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バングラデシュ経済関連報道(2008年3月)


2008年3月(3月1日〜31日)の当地英字新聞の経済関連報道を取りまとめたところ概要以下の通り。

1.マクロ経済全般、GDP
・ADBのEconomic Update(12月)によると、08年度のGDP成長率は6%を下回る見込み(昨年度比0.5%減)。(3/1 デイリースター紙(DS))
・ESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会)は、「バ」が今年度当初目標の7%のGDP成長を達成するのは困難と発表。政治的不安定と財政赤字の拡大が原因と分析。(3/27 DS)
・主要エコノミストとの予算前審議会の場で、財務顧問は、輸出成長や海外送金の増加等マクロ経済指標に触れ、現在の「バ」の経済状況には明るい兆候が見られており警戒の必要はないと発言。しかしエコノミストは食糧価格の継続的な高騰は重要な課題であり経済指標は国民の腹を満たすものではない(won't feed the people)と指摘。(3/18 DS)

2.物価
(1)全般
・1月度のインフレ率は11.43%。(3/3 ニューエイジ紙(NA))
(2)食糧
・生活必需品の価格高騰を止めるための措置を講じる旨、商業顧問が発表。(3/12 NA)
・食糧危機への対応のため新たに対策委員会を設置。(3/24 NA)
(※暫定政権発足以来の物価高傾向を克服するために、これまで政府はコメの公開市場販売や市場モニタリング、セーフティネットプログラム等の対策を講じてきたがこれまでのところ成果を挙げていない。今回の対策委員会設置はこのような状況打破のために打ち立てた新たな施策。)
・インドからの輸入米価格が1トンあたり150ドル上昇し650ドルへ。これを受け、国内米市場はさらに不安定化する見込み。(3/9 NA)
・WFPは最近の食糧(特に米)価格の高騰が政治的不安定を招くことへの懸念を示した。貧困世帯では収入の80%を食糧に費やしているため食糧価格高騰は特に貧困層への打撃が大きいため。(3/19 DS)

3.財政
・今年度開発予算(ADP)は7ヶ月間で25%しか実施されていない(ECNEC発言)。(3/2 DS)
・政府は今年度開発予算(ADP)を見直し。当初予定2,650億タカから2,250億タカへ引き下げ。(3/25 DS)
・今年度に入り、「バ」は少なくとも11億ドルの外国援助を受け取っている。これは歴年同期比において最も高い額。(3/16 DS)
・政府は今年6月に期限切れとなる期間限定減免税(tax holiday)を延長する見込み。(3/13 ファイナンシャル・エクスプレス紙(FE))

4.次年度予算
・次年度国家予算は9,024億タカに上る見込み。これは今年度比300億タカ以上の増加。(3/7 NA)
・暫定政権は次年度予算として8,500億タカの予算を予定していると発表。(3/30 NA)

5.国際収支
・今年度の海外労働者送金は過去8ヶ月間(2007年7月〜2008年2月)ですでに対前年度比26%増の48億円に上っている。(3/5 DS)
・2007年(暦年:1月〜12月)の海外労働者送金は65億ドルに上り、450万人のバ人が海外就労中(外務顧問発言)。(3/24 DS)
・外貨準備高は初めて60億ドルに乗せた。背景には洪水・サイクロン被害による海外援助額の増加とオリエンタル銀行の売却益がある。(3/3 DS)
・財政赤字は320億タカに拡大。石油・肥料・米の国際価格の高騰と補助金政策が背景。(3/4 NA)
・ルパリ銀行の売却について、政府はサウジアラビア王子と2年間に渡り交渉中であったが、サウジ王子が当初合意金額支払いに難色を示したため売買契約を締結できず、最終的に取引をキャンセルし白紙に戻すことが10日に閣議決定された。(3/11 NA)

6.貿易・投資
(1)貿易
(イ)穀物輸入
・今年度の輸入はこれまでのところ(昨年7月から1月までの7ヶ月間)昨年度同期比で19.79%増。穀物輸入の197%増が主因(今年度実績(7ヶ月間):813百万ドル。昨年同期実績:274百万ドル)。(3/3 FE)
・6月までに100万トンの米を主にインド・ミャンマーから輸入する予定。(3/13 DS)
・今年度の米輸入はこれまでのところ(昨年7月から2月までの8ヶ月間)対前年同期比で量的に約600%増、金額ベースでは約1000%増。国内生産量の落ち込みと国際価格高騰が背景。バ中銀によれば、今年度に入り3月第一週までの間に180万トンの米が輸入され、642百万ドルを支払っている(昨年同期:55.57百万ドル)。(3/13 FE)
(ロ)縫製品
・綿の国際価格高騰が当国縫製業を直撃。影響につき懸念される。(3/1 NA)
・米国での特恵関税法案に関して、「バ」への特恵関税付与は米国内およびアフリカ・中南米諸国の強い反対に直面している。(3/9 NA)
・インドは「バ」からの年間800万枚の縫製品の無関税アクセスを承認。(3/15 DS)
(ハ)その他
・冷凍食品の輸出は、今年度当初目標値から20%程度落ち込む恐れ。世界経済の停滞と国際競争激化が背景。(3/7 FE)
・07年の薬品の輸出は06年の39百万ドルからわずかに減少し35百万ドルとなった。(3/13 FE)
(2)投資
・印・タタグループは「バ」での30億ドルの投資を見送る見込み。(3/3 DS)
・タタグループは未だ投資の希望は残しているが「バ」の状況が安定するまで待ちの姿勢。(3/5 DS)

7.産業
・「バ」のガス危機は今後10年間持続する可能性がある。政府が国内生産・輸入双方について適切な対策を打てていないことが理由。現在当国は一日あたり1,800mmcf(百万立方フィート)のガス需要に対し1,700mmcfしか生産できていないが、需要は年8〜10%程度増加している。(3/2 DS)
・ガス危機に瀕していることを鑑み、「バ」政府はミャンマーにガス輸出の依頼を行ったところ「ミ」はこの依頼を拒絶。中国とインドへのガス供給を優先するため。(3/12 DS)
・今夏1500-2000MWの電力不足が予測される。需給ギャップが最大の要因。当国ではガス不足を背景に4,700MWの需要に対し3,600MWしか電力供給できていないが、今夏はピーク時に5,500MWの需要が予測されており一層の計画停電が予測される。(3/24 DS)
・BTTB(バングラデシュ電信電話庁)は海外と通信ネットワーク接続している海底ケーブル(SEA-ME-WE-4)の容量増を行わないことを決定。現在の帯域使用量が非常に低いことが要因。(3/15 NA)

8.その他
・2007年に海外就労許可を得た労働者数は83万人に上り、2006年の38万人から倍増。(3/2 DS)
・当国初となる輸出加工区(EPZ)での労働組合が導入されつつある。今年1月から3月中旬にかけて行われた従業員投票に基づき、これまでのところダッカおよびチッタゴンの69社に導入された。(3/23 DS)



※当地英字新聞のウェブサイト
  デーリースター紙
  フィナンシャルエクスプレス紙
  ニューエイジ紙

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