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バングラデシュ経済関連報道(2008年5月)


2008年5月(5月1日〜31日)の当地英字新聞の経済関連報道を取りまとめたところ概要以下の通り。

1. マクロ経済全般、GDP
・ バ中銀は、今年度のGDP成長率は6〜6.2%になると予測。(5/1 デイリースター紙(DS))
・ 08年度のGDPは6.05%成長となる見込み。洪水・サイクロンによる大規模な自然災害被害と、厳しい汚職取締りによる経済活動の停滞という厳しい環境にも関わらず、3年連続6%台の成長を達成。縫製品輸出の回復と最近の好調な穀物収穫が劇的な回復の主因。(5/28 フィナンシャルエクスプレス紙(FX))

2. 財政
(1)全般
・ 今年度の財政赤字は5%に上る模様。

(2)歳入
・ 今年度に入り過去10ヶ月間での税収(3,531億タカ)は昨年同期比23%増。(5/13 FX)
・ 政府は次年度の開発予算につき1,460億タカを海外援助から見込んでいる。今年度の開発予算における海外援助額は1,297億タカであり援助比率は高まる見込み。(5/3 FX)
・ 次年度予算においては7,020億タカの歳入を見込んでおり、対前年比23%増。(5/6 DS)
・ 期間限定減免税(Tax Holiday)は2011年まで延長される見込み。(5/27 FX)
・ 次年度予算における政府の国内借り入れは過去最高の1,700億タカで確定。今年度の借入目標額から45%増の数値。(5/29 NA)
・ 政府は、次年度より、輸入関税システムに大きな変更を加える予定。現在の3層構造(10%, 15%, 25%)から4層構造(3%, 7%, 15%, 25%)に2年ぶりに戻すもの。(5/30 FX)

(3)歳出
・ 次年度予算は1兆タカに達する見込みであり対前年度比で27%増となる模様。主な予算増の要因としては、公務員給与の増額、利子支払い、補助金と社会保障プログラムの支出増があげられる。(5/5 DS)
・ 次年度歳出は約9,950億タカとなる模様。財政赤字は最大5%とする見込み。(5/20 NA)
・ 利子支払いは次年度予算の最大の歳出項目であり、1,450億タカに上る見込み。これは対前年度比で40%の増加。(5/10 FX)
・ 政府は次年度予算の12%を燃料・肥料・食糧への補助金支出にする見込み。これら3つの「F」(Fuel, Fertilizer, Food)の最近の急速な価格高騰は、補助金政策を取る政府の財政を逼迫しつつあり、財政政策の最大の脅威となりつつある。(5/12 FX)
・ 政府は次年度開発予算を2,550億タカに設定する見込み。うち57%は海外援助を予定しており、近年の予算と比較して援助比率は拡大。(5/25 FX)
・ 政府は50万トンの肥料をUAE・サウジ・カタールから輸入する見込み。肥料危機への対応と次年度のコメ生産に備えるもの。(5/20 DS)
・ 政府は、次年度予算において500億タカを食糧貯蔵に充てる見込み。260万トンを予定しており、バ史上最大となるもの。(5/8 FX)
・ コメの市場価格と政府買付額の価格差は大きく、ボロ米調達の妨げとなっている。そのため、既にコメの収穫は7割方終わっているにも関わらず、15日までの調達第一段階では目標の27万5,750トンには遠く及ばず3万5,360トンしか調達できていない。(5/17 NA)
・ 今月中に収穫が終わる予定にも関わらず、ボロ米の調達は未だ勢いがない。市場価格が政府の買付価格を上回っていることが調達を遅延させている。(5/30 FX)

3. 国際収支
(1)貿易
・ 3月度の輸出は対前年度比21%増となる大幅な伸びを記録。なお、過去9ヶ月間の累計では対前年比12%増となっている。好調な縫製品輸出が背景。(5/6 FX)
・ 今年度第3四半期までの9ヶ月間(7月から3月)の輸出実績は100億ドルを突破し前年同期実績(90億ドル)に対し12%増となった。(5/6 NA)
・ 過去8ヶ月間の貿易赤字は32億ドルに拡大。(5/8 FX)
・ 4月度の輸入は対前月度比8%減。コメを含む一部日用品への需要減が原因。(5/11 FX)
・ 2007年1月から開始されたSAFTA下での貿易により、バの域内輸出が伸びている。無・低関税品の輸出伸長が主因であり、特にインド向けの伸びが著しい。2007年(暦年)のバからSAARCメンバー国への輸出は1億8,600万ドルに上った。(5/6 DS)

(2)投資
・ バ政府は、印・タタからの30億ドルの投資案件(鉄・肥料・電力プラント)に対し、深刻なガス不足の現状を鑑み、タタの要求するガス供給を約束することは現時点では不可能と通知。(5/9 DS)
・ 印・タタの大型投資案件にかかる政府とタタとの対話は解が出ず。バ政府は、タタの要求する2億mmcfのガス供給は不可能と回答。ガス供給は現在1.5億mmcf不足している状況。2005年より進められてきたタタとの交渉はバのガス供給事情の変化により変局点にある。(5/12 NA)
・ 印・タタは、製鉄・肥料工場の建設にかかる大型投資案件につき、今回は解を保留しバの予定しているオンショア・オフショアでのガス開発の結果を待つと発言。(5/13 FX)

(3)海外労働者送金
・ バ中銀は今年度の海外労働者送金が80億ドルを超えると予測。過去10ヶ月間の実績は既に64億ドルに達しており対前年比31%増を達成。(5/6 FX)
・ 世銀の「海外送金調書2007」によると、海外労働者一人当たりの送金額については、南アジアでは「バ」はスリランカ(1,230ドル)に次ぎ僅差で第二位の1,222ドル。530万人の労働者が64億8千万ドル送金していることによるもの。(5/21 FX)

4. 食糧
・ コメ価格が徐々に下落。ボロ米の収穫によるもので、卸売価格は28タカ/kgとなっている(前週は32タカ/kg)。小売店では以前に高値で購入したコメの在庫があるため大きな価格変動はなく、値下げ幅は緩やかになる見込み。(5/6 ニューエイジ紙(NA))
・ 今年度のボロ米の収穫は75%を終えて2,000万トンを記録、目標値の1,750万トンを既に250万トン上回った。全体の収穫は2,600万トンを見込んでいる。(5/21 FX)

5. 産業
(1)ガス
・ 政府は、最近のガス危機を踏まえて、工業利用におけるチッタゴン地域への新たなガス供給を当面見合わせることを決定。ビジネス界では工業化の阻害要因として懸念が広がっている。(5/6 DS)
・ 夏季の暑さとガス不足が電力供給に悪影響を及ぼし続けている。バは現在一日あたり1,000MWの電力不足にあり、停電は一日5〜6回に上る。(5/10 FX)
・ 政府は、2011年までに、追加で300mmcfdのガスを産出するための行動計画作成の会合を本日開催する。(NA 5/29)

(2)造船
・ バ・アナンダ社は、ドイツから6,700万ドルで4隻の船(7,100DWT)の生産を受注。2011年までに納品予定。これにより、アナンダ社への発注は累計で16隻・2億1700万ドルとなった。最近バは世界の造船業界から注目されているが、背景にはこれまで造船業界の中心にあった韓・中が大規模船の生産に集中し、小規模船の生産を嫌気している事情がある。(5/12 DS)
・ バングラデシュは明日最初の航海船をデンマークに輸出する。2,900DWTの小型船であり受注額は7百万ドル。造船業は今後輸出ビジネスとして期待される分野であり、バ海外貿易史上、新たな時代の幕開けとなる。(5/14 FX)

(3)通信
・ バングラデシュ電信電話庁(BTTB)の公社化にかかる政令は最終的に閣議承認された。(5/5 DS)
・ 日本の携帯電話企業最大手・NTTドコモ社が、AKカーン社が保有する30%のアクテル社株式取得に向け入札に参加。アクテル社はバで第3位の携帯電話企業。(5/15 DS)
・ A K カーンの所有する30%のアクテル株の購入に関して、これまで商談を進めているVodafone、NTTドコモに加えて、UAEのエティハッド・エティサラットも参戦し、3社での競合となっている。(5/24 FX)
・ 韓国の携帯電話大手・SKテレコム社はバ携帯電話企業TeleTalk社の49%の株式取得を検討中。TeleTalkはバ携帯電話企業6社中では契約者数で最小でありマーケットシェアはわずか2%。サービス品質の低さとマーケティング力の弱さが業績低迷の原因とされてきた。(5/1 DS)

(4)縫製品
・ バの縫製品工場労働者の第一次隊60名が露へ向けて2ヶ月以内に発つ予定。露がバの縫製業の技術に注目している証。(5/18 DS)
・ RMGの買い付け拠点(RMG buying houses)数が急増している。昨年末に150だったものが今年に入ってわずか5ヶ月間で200を突破。背景には好調な縫製品市場がある。最近の元高を背景に中国からバに買付先をシフトする動きがあることが原因。現在バングラデシュは世界第5位の織物・縫製品生産国であり、今年度の縫製品注文は30〜40%増加。(5/29 DS)

6.その他
・ イスラム財務顧問は、アガ・カーンが銀行セクターへの投資に関心を示しており、特にルパリ銀行の購入に関心を示していると述べた。(5/23 FX)



※当地英字新聞のウェブサイト
  デーリースター紙
  フィナンシャルエクスプレス紙
  ニューエイジ紙

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