものへの挑戦といってもよく、バングラデシュ警察のメンツにかけても犯人を挙げ、法の裁きにかけてほしいと願っています。
そうすることによってのみ、類似の事件の再発を防げるだけでなく、与野党が不毛な非難合戦に終止符を打ち、一致して山積する問題に取り組む環境が生まれることが期待されるからです。
今回の事件の後、ハルタルが続いて経済活動が停止し、洪水で休校となっていた学校がさらに無期限休校となり、国の将来を担うべき学生がいつまでも勉学の機会を奪われる事態に心を痛めていました。
ところが、事件の数日後にはバングラデシュ商工会議所連盟( FBCCI )が与野党の話し合いを呼びかけるとともにハルタル反対を訴え、やがて野党の一部もハルタルの続行に反対を表明し、さらに、事件から 10 日目までには野党寄りの新聞までが、何時までもハルタルを続けることに明確な反対姿勢を打ち出しました。このような声が国民の間でますます大きなものになることを願っていま
す。
問題は、野党の指導者がこのような声に果たして耳を傾けるかですが、他の主要国の大使とも連絡を取りながら、一日も早く耳を傾けて貰えるよう働きかけていきたいと考えています。
今回の事件の深刻さから、ハルタル反対の声が大きくなるにはもう少し時間の経過を待たなければならないかと思っていただけに、上記の動きに大変勇気づけられました。
この変化が本当にバングラデシュの「新たな動き」と云うに値するものなのか、もう少し見守る必要がありますが、なかなか変わらないと云われるバングラデシュだけに、この動きが本物になれば、今回の不幸な事件で失われた多くの人命が、大きな意味をもってくるものと思われます。
【2】最近の日本・バングラデシュ関係
[これから]
● 開発援助勉強会「日バ間の貿易・投資関係」(9月 12 日・ダッカ)
9月 12 日(日)午後5時より大使館3階会議室にて、「日本・バングラデシュ間の貿易・投資関係を如何に強化すべきか」をテーマに勉強会を開催します。西川壮太郎 JETRO ダッカ事務所長のプレゼンテーションを受けて、出席者間で意見交換を行う予定です。企業の皆様をはじめ、ご関心のある方は是非ご出席ください。出席希望者は当館・加山に連絡いただければ幸いです。
kayama@embjp.accesstel.net
バングラデシュ開発援助勉強会の詳細は、次のウェブサイトをご覧ください。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/jp/bdmodel/index.html
● バングラデシュ・アパレル展( 10 月 25 〜 27 日・東京)
10 月 25 日(月)〜 27 日(水)の3日間、東京のジェトロ赤坂展示場にてバングラデシュ縫製品産業・輸出業協会 (BGMEA) 、南アジア企業開発ファシリティ (SEDF) の主催、バングラデシュ大使館、ジェトロ、日本繊維輸入組合の後援でバングラデシュ・アパレル展が開催され、セミナー、ファッションショー、展示商談会等が行われます。
[これまで]
● 日本バングラデシュ商工会議所 (JBCCI) 第1回総会(9月2日・ダッカ)
9月2日、ショナルガオンホテルにて、日本バングラデシュ商工会議所 (JBCCI) の初総会が行われ、現在会員となっている約 40 の企業・団体のほとんどが参加しました。堀口大使は挨拶の中で、 JBCCI の活動が具体的な成果を生むよう、最大限の支援を行っていく旨を表明しました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/33sphjbcci020904.html
JBCCI の詳細は次のウェブサイトをご覧下さい。
http://www.jetro.go.jp/bangladesh/eng/jbcci/index.html
● 無償資金協力「人材育成奨学計画」帰国報告会(9月1日・ダッカ)
9月1日、大蔵省経済関係局にて、無償資金協力「人材育成奨学計画」で日本に派遣された4名の留学生( 2002 年7月から2年間の留学で修士号を取得)の帰国報告会が行われました。留学生による日本での研究成果のプレゼンテーションを受けて、活発な意見交換が行われました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/news/pr/25pressjdsrm020904.html
「人材育成奨学計画」の来年度申し込みは、9月9日締め切りです。詳細は次
のウェブサイトをご覧ください。
http://www.jice.org/english/jds/bangladesh_org.html
● ナスリーン・ベグム個展開会式(9月1日・ダッカ)
9月1日、ダンモンディのベンガルギャラリーにて “The Path Within” と題するナスリーン・ベグム (Nasreen Begum) の個展開会式が行われ、堀口大使は主賓として挨拶しました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/33sphjbcci020904.html
個展は9月1〜 15 日の午後 12 時〜8時までご覧頂けます。詳しくは次のウェブ サイトをご覧下さい。
http://www.bengalfoundation.com/gallery/
ギャラリーの住所及び連絡先は以下の通りです。
The Bengal Gallery of Fine Arts, 275/F, Road 27(Old), Dhanmondi
電話 :914-611 、 812-3115
● 国防大学における堀口大使講演会(8月 30 日・ダッカ)
8月 30 日、堀口大使は国防大学にて、当国陸海空軍・警察及びネパール軍、パキスタン軍、スリランカ軍関係者に対して、「国際関係における日本」と題する講演を行いました。講演内容は、近日中にウェブサイトに掲載します。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/embassy/speeches/sphmhoriguchi.html
● アワミ連盟集会爆破事件に関する外務報道官談話(8月 24 日・東京)
8月 24 日、高島外務報道官は、 21 日のダッカ市アワミ連盟本部前における政治集会中に起こった爆破テロ事件に関し、多数の死傷者が出たことに対する哀悼の意を表しつつ、テロ行為を断固として非難する内容の談話を発表しました。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/16/dga_0824.html
http://www.mofa.go.jp/announce/announce/2004/8/0824.html
8月 29 日、堀口大使は当館英語メルマガで次のメッセージを発表し、当地紙にも掲載されました。
http://www.bd.emb-japan.go.jp/en/eBulletin/7e-bulletin290804.html
[おしらせ]
● 洪水後に注意すべき病気
洪水後の時期にとくに注意すべき病気として、食中毒症、水系伝染病(下痢症(ウィルス性、細菌性)、細菌性赤痢、アメーバ赤痢、コレラ、E型肝炎、A型肝炎、腸チフス)、デング熱、蛇咬症、皮膚病があげられます。
これらの予防策として、以下があげられますので参考にしてください。
1.汚染されている可能性のある水や氷、生野菜、ヨーグルト等は避ける。水道水も危険。
2.調理後時間が経ったものは食べない。とくに蠅がたかった後は注意。
3.蚊に刺されないよう防御する。
4.洪水の水に触れない、近づかない。
黄疸、腹痛、持続的な下痢や発熱等の症状があれば専門医を受診することをお勧めいたします。
● 創作陶器展(9月1〜7日・ダッカ)
9月1日(水)〜7日(火)、ダッカ大学芸術研究所のザイヌル・ギャラリーにて、クレイ・イメージ主催の第1回創作陶器展が開催されています。陶器の販売も行われています。
Zainul Gallery, Institute of Fine Art, Dhaka University
Shahbagh, Dhaka
● アジア文化会館同窓会生け花・日本文化教室(ダッカ)
1966 年に日本で高等教育・研修を受けた帰国生の同窓会として活動を開始したアジア文化会館同窓会( ABKD )は、毎週金曜午前(初級:午前9時〜 10 時、中級: 10 時 30 分〜 12 時)に生け花教室を開催しています(前期:1月〜6月、後期:7月〜 12 月)。またアートフラワー作りや日本文化のデモンストレーション等も行われる予定です。ご関心のある方は下記までご連絡下さい。
ABKD 生け花・日本文化教室
住所: House-5/9 ( Ground Floor ), Block-D, Lalmatia, Dhaka-1207
電話: 861-3856 、 967-3413
講座受講料:入学金 200 タカ、授業料(6ヶ月分) 1,800 タカ
【3】特別寄稿「バングラデシュ空手事情」
( JICA シニア海外ボランティア:北村哲郎氏)
二度と日本に帰れないのではという不安の中、 1985 年 12 月、青年海外協力隊(空手指導)として初めてバングラの大地に足を下ろしました。なんともう 19 年も経ってしまいました。その後、縁があってビジネスで3年半、 JICA ・シニアボランティアで今回3度目のバングラ滞在です。
よく前は、日本人から「バングラに空手なんて必要なのか?」、「農業関係の指導以外必要ないでしょう」と言われました。私は「空手を通して人間を育成することができる。国を動かすのは人間なのだから」と反論?したものです。
実際、その当時の生徒の中からバンドルボンの県知事になったものもいますし、バングラ中に支部を持つ空手クラブを運営している者、大きな会社の社長を務めている者も出ています。私の夢は、生徒の中から誰かが “ 首相 ” になって、この国を引っ張っていってくれる事です。
さて、 19 年前のバングラの空手は “ いんちき空手 ” がほとんどで、映画を見ただけや本を読んだだけである程度お金を持っている者が、クラブを作って自分で黒帯を締めて指導者になっていました。習いに来る者も映画(ブルース・リーなど)でやっているのが空手と思っているので、ブルース・リーのマネが上手い者が良い指導者、選手でした。
赴任してすぐに全バングラ空手選手権があり、連盟に頼まれて審判をしたのですが、試合が始まっても戦わないでそれぞれ勝手に「アチョ〜!!」といいながらブルース・リーのマネを始め、観客もそのマネを喜んでいました。私はこれからの2年間を考えると気が遠くなりました。
最初の指導に行った時は私を馬鹿にした様子なので、選手全員( 30 人ほど)と試合をして全員をコテンパンにやっつけた(ケンカではないですよ)あとは指導がやりやすくなり、本当の空手の指導も順調に行き、その後の試合での「アチョ〜」は段々となくなっていきました。
スリランカで開催された南アジア大会に、バングラ初のナショナルチームを作り、金3、銀2、銅1で総合優勝するまでになりました。バングラの駐スリランカ大使も感激して私達を大使館に招待して下さり、観光までさせてくださいました。その後、審判育成や地方への巡回指導、第1回ウーマンズカップも開催することができ、日本の指導者がその後も続いてくれることを祈り、2年間の活動を終えました。
今回 19 年ぶりに空手指導者としてバングラに来て一番驚いたのは、空手の専用練習場がないことです。 19 年前は、柔道と共同でしたが専用道場がありました。現在は、他の競技が使っていない場所(それもコンクリートの上)で練習しています。
空手の技術も 19 年前より悪くなっているところもあります。それに、非常に指導者や選手などの態度が悪いことです。年月が経ち、前よりも全てが悪くなっていることに、驚くより呆れてしまいました。日本の指導者が長年不在なのが一番の原因です。
空手をやっていた者が現在の連盟の幹部には一人もおらず、政治的な圧力で前の連盟役員を全員辞めさせたとも言われています。前の連盟の役員は今の連盟は無効と訴訟を起こしました。
私はこの2年間、たとえ指導環境がよくならなくとも、次の時代を担う今の生徒たちに 100 %自分の持っているものを伝え、この国の発展に少しでも協力でき、任期を終えたいと思っています。
現在、指導はミルプール・インドア・スタジアム(土・月・水)及びナショナル・スポーツ・カウンシル(日・火・木)で4時〜6時過ぎまでやっています。運動したい方は、ぜひベンガル人に混じってやって見ませんか!!
実際に、数人の日本人が空手をやりに来ています。また、パントポットロードでも日本の空手道場(日・火・木)5: 30 〜6: 45 と6: 45 〜8: 15 の2クラスやっています。
空手を通してバングラデシュの人々と交流して見ませんか!!バングラデシュの見方が変わりますよ。詳しい内容をお知りになりたい方は、 019-357581 (北村携帯)までどうぞ。
【4】バングラデシュ案内・第 11 回「カーゾン・ホール」
カーゾン・ホールは、ダッカ市のロムナ地区、オールド・ハイコートの近くに位置する、赤い煉瓦の外壁と周囲を囲む緑のコントラストが美しい、ヨーロッパとムガールの建築様式が見事に融合された、ダッカを代表する歴史的建造物です。
カーゾン・ホールという名前は、 1904 年に当時のインド総督として定礎式を行ったカーゾン卿に由来しており、本年で工事着工以来 100 年を迎えています。
工事着工翌年の 1905 年、カーゾン・インド総督はベンガル州を(西)ベンガルと東ベンガル及びアッサムに分割するベンガル分割令を施行しました。しかし、この政策により反英感情や分割反対運動が高まり、また、インド軍の改革を巡る軍との意見の対立等のため、カーゾン卿は同年インド総督を辞職しました。
当初、カーゾン・ホールは知事の宿舎、公会堂として利用する目的で建てられましたが、ベンガルが再統合された 1911 年以降はダッカ・カレッジの建物として、 1921 年のダッカ大学設立後はダッカ大学理学部の教室、研究室、事務所、会議場等として使用されています。
しかし、最近建物の老朽化が進んでいるため、ダッカ大学の学生が大学側に建物の修復を求めています。大学当局は、カーゾン・ホールを含むダッカ大学に所属する歴史的建造物の修復・保全計画を準備しているそうです。
カーゾン・ホールの着工以来 100 年の間に、イギリス支配、ベンガル分割、東パキスタンとしての独立、バングラデシュの独立がありましたが、特に 1948 年、カーゾン・ホールは東パキスタン時代のバングラデシュで起こった「言語運動」の舞台となりました。
ダッカ大学の学生達は、このカーゾン・ホールで、モハマド・アル・ジンナーのウルドゥー語のみをパキスタンの公用語とするとした決定に、初めて反旗を翻したのです。
英国ビクトリア時代、ムガール帝国の雰囲気を醸し出すこの建物には細部にまで様々な装飾が施されており、建築に携わった人々の高い芸術性が感じられます。良く手入れされた美しい庭園も、市民の憩いの場になっています。
私は、バングラデシュに着任した当初に、このカーゾン・ホールを訪れました。値段交渉に若干とまどいながら、ダッカで初めてリキシャに乗ったのもここでした。歴史を感じさせる美しい建物と庭を眺めて、良いひとときを過ごした事を覚えています。皆さんも、是非一度、構内を見学してみては如何でしょうか。
(大使館広報文化班・河野秀美)
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FAX(880-2)882-6737
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